映像制作の仕事とは?仕事内容や向いている人の特徴を解説

映像制作の仕事に携わってみたいと興味を抱いてはいるものの、具体的にどのような職種があるのかイメージできない人もいるかもしれません。今回は映像制作の仕事内容やポジション、向いている人の特徴を紹介します。


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映像制作の仕事内容とは

映像制作は、テレビやCMの企画・制作・編集、またはWebコンテンツやアニメーションなどのあらゆる映像の制作に関わる仕事です。

映像制作の仕事の中にも、企画系や技術系などさまざまな役割があり、その仕事内容も多岐にわたります。ここでは、映像制作の仕事のポジションを企画系と技術系に分けて具体的な仕事内容を紹介します。

映像制作の仕事のポジション1.企画系

映像制作の仕事のうち企画系のポジションは、メインターゲットや目的を設定して、映像の土台作りや撮影時の指示に携わります。企画系に分類されるポジションは、ディレクターやプロデューサーです。

ディレクター

ディレクターは映像制作の現場を指揮するポジションです。プロデューサーの意向に従い、出演者や技術職に指示を出し現場をまとめていく、プロジェクト全体のディレクションを担います。

ディレクターのポジションに就くには、アシスタントディレクター(AD)として経験を積むことが一般的です。

企画に関わる調査やロケ弁の手配など、映像制作に関わるあらゆる業務を担うADとして経験を積んだら、チーフADとしてADの取りまとめを行う職務に就き、ディレクターを目指します。

プロデューサー

プロデューサーは映像制作のプロジェクトをまとめるポジションです。

プロジェクトの予算管理やスケジューリング、ディレクターからキャスティング案を受け取り演者が所属する事務所に連絡して出演交渉をするなど、プロジェクトを進めるための重要な役割を担います。

プロデューサーになるには、プロデューサーをサポートするアシスタントプロデューサー(AP)としての一定の経験が必要です。なお、APになるにはADとして少なくとも3〜4年の経験を積む必要があります。

映像制作の仕事のポジション2.技術系

映像制作の仕事には、カメラマン、音声、音響、照明、編集などの技術的なポジションもあります。いずれも専門的な知識やスキルが求められるポジションです。

カメラマン

カメラマンは、ディレクターがイメージするものを映像として形にする仕事です。スタジオやロケ現場のような実際の制作現場で映像撮影を行います。

撮影技術はもちろん、どのように見せるかもカメラマンの腕の見せ所です。カメラマンの経験やスキルで映像のクオリティは変わってくるため、映像制作の中でも重要な役割を担います。

カメラマンとして現場で働くためには、まずアシスタントカメラマンとしてカメラマンをサポートする仕事に就いて経験を積む必要が あります。

音声

音声はミキサーやマイクなどの機材を使用して、映像制作の現場で音声を録音する仕事です。さまざまな機材を使い分け、最適な音の聞こえ方を求めて調整します。スタジオだけでなく、屋外での撮影もあるため、さまざまな状況において音声を拾う技術が求められます。

音声スタッフを目指す方法は、番組制作会社やプロダクション、技術専門の会社で求人を探すのが一般的です。音声補助のアルバイトや専門学校での学習で音響機器の取り扱いを学び、知識や経験を積んでおくと役立つとされています。

音響

音響はマイクのセットや音声調整を行うポジションです。ミキサー、またはPAといわれることもあります。

音に関する感性や知識、状況に応じた効果的な音を出すスキルが必要です。音響機器はデジタルな作業環境に移行しつつあります。そのためDAWを操作できるなどコンピューター関係に明るい人も好まれます。

音響として働くには、音響専門学校を卒業して音響を扱う制作会社や放送局などに就職するのが一般的です。専門学校以外では、音楽系や総合科学などを学べる大学を卒業して、またはアルバイトなどで経験を積んで音響の仕事に就く方法もあります。

照明

照明は映像をきれいに撮影できるようその場に適した光を提供するポジションです。ドラマや映画では監督やカメラマンと、バラエティではディレクターやカメラマンと相談して調光します。スタジオ収録だけでなく、野外での勤務もある仕事です。

照明には、映像の要望に応じて光量や色彩など、その場に合った照明に調整するスキルが求められます。

照明の仕事に就くには大学や専門学校を卒業するのが一般的です。舞台芸術や電気または電子系の分野を知識として学び、技術専門の会社やテレビ局の専門部門などへ就職します。

編集

編集(エディター)は、撮影された映像素材の編集に関わるポジションです。ディレクターが荒編した映像をもとに、映像編集ソフトを使用し、不要な部分のカット、尺の調整、テロップの挿入などを行います。

Adobe PremiereやAfter Effectsのような映像編集ソフトの知識や使いこなすためのスキルが必要な仕事です。

大学や専門学校などで映像系の知識を身に付けた後、スタジオや動画制作・映像制作会社などに就職する方法などがあります。

映像制作の仕事が向いている人の特徴

ここまで、映像制作に関わる仕事のポジションを紹介してきました。映像制作といってもさまざまな仕事があり、それぞれ仕事内容が異なります。

ポジションごとで仕事内容は異なることから、それぞれのポジションで向き不向きは出てきます。しかし、映像制作全体で見た場合はどうでしょうか。ここでは映像制作の仕事に向いている人の特徴を3つ取り上げます。

発想力がある人

発想力は、知識や経験などを生かして、新たなアイデアを次々と生み出せる力のことです。映像作品を面白いものにするには発想力が重要です。特に、映像を0から創り出す場面において、発想力が求められます。

発想力が豊かで、さまざまなアイデアを次々と考えられるような人に映像制作の仕事は向いています。

コミュニケーション力がある人

映像制作は、さまざまな職種の人が関わって作品を完成させる現場です。そのため、さまざまな立場の人との協力が不可欠となります。

周囲と協力し円滑に制作を進めていくにはコミュニケーション力が欠かせません。特に映像制作の現場で求められるのが、相手の意見を正確に聞き取る傾聴力です。例えば企画会議で、総合演出やディレクターが発言した内容を正しく把握することが求められます。

映像制作の現場では、相手の意見も正確に把握できるコミュニケーションをしっかり取れるような人が向いているといえます。

映像制作への熱意・精神力がある人

映像制作の仕事は不規則なスケジュールになることも珍しくありません。取材先に合わせてスケジュールが組まれることもあるためです。

また、アシスタントとしてキャリアを積んでいる時期は、演出に関わる重要な業務や大きな責任が伴う役割は振られないため、人によっては不完全燃焼になってしまうかもしれません。

しかし、しっかりとキャリアを積めば次第に重要なポジションを任せられるようになるため、映像制作への熱意を絶やさず努力し続ける精神力が重要です。

まとめ

映像制作に関わる仕事のポジションはさまざまです。企画系であれば最終的なポジションになるために下積みや経験が必要です。技術系であれば、専門的な知識やスキル、感性などが求められます。

それぞれのポジションにおいてある程度の立場になるには、仕事にどれだけ関われるかが重要になるでしょう。経験を積むには、メディア業界特化の人材派遣会社に入社し、映像制作現場に出向するといった形もあります。