「デジ?」「ドラテ?」「オフライン?」──これ、何のことか分かりますか?
テレビ業界や映像制作の現場に初めて入った新人ADさんが最初に戸惑うこと。
それは、先輩や上司に指示された言葉の意味が分からない!ということではないでしょうか。
どの業界にも独特の専門用語がありますが、テレビ業界では普段の生活ではなかなか耳にしない言葉が数多く飛び交っています。
この記事では、テレビ制作の現場で使われる業界用語をロケ・収録・編集・番組制作全般の4つに分けて、具体的な使用例とともに徹底解説します。
これからテレビ業界や映像業界を目指している方、現場に出たばかりの新人ADさんに、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
テレビ業界全体の仕事内容や向いている人の特徴については、【注目の業界】映像業界の動向&向いている人の特徴を採用担当が徹底解説!も合わせてご覧ください。
ロケ・収録現場でよく使う「モノ」の名前

まずは、ロケや収録の現場でよく登場する道具・機材の呼び方を紹介します。
業界内では一般的な名前とは異なる呼び方をすることが多いため、しっかり覚えておきましょう。
撮影機材
【デジ】
撮影で使用するカメラのこと。種類を問わず、カメラ全般を指します。
使用例:「デジの白とっといて!」
【ワンチェーン】
カメラマン・音声・照明からなる撮影チームのことです。
テレビ番組の素材を収集する取材形式のことを「ENG(Electronic News Gathering)」といい、ENG1班のことをワンチェーンと呼びます。
使用例:「ワンチェーンが現場に向かい、ニュースの取材やインタビューを行います。」
技術職について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください!
🔻テレビカメラマンなどの技術職について徹底解説!
カンペ関連
【カンペ】
出演者への指示やセリフなどが書かれたスケッチブックや模造紙のこと。
用紙の種類や大きさは撮影の規模にあわせて使い分けます。
主に、ディレクターがカメラに写らない位置に掲示して出演者に伝えます。
ディレクターのお仕事について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
🔻 テレビディレクターのお仕事内容徹底解説!
【手カンペ】
MCや進行役のアナウンサーが手に持つ、進行用のカンペフリップのこと。
台本の中で進行に必要な部分を抜き出してまとめてあったり、クイズなどを出す場合にはお題が書いてあったりします。
【プロッキー】
カンペに文字を書いたりするマジックのこと。黒・赤・青の3色は必須です。
テープ・文具類
現場では用途にあわせて複数の種類のテープを使い分けます。
物を固定したり、印をつけたり、何かを隠すために布を貼ったり、まとめたりするときに使います。
ロケ先が店舗や一般のお宅の際には、貼った後が残らないよう粘着力の弱い養生テープを使用するなど用途にあわせて使い分けています。
【ガムテ】
ガムテープ。粘着力の強いタイプ。
【養生(ようじょう)】
養生テープ。粘着力の弱いタイプ。
【りゃんめん(両面)】
両面テープ。
【ビニテ】
ビニールテープ。黒を使うことが多いです。
【ドラテ】
ドラフティングテープ。
粘着力が弱く、貼ったりはがしたりしやすい肌色のテープのこと。
ロケ・収録現場でよく使う業界用語
次に、ロケや収録の現場でよく使われる業界用語を、シーン別に分けて紹介します。
段取り・リハーサル系
【カメリハ】
カメラリハーサルの略。本番前に行われる、本番に近い形で出演者の動きや、物の出し入れ、カメラワークなどを確認する作業のこと。
使用例:(収録前に)「〇時からカメリハやります!」
【板付き(いたつき)】
最初から決まった位置に人がいる状態のこと。
使用例:「MCは板付きスタートね!」
【バミる】
出演者の立ち位置、セットの場所などを、床にビニールテープや養生テープなどで小さく印をつけておくこと。
使用例:(カメリハ中に)「モニターはその位置でバミっといて!」
撮影・収録中の操作系
【同期をとる】
撮影の際、映像と音声は別々に収録することが多く、カメラもいくつかのアングルが必要になる為、複数台使用することが多いです。
その際に、各カメラの映像や音声がズレないよう、時間軸を合わせる作業のことです。
現場では、ADがカメラの前で両手を「パチンッ!」とたたく場面がよく見られます。
のちの編集でこの「パチンッ!」に合わせて複数台の映像・音声データを並べると、全ての画と音がキレイに揃う仕組みです。
ADの具体的な仕事内容について気になる方は以下の記事をご覧ください!
🔻【テレビ業界の裏側】現役ADが語る!実はこんな事もする!?意外なお仕事特集!
🔻【ADになるには】仕事内容・必要な素養・ADになる主な方法を紹介!
【シンク】
シンクは番組が始まるタイムコードを指す言葉です。
映像と音声の一貫性や正確なタイミングを確保するために使用されます。
使用例:シンク入れしておいて!
【白をとる】
ロケで、ホワイトバランスを調整するためにカメラの前に真っ白な紙などを映して光の色合いを補正する作業のこと。
※ホワイトバランス:光には色がついていて、電球・蛍光灯・太陽光など光源の種類によって赤っぽかったり、黄色っぽかったり、青っぽかったりします。そのため、カメラには白いものを白く写すための色補正機能がついています。
使用例:(ロケ前に)「デジの白とっといて!」
【Q出し】
合図を出すこと。
使用例:「ディレクターがQ出ししたら、出演者に小道具渡してね!」
【頭出し】
VTRや長編映像をすぐに再生できるように準備すること。
使用する映像の先頭(アタマ)部分でセットする、またはテロップや静止画の最初の1枚をセットしておくことを意味します。
使用例:「スタートに間に合うように頭出しお願い!」
映像技法・カメラワーク系

【上手・下手(かみて・しもて)】
映像(カメラ)を通して見たときに、右側が上手、左側が下手。
舞台などをよく見る方は知っている言葉かもしれませんが、テレビの収録現場の場合は、映像(カメラ)を通して見たときが基準になります。
使用例:「MCは下手からゲストは上手から登場です!」
【八百屋にする】
スタジオに食べ物や物を入れ込む際、見やすいように出し物の下に何か物を置いて斜めに見せるやり方。
八百屋さんで野菜が見やすいように、斜めに角度をつけて陳列されているイメージです。
使用例:「トーク中に入れ込むノート、ページ開いて八百屋にして出して!」
【物撮り】
商品や料理など、人間ではなく物を撮影すること。
使用例:「ロケ終わったら、物撮りお願いします!」
【箸あげ】
料理の物撮りで、美味しそうに見せるために食べ物を箸などで持ち上げること。
使用例:「次、箸あげ撮るから準備しといて!」
【インサート】
インサートは直訳すると「挿入」「組み込む」といった言葉です。
テレビ業界では映像の間に別の映像を入れることを指します。
例えば、グルメ番組のシーンで料理のみの映像に切り替えたり、お店の外観に切り替えたりすること。
使用例:このシーンの前に食べ物のインサートを挟もう!
【なめる】
人物を何かの物越しから撮影すること。
また、足元から顔に向かって撮影していくことを指す場合もあります。
使用例:「芸人さんの肩ナメで!」
【ばれる】
画面の中にスタッフや一般の方など、映るのが好ましくない人やモノが映り込むこと。
「見切れる」と同じ意味があります。
編集の技術が発展しているため、ばれてしまっても後から修正できる場合もあります。
使用例:「スタッフがばれてるから撮影し直し!」
スケジュール・時間管理系
【押し・巻き(おし・まき)】
「押し」は予定時間をオーバーしていること。「巻き」はその逆(予定より早いこと)。
使用例:「ロケの押し巻きは随時共有してください!」
【ケツ】
決められた終わりの時間(があること)。
使用例:「○○さん(出演者)ケツがあるから、今日のロケは押せないよ!」
【入り(いり)】
出演者が現場に来る時間のこと。
使用例:「○○さん(出演者)の入り30分早まりました!」
【てっぺん】
深夜0時のこと。
使用例:「収録押してて、てっぺん回りそうです…」
【ターハイ】
許容量オーバー、いっぱいいっぱいの状態のこと。麻雀用語が語源です。
使用例:「(先輩ADから)○○くん、ターハイ気味だから手伝ってあげて!」
収録演出系
【アテレコ】
事前に制作された外国のドラマや映画、テレビ番組のセリフを日本語に吹き替えること。
「声を当てるレコーディング」という言葉が由来です。
後から声を当てるという意味では、「アフレコ」(アフターレコーディング)に近い言葉です。
ちなみに、セリフや音楽を先行して収録する「プレスコ(プレスコアリング)」は、テレビではほとんど行われません。
使用例:「アテレコ用のナレーターさんを頼もう!」
アフレコ・アテレコ・プレスコの言葉について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
🔻アフレコとは?アテレコとの違いや意味、収録の種類をわかりやすく解説
その他の現場用語
【テレコ】
「互い違いにする」「入れ替える」といった意味。
元々は歌舞伎界で使われていた言葉で、異なる話をひとつにまとめて交互に展開することを指していました。
使用例:「この部分の段取りテレコになっているから気をつけて!」
【バリ】
会議室や楽屋の場所を明確にするために、番組名や日時、会議名、部屋の名称を記載した張り紙のこと。
「案内バリ」ともいいます。
使用例:「バリ貼っておいて!」
【わらう】
「物をどかす」「取り除く」といった意味。主に収録のときに使われる用語です。
元々は舞台で使われていた言葉で、「払う」「取り払う」から次第に「わらう」へ派生したといわれています。
使用例:「あの荷物をわらって!」
【がや】
エキストラのこと。メインのタレント以外を指し、バラエティ番組ではひな壇の芸人を指すケースもあります。
「がやがやした音」が語源とされています。
使用例:「このシーンでは、がやを用意しよう!」
【内トラ(うちトラ)】
「内部のエキストラ」のこと。
一般的には撮影スタッフやディレクターなどがエキストラとして出演することをいいます。
すなわち、映画やドラマなどで通行人として登場している人物の一部は、制作スタッフの可能性があります。
使用例:「このシーンは内トラでお願いします!」
テレビ番組の編集の流れと専門用語
ロケや収録が終わると、次は編集作業が始まります。
まずは、ロケ・収録から放送までの全体的な流れを把握しておきましょう。
それぞれの用語の意味や作業内容については次の項目で詳しく紹介していきます。
編集のお仕事について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
🔻テレビ番組の編集作業の流れとADのお仕事内容徹底解説!
🔻動画編集の仕事とは?未経験からの始め方・収入・将来性を徹底解説

テレビ番組の編集の流れ
①ロケ・収録
②素材のデジタイズ
③ディレクターのオフライン(仮編集)作業
④プレビュー/試写
⑤編集所:本編集EED作業
⑥危機管理プレビュー
⑦編集所:MA作業
⑧MIX・最終チェック
⑨納品
編集所での流れ
①白完
②画完
③MA:整音、ナレーション録り/音効:選曲
④MIX
⑤完パケ
素材取り込み・仮編集の用語
【デジタイズ】
ロケや収録で撮影した収録メディアを、編集するためにPCに取り込みデータ変換すること。
最近の収録メディアの主流はSDカードやメモリースティック、SxS(エスバイエス)などです。
ロケで収録した映像のことを「素材」といいますが、メディアに収録されたロケの「素材」をADが直接PCに取り込んだり、デジタイズ作業をしてくれる専門の会社に頼んだりして、ディレクターがオフライン作業をできる状態にします。
ちなみに、編集素材に差し込む資料映像や肖像画などの画像、新聞や雑誌の記事、イラストやCGなども「素材」といいます。
この編集素材に差し込む「素材」を用意するのはADの仕事で、ディレクターのイメージする資料映像や画像を探したり、イラストやCGを専門の会社に発注します。
使用例:「さっき撮ってきたこの素材、デジタイズしておいて!」
【オフライン】
編集所で作業する前にディレクターがPCの編集ソフトを使って行う仮編集作業のこと。
1時間番組でも、実際のロケ収録時間は倍以上、長いものでは10時間以上になることもあります。
その膨大な素材から面白いシーンや企画のテーマに合った部分を抜き出し、放送時間の尺に収めなければいけません。
ディレクターの仕事の中でもセンスと腕が試される作業になります!
使用例:「今オフライン中で、来週からハコに入ります。」

【尺】
VTRの時間の長さのこと。
民放の番組にはCMがあり、番組ごとにCMを入れる位置や本数が決められています。
また、CM以外にも次回予告や番組宣伝などが放送されることがあります。
番組の放送時間から、こうした本編以外の映像に使われる時間を差し引いた、本編だけの長さを「尺」といいます。
使用例:「現状のオフライン、尺3分オーバーしてます。」
【リニア編集】
「テープ」を使って編集すること。VTRでの編集。
テープからテープへダビングしながら順番に編集していく方法。
昔はテープ編集しかなかったため、昔の素材は全てテープで保管されています。
【ノンリニア編集】
「PC」を使って編集すること。データでの編集。
テープを使用せずにPCに映像を取り込んで作業し、最後に収録媒体へ記録する方法。
現在の主流の編集方法で、編集所の多くもノンリニ化されてきています。
チェック工程の用語

【プレビュー・オフチェック・試写】
プロデューサーや構成作家などと一緒に、オフライン映像をチェックすること。
ディレクターがオフラインを進め、尺にしていく中である程度構成が固まり、大枠がみえてきた段階でこの「プレビュー/試写(映像をチェックすること)」を行います。
企画に合った内容になっているか、面白いか、視聴者はついていけるのか、使いどころはこれでいいのかなど意見を出し合いながら映像をチェックします。
このプレビューを重ね、構成を直したり、シーンやカットを入れ替えたり、
使いどころを修正したりなどを繰り返し、より良い内容に仕上げていくのです!
プレビューは複数回行うこともあり、このまま進めてOKというGOが出ないと本編集に入ることができません。
使用例:「プレビューまでにこの素材埋めておいて!」
また、プロデューサーは複数人立ち会うことが多く、それぞれ下記のようなポイントをチェックしています。
【制作プロデューサー】
取材先や出演者が誤解されるような表現がないか。事実に沿っているか。
【コンプライアンスプロデューサー】
取材先が法を守って運営しているか。
出演者の発言で誤解されそうな点はないか。
撮影者はルールを守って撮影しているか。
【管理/統括プロデューサー】
局の基準、番組の基準に沿っているか。
なお、これらのプレビューにはAP(アシスタントプロデューサー)も同席する場合もあります。
APのお仕事については以下の記事に詳しく載っていますのであわせてご覧ください!
🔻アシスタントプロデューサー(AP)のお仕事内容徹底解説!
また、構成作家や放送作家について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
🔻構成作家になるには?放送作家との違いやそれぞれの特徴・なり方を徹底解説!構成作🔻家とはどんな仕事?なるための方法や必要スキルも紹介
🔻若手放送作家のリアルな一日|企画会議から収録まで
🔻放送作家とは?主な仕事内容や平均年収、向いている人の特徴とは?
【危機管理プレビュー】
画完(画は全て完成した状態の映像素材※この後説明あり)の状態まで完成した後に行われるプレビュー。
テロップや加工、ナレーションの表現、言葉遣いに間違いがないか、内容はすべて正しく裏が取れているかなどを厳しくチェックします。
※「MIX」時にも、危機管理プレビュー時の直しがきちんと反映されているかを最終的に確認します。
このように、映像が完成するまでに複数回、複数人で厳しくチェックすることで、「この表現は大丈夫なのか?」「誤解をうまないか?」「事実に反してないか?」「過度にやりすぎてないか?」「誰かを傷つけるような表現になってないか?」など、細かい点まで確認することができるのです。
プロデューサーやディレクターの役割の違いについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
🔻プロデューサーとディレクターの違いを徹底解説【仕事内容・役割・年収比較】
本編集に関わる用語
【本編集(EED)】
「Electrical Editing」の略。専門のスタジオ(編集所)で行う編集作業を指します。
エディターは、ディレクターが編集したオフラインに下記のような作業をしていきます。
・映像の色味を整える
・画面が斜めになっていたら水平にしたり調整する
・モザイクが必要なカットにはモザイクをかける
・カットとカットのつなぎめに動きをつけたりして、見やすくする
・テロップやCGを入れる
【ポストプロダクション(ポスプロ)】
本編集を行う専門のスタジオのこと。制作陣の中ではそのポスプロのことを「編集所/ハコ(箱)」と呼んでいます。
ポストプロダクションについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
🔻映像編集に携わる!ポストプロダクションとは?
【ハコ(箱)】
編集所のこと。
ちなみに、編集所で頼むご飯のことを『箱めし』といいます。
これを頼むのは主に新人ADさんのお仕事だったりします。
使用例:「今日のハコは○○(場所)で、○時からです!」
【エディター(編集マン・オペレーター)】
ポスプロで映像の編集を担当する人のこと。
【テロップ(スーパー)】
編集時に入れる「文字情報(テキスト)」のこと。

【サイドテロップ(サイド)】
番組の右上や左上などに常に入っているテロップのこと。
使用例:(先輩ADから)「○○さん(ディレクター)にサイド原稿もらってきて!」
テロップについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
🔻テロップとは?意味・役割・入れ方からおすすめ作成ツールまで完全解説【動画編集初心者〜実務向け】
音の編集に関わる用語
【MA(エムエー)】
「Multi Audio」の略。編集された映像に、効果音・音楽・ナレーションなどを付け加え、整音作業をすること。
使用例:「ここのカット変えたから、MAし直してもらって!」

【ミキサー(MAマン)】
MAをする人のこと。出演者同士の会話のボリューム調整、ナレーションの収録と映像への反映、音楽や効果音の調整などを担当します。
【音効(おんこう)】
映像シーンにあわせた音楽(BGM)や、クイズの正解不正解音などの効果音(「SE」(Sound Efect))を選んだり付けたりする人のこと。
音効さんが選んだ音楽や効果音を、ミキサーさんが映像に合わせて整音作業を行うという流れです。
【SE(エスイー)】
「Sound Effect」の略。効果音のこと。
音効さんのお仕事について詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください!
🔻テレビ番組の完成度をグンと引き上げる職人!音効さんの仕事とは?
完成に向けた用語
【白完(しろかん)】
テロップが入る前の、尺になった映像素材のこと。
使用例:「今白完まで終わったので、これからテロップ入れていきます!」
【サイドなし】
白完に追加の素材やテロップ・CGなどを入れた後、サイドテロップを入れる前まで完成した映像素材のこと。
【画完】
MA作業前の、画は全て完成した状態の映像素材のこと。
この状態の映像をもとに、MA作業をしてもらい、音効さんに音楽や効果音をつけてもらいます。
使用例:「画完までいったので、音効さん用に一旦コピー回します!」
【MIX(ミックス)】
映像に入っている素材音と音楽・効果音・ナレーションなど全ての音を一つのトラックにまとめる作業のこと。
編集作業の最終段階で、番組に関わるディレクターをはじめとする演出陣やプロデューサー陣などが一同に集まり、最終的な音の調整とテロップの最終チェックも同時に行います。
MIX後に最終直しが発生する場合もあります。
【完パケ】
「完全パッケージ」の略。テロップ入れもMA作業もMIX後の直しも全て終え、放送できる状態に仕上がった映像のこと。
完パケまで終わったことを「完パケる」と言ったりします。
使用例:「やっと完パケました!あとは納品するだけです!」
【ワイプ】
VTR中に、スタジオにいる出演者(のリアクション)を画面の四隅などに小窓で入れること。
使用例:「○○さん(出演者)、VTR中良いリアクションしてたからワイプで使おう!」
【アバン】
番組の冒頭やタイトルの前に入れる映像。
本編に入る前に内容をダイジェスト的に見せて、視聴意欲を掻き立てるもの。
使用例:「アバンでこのシーン入れたら視聴率あがりそう!」
【撮って出し】
収録した映像素材を編集なしでそのまま放送や配信に使用する手法。
編集作業が入らないため、カメラマンの高い技量が問われます。
速報性がない限り行われるケースはほとんどありません。
使用例:「このコーナーは撮って出しでいきます!素材をそのまま使用し、リアルな現場の様子を伝えます。」
また、ロケから収録まで、または収録からOAまでの時間がほとんどないときにもこの言葉が使われます。
使用例:「この回は撮って出しだから収録からOAまで1週間もない!」
【エンドロール/スタッフロール/エンドクレジット】
番組の最後に流れる、関わったスタッフのリストのこと。
番組制作全般でよく使う用語
最後に、ロケ・収録・編集に限らず、テレビ番組の制作全般の会話の中でよく出てくる用語を紹介します。
【香盤表】
スケジュール表の一種で、撮影の順序や出演者の入り時間、必要な道具、撮影場所などが書かれた資料。
撮影をスムーズに進行するために欠かせません。
スタッフは香盤表を細部まで確認することが大切です。
例文:「香盤表作っておいて!」
【あいのり】
複数のスポンサーが1つの番組を共同で提供すること。
使用例:「あいのりじゃないと制作費が足りない。」
また、決まっているスケジュールに新たに予定が入ることを指す場合もあります。
使用例:「午後のロケに取材があいのりで入ったから、スケジュール調整しよう。」
【フッテージ】
映像や動画の素材のこと。収録された映像素材や映画のカットなど、編集や制作に使用される映像の断片やシーンを指します。
「ドッキリ映像100連発」のような番組は「フッテージもの」と呼ばれます。
使用例:「この番組では、さまざまなフッテージを使用してストーリーを構築します。」
フッテージ番組について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください!
🔻「フッテージ番組」とは?映像はどうやって探しているの?
【パイロット版】
試作版のVTRのこと。深夜や早朝などの時間帯を利用して実験的に放送する番組を指す場合もあります。
制作会社や放送局が、視聴者の反応や評価を見て番組のコンセプトや内容をテストし、継続的なシリーズ化を判断するために制作されることもあります。
使用例:「7月にパイロット版を放送する予定だ。」
【行って来い(いってこい)】
「往復」を意味する言葉。取材や撮影などの現地作業を行うスタッフが、現場からスタジオや編集室に戻ることを指します。
また、同じ作業を繰り返すことやテープの合成、書き戻しなどにも使用されます。
使用例:「ここからスタジオまでテープを持って行って来いしてきて!」
【マスター】
「マスターコントロールルーム(master control room)」の略で、主調整室のこと。
テレビ放送局や制作会社などで使用される、番組の切り替えや送り出しなどを行うための専用の部屋やスタジオを指します。
なお、映像や音声を調整するための操作室は「サブ(サブコントロールルーム)」と呼ばれます。
使用例:「マスターでチェックしてください。」
【ばらす】
収録後の機材やセットなどを片付けること。
また、元々入っていた予定がキャンセルになったことを指す場合もあります。
一般的な「秘密や情報を公にする」という意味とは異なる使い方に注意しましょう。
使用例:「18時までにばらしておいてください。」「来週の撮影はばらしになりました。」
まとめ
今回は、テレビ業界や映像制作の現場でよく使われる業界用語を、ロケ・収録・編集・番組制作全般に分けてご紹介しました。
テレビの現場では、「デジ」「ドラテ」「オフライン」「完パケ」など、普段の生活ではあまり聞かない言葉が数多く飛び交っています。
最初は戸惑うかもしれませんが、用語の意味や使われる場面を知っておくと、現場での指示が理解しやすくなります。
この記事で紹介した用語は、テレビ業界で使われる言葉の一部です。
実際に現場に入ってから覚える言葉も多いですが、事前に基本的な用語を知っておくことは、現場になじむための第一歩になります。
テレビ業界の用語や現場の流れに興味がある方は、ADやディレクター、編集スタッフなどの仕事内容について調べてみるのもおすすめです。
テレビ番組は、ロケや収録だけでなく、リサーチ、仕込み、撮影、編集、MAなど、多くの工程を経て完成します。
「テレビ業界で働いてみたいけれど、どんな職種があるのか分からない」という方は、まずは職種ごとの仕事内容や現場での役割を知るところから始めてみましょう。
