【テレビ制作の裏側】調べもののプロ!リサーチャーのお仕事とは?

リサーチャーとは テレビ番組制作の仕事というと、プロデューサー・ディレクター・AD(アシスタントディレクター)などがメジャーですが、その他にも調べものやネタだしを担当する「リサーチャー」という専門的なお仕事があります。 ...


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リサーチャーとは

テレビ番組制作の仕事というと、プロデューサー・ディレクター・AD(アシスタントディレクター)などがメジャーですが、その他にも調べものやネタだしを担当する「リサーチャー」という専門的なお仕事があります。
リサーチはADのお仕事の一つでもありますが、その業務を専門的に行っている人や会社があり、番組の制作会議に参加してさまざまな情報を提供したり、局のプロデューサーさんと一緒に新しい番組を考えたりと、テレビ番組を裏で支えるなくてはならない存在です。
では実際にどのような業務をしているのか、どうすればリサーチャーになれるのか解説していきます!

リサーチャーのお仕事

リサーチャーのお仕事はざっくりと分けると「依頼された調べもの」「新しい情報の提案」です。ディレクターさんから「こういう人、お店を調べてほしい」「この情報が正しいのか裏取りしてほしい」などと依頼されて調べることが基本的にメインのお仕事ですが、リサーチャーは多種多様各ジャンルの情報を持っているので「海外でこんなニュースがありました」「このインスタグラマーがバズっているみたいなので番組に呼んでみては?」などの提案をすることもあります。
いくつかの業務を詳しく解説していきます。

ネタだし

番組の制作会議で企画を提案したり、ゲスト案を出したりします。また、事前に演出やディレクターに依頼されていた案件のリサーチ結果を会議などで提案します。

リサーチの際にはネット検索はもちろん、新聞や雑誌、SNS等も活用します。
新聞や書籍を調べる場合には近くの図書館や国会図書館を利用し、過去の雑誌を閲覧したい場合には大宅壮一文庫という雑誌の図書館を利用します。
また、だいたいの取材先が絞れた段階で、事実確認も兼ねて実際に電話で事前取材をすることもあります。

ファクトチェック

いわゆる【裏どり】と呼ばれるもので、扱おうとしている情報やデータが本当に正しいのか確認するためのリサーチ作業です。公式HPや公的な研究機関の論文、新聞記事など複数のソースから確認し、制作スタッフに報告します。これはテレビ放送における情報の品質・価値を担保するためにも非常に大事な仕事です。
また最近では裏どりだけではなく、コンプライアンスチェックなどもニーズが高まっています。

タレント情報リサーチ

これはゲストとして予定されているタレントの過去のエピソードや趣味・嗜好、出演歴などを雑誌やweb媒体でのインタビュー記事、過去のテレビ番組などの発言、タレント本人のSNSなどから抜粋しプロフィールを作成して報告するという仕事です。
ここで大事なのは公開されている情報のみ調べるということです。確証のない噂やゴシップ、本人の許可が取れていないプライベート情報などは資料に決して含みません。最近はYouTuberの方々の情報の要望が多く、そういった場合は出演動画を見たりして情報を集めます。トーク番組や企画モノなどあらゆる番組においてまずは必要となるリサーチです。

出演者リサーチ・キャスティング

これはタレントさんではなく一般人の方の中からテレビに出演してもらえる人を探す業務です。例えば、一般人の方の上京に密着する企画や、大家族もの、ダイエットやメイクでの変身企画などがあります。その他、情報系番組においてコメントや監修して頂ける専門家の方をリサーチしてキャスティングすることもあります。

海外映像リサーチ&権利交渉・許諾

いわゆる「衝撃映像100連発!」や「かわいい動物映像100連発!」のような番組のために海外映像をリサーチし、権利元を探し出し、使用条件をヒアリングしたうえで日本のテレビ番組で放送できるように使用許諾を得て購入・納品するというお仕事です。権利元は個人の場合もあれば、制作会社であったり、海外の局であったりとケースバイケースです。

アンケート調査

テレビ番組は「卒業ソングランキング」や「好きな恋愛映画ランキング」などランキングを使うことが多く、そのアンケート調査も担うことがあります。過去には弊社フォーミュレーションI.T.S.でも、リサーチ会社の依頼を受けて学生アルバイトさんを集めての音楽番組のランキング作成に協力したことがあります。ADさんらによる街頭インタビューの結果なども含めるので、最終的には「番組調べ」になることが多いですが、ある程度信憑性を持たせるため母数が多く必要な時はリサーチ会社でネットアンケート調査を行うことがあります。

ドラマ映画リサーチ

ドラマ・映画の物語背景に無理がないかや登場人物の職業に関するリサーチ、ストーリー制作においてヒントとなる実際の事件や事例のエピソードをリサーチします。またメディアや口コミで話題になっているがまだ映像化されていない原作などをリサーチしたり、紙媒体・SNSを含むウェブ媒体で連載されている作品をいちはやくチェックする作業などもあります。

リサーチャーになるには

リサーチャーになるにはまずリサーチ会社に就職することをおすすめします。テレビのADと同じくほとんどの会社が未経験OKですので、特別なスキルがなくても大丈夫です。制作会社ほどではありませんがリサーチ会社も東京にはいくつかありますので、求人サイトや会社のHPからぜひエントリーしてみてください。また、フリーのリサーチャーさんもいますが、あくまでもリサーチ会社で経験を積み人脈や実績を獲得してからでないと成立しないので、スタートの時点ではおすすめしません。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は、テレビ制作には欠かせない「リサーチャー」さんのお仕事を紹介しました。
テレビや映画が好きな方で、おいしいお店や流行っているコスメなどの情報を収集するのが好き!コツコツとした調べものが苦にならない!という方にはおすすめのお仕事だと思います。番組に自分の関わった企画が採用されやすいという意味でも、とてもやりがいのあるお仕事です。少しでも気になった方は、ぜひ一度説明会などに足を運んでみてください。