CMプロデューサーの仕事とは?CM制作の流れも紹介!

私たちが普段見ているCMには様々な人が関わっています。その中でもCM制作におけるリーダー的なポジションを担うのがCMプロデューサーです。しかし、編集やカメラマンとは違い、CMプロデューサーと聞いてもどのような仕事かイメージが掴めない方も多いのではないでしょうか。 今回はCMプロデューサーの仕事内容や、CMがどのように作られるかについて解説します。


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CMプロデューサーとは?

ここではCMプロデューサーがどのような仕事をしているのか紹介します。

制作現場の進行管理をする仕事

CMプロデューサーとは、実際にCMのための動画を制作するチームの最高責任者です。CM制作にはクライアント、広告代理店、広告制作会社が関わっており、CMプロデューサーは広告制作会社に所属しています。

CMプロデューサーの仕事内容は、次のとおりです。

1.クライアントと広告代理店(クリエイティブディレクター)とのブリーフィングに参加

クライアントからCMの目的やターゲット層、商品の特徴をヒアリングします。

2.提出された企画書からCM制作のための計画を練る

企画書の多くは広告代理店のクリエイティブディレクターやCMプランナーが作ります。その企画書を見て、期間内に制作できるか、予算が足りるかなど考え、実現が難しい場合は別の案を提案します。また、制作チームのスタッフィングも行います。そして、会社の利益についても考えなくてはいけません。

3.制作の進行管理を担う

スタッフや出演者のスケジュール調整や撮影日程、編集にかかる期間などを考えます。予算内に収まるように考えるため、相手との相談や交渉が必要です。

このように、CMプロデューサーの主な仕事はクライアントと広告代理店、制作チームの橋渡しです。それぞれの思いや意見をまとめ、誰もが納得できるように提案や交渉を行います。CMプロデューサーは、豊富な経験と合わせて企画力や交渉能力が求められる仕事です。

入社後すぐにCMプロデューサーにはなれない

CMプロデューサーはCM制作における様々な仕事や作業を理解しておくことも必要です。そのため、CMプロデューサーとして活躍するためには、CM制作における様々な知識を有していることが求められます。

制作会社に入社してもすぐにCMプロデューサーにはなれないので注意しましょう。プロダクションマネージャーとして、CMプロデューサーのアシスタントをして経験を積み、自分ひとりでも問題なく仕事の調整や管理ができるようになったらCMプロデューサーとして働けます。

CMプロデューサーになるまでに10年以上かかることも珍しくありません。地道にスキルを身に付けていく必要があることを理解しておきましょう。

CM制作の主な流れ

CMプロデューサーはCM制作における全工程に関わります。そのため、どのような流れでCM制作が行われるかを知っておかなければいけません。CMプロデューサーの目線で、CM制作の流れについて解説します。

企画会議に参加する

CM制作は、クライアントが広告代理店の営業を通じて持ちかけられるところから始まります。最初に行われるのが企画会議(キックオフミーティング・ブリーフィング)です。どんなCMが良いか、CMの目的や制作に至った経緯、商品を売るための課題、ターゲット、どの媒体でCMを流したいのか、商品の説明、商品の販売日、予算を細かくヒアリングします。キャスティングの希望なども、この時点ですり合わせます。

CMプロデューサーは、予算内で実現できるか、納期までに制作可能かなどの観点から意見や考えをクライアントと広告代理店に伝えます。

企画書の作成は主に広告代理店が行いますが、企画書の完成にはCMプロデューサーの存在が必要不可欠です。CM撮影には、フードコーディネーターなどの「シズル屋」と呼ばれる専門のスタッフをはじめ、振付家や楽器奏者などあらゆる専門家の協力が必要です。

CMプロデューサーは制作側の立場として、予算や納期を考え、制作実現可能な企画書を作るために提案やアイデア出しを行います。CMプロデューサーは、この会議を元に、監督やカメラマンなどのCM制作に携わる制作スタッフを決めます。

演出コンテチェック

企画書ができたら、CM監督は撮影イメージを分かりやすくするために、演出コンテの制作を行います。プロデューサーはそれをチェックして、イメージと相違がないか、視聴者にメッセージが伝わるかなどを確認します。

演出コンテが決まったら、コンテ通りに撮影をするにはどうするべきか、より良く撮影をする方法はないかなど、専門家や撮影スタッフと意見交換を行います。その結果、コンテの修正をお願いする場合もあります。

スケジュール調整

CMプロデューサーは、CMに出演するタレントやスタッフのスケジュールの調整も行います。人気のタレントはスケジュールを確保するのが難しいため、早めに調整を行わなくてはいけません。

撮影や編集の日程も事前に余裕をもって決めておき、CMがいつまでに完成するか見通しを立てておくのも大切です。

CM撮影

スケジュールが決まったらCM撮影を行います。クライアントが現場に足を運んでくれるケースも多いため、現場で撮影に対して意見が出る場合もあります。その場合は臨機応変に対応しなければいけません。

CM撮影は早くて数分、通常は半日程度で終わります。予算の関係でスタジオを借りられる時間も限られており、そのため、クライアントの納得が得られなかった場合も考え、予備のカットも撮影します。

屋外で撮影する場合は、天候が悪いと撮影ができなくなってしまいます。多少であれば進捗が遅れても問題ないようなスケジュールを事前に組んでおかなければいけません。

CM編集

CMの素材が揃ったら編集を行います。CMプロデューサーは直接編集しません。しかし、編集中にクライアントから要望をいただくケースもあるため、必要に応じて意見を出し、CMに反映させることが必要です。

このような流れでCM制作は行われます。すべての工程においてCMプロデューサーは重要な役割を担っているため、CM制作において非常に責任が重い立場といえるでしょう。

CMプロデューサーの年収目安は500〜600万円程度

CMプロデューサーはアシスタントとしての経験が必要であり、必然と勤務年数が長くなるため年収は500〜600万円と高めです。さらにインセンティブが支給されるケースも多いため、年収が1,000万円を超えることも珍しくありません。

テレビ業界の中には様々な仕事がありますが、CMプロデューサーはその中でも比較的年収が高い職業といえるでしょう。

CMプロデューサーの魅力

CMプロデューサーには様々な魅力があります。具体的にどのような魅力があるかを解説します。

ゼロから新しい映像を作れる

こんな映像を創ってみたい、こんな動画を創ってみたいと、CMプロデューサーを目指している方は常に考えているでしょう。CMプロデューサーは、CM制作に関する様々な仕事に携わるため、そのアイデアを実現できるかもしれません。

クライアントやCMプランナーの意向や要望が関わるものの、コンセプトに沿って商品をより魅力的に見せる映像と音はもはや作品です。ゼロから新しい映像を制作し、完成した日には高い満足感、達成感を得られる職業なのです。映像制作が好きで、自分の作品を世の中に出したいと考えている方には向いている職業といえるでしょう。

スタッフィングに関われる

CM制作において、制作チームのスタッフィングは重要です。監督でもコメディ系が得意な人、映像美にこだわる人など様々です。ドラマの撮影が得意、ダイナミックな撮影が得意、スポーツ映像の撮影が得意などカメラマンにも様々な得意分野を持つ人がいます。

最高のCMを制作するために、誰を起用したら良いかを考え、実際に想像通りのCMができたときには、大きな喜びを得られるでしょう。

まとめ

CMプロデューサーは、映像制作における知識だけではなく、企画力や交渉のためのコミュニケーションスキルが必要な職業です。

誰もが目を留めるようなCMを作成するのは、非常に難しいでしょう。しかし、テレビやインターネットで自分の手掛けたCMが流れ、世間で話題になったら嬉しいものです。

しかし、すぐにCMプロデューサーにはなれません。CMプロデューサーを目指す方は、より多くの映像作品を見て、感性を磨き、まずは制作会社に入社し、プロダクションマネージャーとしてより多くの経験を積めるように、しっかりと学びましょう。