動画編集者の需要は高い?気になる収入についても紹介

「動画編集者の仕事がAIに奪われないか心配……」「動画編集者に将来性はあるのだろうか……」などと、AI技術の進歩が急速に進むと、作業効率が上がる反面、動画編集者の今後の動向が気になる方もいるでしょう。 そこで今回は、動画編集者の需要や収入などについてご紹介します。動画編集者として活躍するためのポイントも解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。


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動画編集の需要は高い

まずは動画編集の需要や、今後も将来性が高いといわれる理由について解説します。

動画市場は増加傾向にある

昨今、働き方の多様化にともない、出社しなくても仕事ができるリモートワークが増えています。仕事に限らず在宅で過ごす時間が長くなると、家で楽しめる娯楽を探し始める方もいるでしょう。

時代の流れとともに、娯楽の中心が映画やアニメなどインターネットでも完結できるものに移行しつつあり、今後も動画市場の増加が見込まれます。PCやスマートフォンなど、さまざまなデバイスから視聴できるのも、動画市場が成長している要因といえるでしょう。

また、以前はYouTubeを配信して広告収入を得るタイプが主流でしたが、現在では制作した動画を販売する流れも見られるようになりました。そのため、動画は日常生活に溶け込みやすく、今後も右肩上がりで動画市場が伸びていくことが予想されます。

ある調査によると、動画広告市場推計・予測は、2023年には7,209億円、2026年には1兆2,451億円に達する見込みです。今後も急成長が期待される市場のため、動画編集者の需要も市場の成長にともなって高まることが予測できます。

出典「サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施」(サイバーエージェント)

5Gによりさらに動画市場の発展が見込まれる

5G(第5世代通信)の拡大も、動画市場の成長に関係しています。4Gに比べて5Gは通信速度が速く容量制限の影響も受けにくいため、より快適に使用できます。また、ほぼリアルタイムでの反応が期待できるので、動画の需要も上昇する可能性が高いのです。

また、「動画は多くの容量を消費するから、外出先では見ない」と決めていた方でも、5Gであればストレスフリーで動画が視聴できるようになります。

5Gが拡大すると容量や速度を気にせず使えるようになり、外出先でも動画を活用しやすくなるため、今までよりも動画を観る頻度や視聴時間が伸びることが予想されます。動画の需要が増加すると、必然的に動画編集者のニーズも高まるでしょう。

動画編集者は稼げなくなる?

前述したように、動画編集者の需要は高まっており、仕事がなくなる可能性は低いといえます。

動画編集の仕事は多岐に渡り、YouTubeに限らずスキルシェアリング用の動画作成のような仕事もあります。アイデア次第で仕事の幅も広がるため、仕事がなくなる心配はありません。

また、人間にしかできない部分を伸ばせば、AIに仕事を奪われる可能性も低いといえます。特に、動画編集には人間のセンスが問われることが多く、動画の間の取り方やおもしろくするための工夫や趣向を凝らすことはAIが苦手なことです。

一部の仕事はAIに代替される可能性がありますが、人間らしさを表現する部分ではまだまだAIが入ってくる余地はありません。とはいえ、AI技術を上手く使えば動画編集者の仕事を楽にすることができるので、共存していくことが大切です。

ただし、動画編集者として稼げるかどうかはスキルやセンス、経験に左右されます。高い技術を持っていないと、1本当たりの単価が低くなる可能性があるため、クオリティの高い仕事ができるようスキル向上を目指し、経験を積むことが重要です。

動画編集者の収入には幅がある

動画編集者の収入は、スキルや経験、働き方によって大きく個人差があります。初心者と経験者の一般的な収入の目安は以下のとおりです。

・初心者:2~3万円程度/月

・経験者:10万円/月以上

あるアンケートによると、月収5万円未満のクリエーターは74%と報告されています。一方で、なかには、平均月収で100万円以上と答えた方もいます。

基本的に動画編集1本あたりの報酬単価は、およそ5,000円〜1万円です。収入を上げるには、数をこなすことが求められます。そのため、副業で始める場合は案件をこなしながらスキルを磨き、収入を増やしていくことをおすすめします。

出典:「動画編集の副業はいくら稼げる?100人アンケート調査」(合同会社ケーエス)

動画編集者として需要を高めるために必要なこと

動画編集は、今後も拡大が予想される分野です。ここからは、動画編集者として稼いでいくために必要なことについて解説します。

スキルを常にアップデートする

どの分野にもいえることですが、プロ意識をもって常にスキルをアップデートし続けていくことが欠かせません。今後、AIの技術が発展して動画編集が自動化される部分が出てきたとしても、人間にしかできないことを突き詰めるなど、思考を巡らせることが大切です。

未来を予測して時代のニーズに合った動画編集が出来れば、ほかの動画編集者と差別化することも可能です。そして、圧倒的な知識とスキルが得られれば、発注者から求められる存在になれます。

経験したことがない仕事でも、スキル向上のチャンスと捉えて積極的に受注することで、経験値を積み重ねることが大切です。また、仕事の幅を広げるために、撮影技術も身に付けておくことも必要になります。

ディレクションやマネジメントができるようになる

プレイヤーとして活躍する以外にも、ディレクションやマネジメント業務を行うポジションを目指す道もあります。動画市場のディレクション業務の担当者は、プロジェクトの舵取り役です。

ディレクション能力とは、仕事の全体像を把握したうえで動画編集者をまとめてチームを作り、滞りなくプロジェクトを遂行する能力を示します。ディレクションやマネジメント業務までできるようになると、収入アップも期待できます。

ひとりのプレイヤーとしての仕事量には限界がありますが、ディレクション能力があればより多くの動画編集者に仕事を割り振ることができるため、成果が出やすくなるのです。大きな仕事にも取り組みやすくなり、さまざまな企業からの需要も高まるでしょう。

ディレクション能力にはさまざまな種類があり、映像効果で見せる演出だけではありません。撮影の際に出演者へ行うものや、構成台本、ナレーション原稿を書く演出などができる能力を身に付ければ市場価値を高められます。

動画編集に関連したスキルを身に付ける

動画編集者としての市場価値を高めたい方は、Webマーケティングやブランディング、デザインができる人材になることが重要です。

企業が求めているのは、動画を活用して商品やサービスを販売したり、ブランド力を強化したりすることです。マーケティングやブランディング、デザインを理解している動画編集者であれば、ワンストップで安心して仕事を任せることができます。

スキルを掛け合わせると、今までよりも受注できる仕事が増えます。受注範囲が広がればトータルでサポートできるため、発注者と受注者の双方にとってもメリットが大きいといえるでしょう。

また、動画のフォーマットによって編集を分けられるようにしておくのもおすすめです。TikTok向き、テレビのようなYouTube動画向き、MV風など幅広い映像が存在するため、それぞれに対応できる技術を身に付けておくと、仕事の幅を広げられます。

今後、動画編集者としての需要を高めたい方は、よりクリエイティブな動画作成や、視聴回数を稼げる動画を作ることに重きを置くなど、ほかの動画編集者と差別化を図ることを心がけましょう。

まとめ

近年、娯楽の中心はインターネットのコンテンツに移行してきています。さらに、5Gの拡大により通信速度やリアルタイムのレスポンスが速くなり、動画を視聴しやすくなったことで、動画編集者の需要は今後ますます高まることが予想されます。

動画編集者のひと月当たりの収入は、初心者では2〜3万円程度、経験者では10万円以上が目安です。動画編集者としての需要を高めるために、スキルのアップデートや関連スキルの習得、ディレクションやマネジメント能力を磨くことをおすすめします。AIと共存しながらクリエイティブな仕事をすることで、動画編集者としての市場価値を高めていくことが大切です。