テレビ業界の仕事はAIでどう変わる?これからの仕事内容や働き方を解説

AIの活用によって変化するテレビ業界の仕事に注目!『ZIP!』のAIエージェントによる企画書作成や、TBSの文字起こし技術、生成AIを活用したドラマ制作、AIアナウンサーなど、テレビ局での具体的な活用事例を紹介。業務の効率化が進む中で、これからのテレビ業界に求められるAIの活用力や、情報の正確性を見極める力について解説!激変する制作現場のリアルと、メディア業界志望者が身につけるべき「AI時代の働き方と判断力」をお届けします。


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「AIに仕事が奪われる」と言われて数年。

みなさんの周りでも生成AIの活用によって変わったことが増えたことでしょう。
もはや誰もがAIを使いこなすようになった時代。テレビ業界の仕事はどう変化していくのでしょうか。

今回は、テレビ業界の現場のリアルについて注目してみましょう!

リサーチ・企画書作成

日テレの朝の情報番組「ZIP!」ではAIエージェントがネタ探しから企画書作成まで担当する試みも始まっています。

従来、ディレクターがネタ探しから提案、企画書作成、企画決定、見せ方の決め、ロケ、VTR・原稿作り、オンエアまで担当していました。

AIを使うようになってからは、総合演出の知見を学習したAIエージェントがネタ探しから情報収集、企画提案、企画書作成までのプロセスを自動で担当しています。

テレビ業界は激務で、リサーチや書類作成といった工程にかなり時間がかかるため、そこをAIが補うことでディレクターやADが他の業務に集中できるようになります。

文字起こし

テレビ制作の現場でスタッフが時間をかけている業務のひとつが文字起こしです。
その文字起こしもAIが活用されているといいます。

では、実際にどのようにAIが活用されているのでしょうか。具体的な事例を見ていきましょう。

TBS

TBSは「もじこ」というAI音声認識技術を使った「文字起こしエディタ」サービスを開発しました。

テレビ・ラジオ業界では、日々多くの「文字起こし」が行われていますが、非常に手間のかかる作業であるため、番組制作の現場では大きな負担になっていました。
しかし、「もじこ」を使って自動で文字起こしを行うことができ、テロップ制作やインタビュー書き起こしの工数を大幅に削減することに成功。
2020年には日本映画テレビ技術大賞経済産業大臣賞を受賞しました。

しかし、「もじこ」は2026年12月31日でサービスを終了することを発表しています。
理由としては生成AIの機能向上に伴う競合製品などの登場により、十分な優位性や継続が難しくなったとのこと。
テレビ局が開発したサービスがなくなってしまうのは残念ですが、現場としてはAIの文字起こしによる効率化はかなり活用されているので、代替サービスを利用する動きになることが予想されます。

 

北海道テレビ放送(HTB)

地方局では、HTBが生成AIによる記事自動生成システムで年間コスト50%以上を削減しました。

HTBでは、「テレビ番組で紹介した内容を一度だけ放送して終わってしまうのはもったいない」ということで、放送内容を記事化するオウンドメディア「SODANE」を立ち上げました。
5年間の継続的な記事更新の中でメディアとしての価値は上がっていきました。
しかし、記事制作を人の手に頼って、
年間1000本程度の記事を公開していたため、現場の負担は大きかったといいます。

現在は生成AIを導入し、記事を自動作成。
最終的に校正、推敲は人の手で行い、記事として公開されているといいます。

生成AI活用ドラマ誕生

AIが活用されたドラマも登場しています。
配信されているものもあるので、ドラマに興味のある方はぜひチェックしてみましょう。

日本テレビ

2026年1月、日本テレビは初の生成AIフル活用ドラマ『TOKYO 巫女忍者』を放送。
実写と生成AI映像を融合させた30分のアクションファンタジーは、制作に6ヶ月を費やした意欲作でした。

生成AIは、少ない予算でハイクオリティな映像表現を実現する手段として期待されています。
従来なら数千万円かかるVFX
が、AIなら桁違いに安くできる可能性があるようです。

コンテンツも限られた予算で作られていますから、生成AIが活用できるとかなりありがたいことでしょう。

 

関西テレビ

生成AIを利用した連続ショートドラマ『八雲とセツの怪談事件簿』を株式会社オルタスジャパン(本社・東京)と共同で制作しました。

カンテレの新人アナウンサー(秦 令欧奈&田中友梨奈)が主人公を演じる様子をカメラで撮影し、その映像を生成AI技術でキャラクター化。
生成AIで作った背景画像を、さらにスタッフが加工し、動画と合成しました。

※脚本、撮影、編集など基本的な制作の工程は、これまでと同様に各分野のクリエイターが担当しています。

AIアナウンサーの登場

驚くことに、AIアナウンサーも登場しています!

まだ実例が多いわけではありませんが、非常時に対応できる手段や多言語対応など、人間では手の届かない範囲をカバーしてくれるAIアナウンサーにこれから注目が集まりそうです。

高知さんさんテレビ

高知さんさんテレビが導入したAIアナウンサー「荒木ゆい」は、Text to Speech技術(テキストを音声に変換する技術)にディープラーニングを組み合わせ、人間に近い滑らかな発音を実現。
ニュース読み上げや天気予報などを24時間担当できます。

 

琉球朝日放送

琉球朝日放送では、多言語対応のAIアナウンサーを活用しています。
沖縄を訪れる外国人観光客向けに英語・中国語・韓国語での情報発信を効率化。
人間のアナウンサーでは対応が難しい多言語放送を低コストで実現しています。

AI時代に求められる働き方とは?

AIがテレビ制作の現場でも大活躍していることがわかりましたが、このような時代にどのような働き方が求められるのでしょうか。

AIを活用する姿勢

まず、このようにAI活用が当たり前になっている中で、AIを活用しようとしないのはもったいないです。
実際現場でも導入されているので、まだAIを使ったことがない人、触れたことがない人はまず私生活の中でAIを活用してみましょう。

 

正しい情報を判断する能力

AIが発達しているとはいえ、まだ不完全であることも事実です。
生成AIによる巧妙なディープフェイクの悪用や偽・誤情報が急拡大している時代ともいえるのです。

例えば、リサーチで生成AIを活用したとしても出てきた資料を全て鵜呑みにしてはいけません。
本当に正しいものなのか、最終的には人が判断します。
生成AIを活用すると同時に、疑うことも大切にしましょう。

まとめ

テレビ制作現場での生成AI活用例、そして現代に求められる働き方についてみてきましたが、いかがだったでしょうか。

テレビ制作の実務では小さなミスが大きな放送事故につながってしまうこともあります。
そのため、より慎重に生成AIを使っていく必要があります。

学校でもAIを使う機会や学ぶ機会があると思いますので、まずは身近なところでAIを活用しつつ、自分で判断する力を身につけるのが良いでしょう。