映像編集に携わる!ポストプロダクションとは?

映像業界の『ポストプロダクション』が気になってるけど、実際どのような仕事内容なのかいまいちピントこない…!そんな人のために、今回はポストプロダクションについて解説します! 「ポストプロダクション」とは、撮影した後の作業全...


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映像業界の『ポストプロダクション』が気になってるけど、実際どのような仕事内容なのかいまいちピントこない…!そんな人のために、今回はポストプロダクションについて解説します!

「ポストプロダクション」とは、撮影した後の作業全般

まず、テレビ番組、CM、映画、ネット配信などの「映像コンテンツ」の制作工程は、企画・制作・撮影等を行う「プリプロダクション」と、収録した素材の加工や仕上げを行う「ポストプロダクション」とに分類されます。
ポストプロダクションは通称「ポスプロ」とも呼ばれ、主に映像作品や映画の制作を撮影後に編集する作業のことであり、かつ、編集作業を行うスタジオや制作会社のことを指す名称でもあります。そのため、映像制作をしたい人は、「プリプロダクション」ではなく、「ポストプロダクション」を目指すといいでしょう。

ポストプロダクションの仕事内容は大きく分けて2つ

ポストプロダクションの仕事内容は、主に映像編集作業の「EED」と、音編集作業の「MA」に大きく分かれます。その他にも行う作業工程もあるため、専門的な知識や技術が必要になるでしょう。

映像編集作業の「EED」とは

映像編集では、まず、素材やデータを機材に取り込む作業を行います!取り込んだデータを編集ソフトを使って編集作業を行い、完成後に納品用データとしてディスクに書き込みます。編集にはビデオデッキと編集機を2台以上使用し、持ち込まれたテープから納品用のテープで編集する「リニア編集」と、データ化して編集ソフトで編集する「ノンリニア編集」があります。近年は、ノンリニア編集のほうが複雑な加工でも編集しやすく、時間も大きく短縮できるため、ノンリニア編集を採用している制作会社がほとんどです。

音編集作業の「MA」とは

音編集は、映像に合わせてアフレコやナレーション、音楽や効果音をつけて加工する作業です。タイミングや効果音の種類などを調整する必要があり、センスを問われる仕事でもあります。また、音量や音質にもこだわることで、より質の良い作品に仕上がります。
丁度いい効果音などがMAスタジオになければ、スタッフが制作することもあります。

その他

ポストプロダクションには映像編集や音編集を担当するスタッフだけではなく、撮影や音声収録、スケジューリングやデスクスタッフなど、様々なことを担うスタッフがいます。

ポスプロに所属する人の役職

エディター(編集)


テレビ番組・CM・PV・映画などにおいて、映像の編集作業を担当します。制作スタッフと共に映像作品を作り出すうえで、編集だけでなく、色調整、合成、テロップ入れなど、映像にかかわる中心的な役割を担い、制作者の意図に沿った作品に仕上げていきます。そのために、作品の構成を熟知し、最適な映像表現を提案するクリエイターとしてのセンスだけでなく、撮影などの知識も兼ね備えることで最適なワークフローを提案し、放送基準や納品形態に求められる品質の管理を行うなど、エンジニアとしてのスキルも必要とされる重要な立場になります。

カラリスト(カラーグレーディング)

カラリストとは、カラーグレーディングによって作品の世界観を色で表現するスペシャリストのことで、色に対する豊富な知識と感性が必要な仕事です。カラーコレクションが色の補正であるのに対し、カラーグレーディングは色の演出をさします。作品が伝えたいメッセージや情感を際立たせるカラーグレーディングは、作品の完成度を高めるうえで欠くことのできない仕事として、近年その重要性はさらに高まっています。

CGクリエイター・VFXコンポジター

CMや特撮ドラマ、映画などにおいてCG制作やVFX(ビジュアル・エフェクト)にかかわる作業を担当します。CGクリエイターは、実際には存在しない物体や、撮影が困難な事象をCG(コンピュータグラフィックス)など最先端の技術でリアルな映像に創り上げるお仕事です。一方で、VFXコンポジターは、高度な合成技術を駆使しながら実写映像とCGを融合させ、よりインパクトのある映像や全く合成と思われないような映像を効率よく仕上げていく作業を行います。どちらの作業も、作品の意図に沿った柔軟なクリエイティビティが求められます。

MAミキサー

テレビ番組・CM・PVなど、すべての作品の音響にかかわる仕上げ全般を担当します。DAW(デジタルオーディオワークステーション)やミキシングコンソールという、音声の録音/編集などができる機器やソフトウェアを操作しながら、セリフ・ナレーション・BGM・効果音などを映像に重ね合わせて作品を完成させていきます。音響の仕上がりは、視覚との相乗効果で作品の完成度に大きく影響を与えるため、制作者のイメージ、意図を最大限表現できるよう、音量・音質・音空間の総合的なサウンドデザインやミキシング処理を施していきます。制作者のリクエストに応じて映像と音声をまとめ上げる能力が求められる重要なお仕事です。

音響効果(サウンドデザイン)

各種コンテンツで使用される音楽や音響的効果にかかわる音源制作・管理の全般を担当します。作品で用いられる音楽の選曲や効果音(SE)により視聴者が受ける心理的な印象は大きく左右されるため、サウンドデザインでは、日常のあらゆる音源から作品に最適な効果音を創り出すこと、また多彩なジャンルの音楽に精通してセリフやナレーション以外の全ての音源を巧みに扱うセンスが求められます。音響効果のスタッフはMA作業のほか、生放送などのスタジオ番組でも活躍しています。

営業


予算に合わせたスタジオスケジュール・作業フローの提案・調整など、作業受注における総合窓口が主な仕事です。ポストプロダクション業務全体を把握し、自社の強みを提案に織り交ぜることで、制作に対して効率的で円滑な運営を構築・提案していきます。そのため自社の技術者の能力、システム把握はもちろんのこと、業界動向や技術分野の知識も必要とされるお仕事です。

まとめ

『ポストプロダクション』の仕事内容についてご理解いただけましたでしょうか。似たような職種で企画・制作・撮影等を行う「プリプロダクション」がありますが、全く別物だとわかっていただけたかと思います。映像業界は多種多様な業種の人が集まってお仕事をしているので、ここまでで気になる業種が見つかったら深掘りしてみるといいかもしれません。