毎年夏になると、各テレビ局が大型イベントを開催しているのをご存じでしょうか?
フジテレビのお台場イベント、テレビ朝日の六本木イベントなど、夏休みシーズンには各局が街を巻き込んだ大型企画を展開しています。
実はこうしたイベントには、それぞれのテレビ局らしい“カラー”がかなり出ています。
さらに近年、テレビ局は“放送だけ”ではなく、イベント・グッズ・配信・コラボなど、IPビジネスにも力を入れています。
夏イベントもその代表例で、人気番組やキャラクターを“リアル体験”として展開する重要なビジネスの場になっています。
また、フジテレビやテレビ朝日などでは、普段なかなか入る機会のない局内に入れることもあり、“テレビの裏側を体感できるイベント”としても人気を集めています。
今回は、2026年夏のテレビ局イベントを紹介しながら、AD経験者視点で「局ごとの違い」や「イベントの裏側」についても解説していきます!
そもそもテレビ局イベントって何?

テレビ局イベントとは、テレビ局が夏休み期間に開催する恒例の大型イベントのことです。
人気番組と連動した企画が多く、子どもから大人まで楽しめる夏の風物詩として親しまれています。
いわゆる、“テレビ局の大型文化祭”のようなものです!
具体的には、以下のようなコンテンツが盛りだくさんです。
・体験型企画:人気番組をテーマにしたアトラクションや展示、ゲーム企画など。来場者が実際に番組の世界に入り込めるような演出が行われます。
・番組宣伝:ドラマやバラエティ、アニメなどのブースを設置し、視聴者との交流を深める場にもなっています。出演者によるトークショーやヒーローショーも開催されます。テレビ局にとっては、番組の魅力を直接伝えることができる場です。
・限定グッズ販売:番組キャラクターやロゴを使った文房具、ステッカー、Tシャツなど、会場限定商品がファンに人気です。
・ライブイベント:野外ステージや特設会場で音楽ライブやスペシャルステージが行われ、フェスのような盛り上がりを見せます。
・フォトスポット・展示企画:来場者がSNSに投稿して楽しめるような展示も増えており、テレビ局ならではのエンターテインメント空間が作られています。
なぜ今、テレビ局は”イベント”に力を入れているのか?
近年、テレビ局がイベント事業に力を入れている背景には、テレビ業界を取り巻く環境の大きな変化があります。
テレビ離れによる視聴率の低下、広告費のネット移行、NetflixやYouTubeの普及——こうした変化が重なり、放送中心のビジネスだけでは成長が難しくなっています。
そこでテレビ局が重視しているのが、“放送外収益の拡大”です。
イベント事業はその中核のひとつ。チケット・グッズ販売・スポンサー収入など新たな収益を生み出せるうえ、IPビジネスの観点からもコンテンツの世界観をリアル空間へ広げることで視聴者との接点を増やし、長期的なブランド価値の向上につながります。
さらにコロナ禍以降は「リアル体験需要」が高まっており、配信では味わえない”現地でしか体感できない価値”が再評価されています。
IPビジネスとは?
IPビジネス(Intellectual Propertyビジネス)とは、キャラクターや番組の世界観といった知的財産を、放送で終わらせず多面的に展開して収益化するビジネスモデルのことです。
「番組を放送して終わり」ではなく、グッズ・アニメ化・ライブ・イベントなどに広げることで、作品を”消費”するのではなく”育てて資産化”するという考え方です。イベントはそのIP展開の重要な一手です。
イベントは”リアル体験”の場
配信では絶対に代替できない体験を提供できるのが、イベントの強みです。
SNSでシェアしたくなるフォトスポットを設置したり、番組の印象的なシーンやビジュアルを再現することで自然と撮影したくなる仕掛けがあります。
さらに、番組と連動したコラボフードや、ここでしか手に入らない限定グッズもあり、来場そのものの満足度を高めています。
番組の世界に入り込み、見て終わりではなく“その場にいること自体”が楽しさになる設計があり、イベントはそのリアルを体験できる一端にあります。
フジテレビ|”お祭り型IP展開”が強い

フジテレビの夏イベントといえば、長年にわたって親しまれてきた「お台場冒険王」。
フジテレビ本社屋(お台場)を舞台に、毎年夏休みシーズンに開催されてきた大型イベントです。
会場には番組の世界観をそのまま再現した大型セットが組まれ、来場者が番組の中に入り込んだような体験ができる設計が特徴。
バラエティ色全開の賑やかさや遊び心を前面に出しつつ、ファミリー向けコンテンツも充実しており、夏休みのレジャーとして幅広い世代を取り込んできました。
また、芸能人によるステージイベントや公開収録も実施され、テレビで見ている出演者とリアルに接点を持てる特別感が来場動機を強く後押ししてきました。
コンテンツ・体験・熱量が一体となった”THE 夏祭り感”——それがフジテレビ夏イベントの真骨頂です。
今年のフジテレビはなんと、お台場冒険王から“2大イベント体制”に刷新しました!
お台場ファンライジング ~楽しくアガる!真夏のエンタメ最前線~
・「お台場ファンライジング」公式X:お台場ファンライジング【フジテレビ】(@fujitvodaiba)さん / X
・開催期間:2026年7月25日(土)〜8月23日(日)/30日間
・会場:フジテレビ本社屋
“ファン”と”ライジング(上昇)“を組み合わせた造語で、“スキが高まり、広がっていく様子”を表現しています。
ちいかわ・パペットスンスン・ガチャピン&ムックなど人気キャラクターが集結し、世代やジャンルを問わず多彩なコンテンツを展開予定です。
めざましWANGANフェス ~人気バラエティと夏の最強コラボ~
・「めざましテレビ」公式X:めざましテレビ(@cx_mezamashi)さん / X
・開催期間:2026年8月3日(月)〜9日(日)・13日(木)14日(金)/計9日間
・会場:豊洲PIT(3~9日)・東京ガーデンシアター(13・14日)
『めざましテレビ』『千鳥の鬼レンチャン』『ぽかぽか』などフジの人気番組と連動し、音楽・笑い・トークライブなど多彩なオリジナルイベントを9日間にわたって展開します。
局内に入れる”特別感”
フジテレビイベントの魅力のひとつが、普段は入れない”局内空間”を体験できる特別感です。
社屋内の展示、社員食堂(社食)での食事、人気番組のセット展示……テレビで見ていた世界が目の前に広がる感覚は、ここでしか味わえません。
バラエティIPとの相性
会場内には人気番組のブースが多数展開され、番組の名シーンや世界観を再現した体験型企画、連動したフード展開もあります。
単なる展示ではなく、バラエティ番組の世界にそのまま入り込んだような没入体験が実現されている点が大きな魅力です。
テレビ朝日|音楽・ライブ・アーティスト色が強い

テレビ朝日の夏イベントといえば、「テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER FES(サマフェス)」。
もともと2014年から「SUMMER STATION(サマステ)」として親しまれてきたイベントで、2025年の10周年を機に名称をリニューアルしました。
イベントの核となるのが、看板音楽番組であるミュージックステーション(Mステ)との連動企画と、六本木ヒルズアリーナ特設ステージで行われる音楽ライブです。
人気アーティストが日替わりで登場するタイムテーブル型のライブ演出はまさにフェスそのもの。
複数のアーティスト企画やコラボ演出が組まれることで、“ここでしか見られないパフォーマンス”が毎年生まれています。
日が落ちてからの夜イベントも盛り上がりを見せ、昼とはまた違う熱量のある空間が六本木に生まれます。
音楽とテレビが交差する“ライブエンタメ感”が、他局にはないテレ朝らしさです。
※2026年の詳細は順次公開予定。続報をチェックしてみてください!
・「SUMMER FES」公式サイト:テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER FES
・「SUMMER FES」公式Instagram:テレビ朝日・六本木ヒルズ 夏祭り SUMMER FES(@exsummerstation) • Instagram写真と動画
・開催期間:2026年7月18日(土)~8月23日(日)
・会場:テレビ朝日本社・六本木ヒルズ
六本木ヒルズ一帯を使った”街巻き込み型”
サマフェスのもうひとつの特徴が、会場の広さです。
テレビ朝日本社・六本木ヒルズ・EXシアター六本木など複数の拠点を横断的に活用し、街全体を舞台化する”都市型イベント”として展開されています。
局内導線(テレビ朝日本社内のブースや展示)、外イベント(六本木ヒルズアリーナなど屋外エリアの体験企画)、そして中心となる大型ステージでのライブ。
この3つが有機的に連動しているのが特徴です。
麻布十番駅側と六本木駅側の両方に入口があるなど、来場者の導線設計にもこだわりが見えます。
音楽IPをリアルで体験させる
テレ朝の夏イベントが他局と一線を画すのが、ライブ文化をイベントの核に据えている点です。
テレビでMステを見るのと、実際に会場でアーティストのパフォーマンスを見るのは、全く別物です。
画面越しだと一方的に「見る」だけですが、実際の会場では周りの歓声・手拍子・熱気がそのまま自分に届いてきます。これがまさにフェス感です。
「好きなアーティストがMステに出るのをテレビで見ていた」という人が、同じアーティストを生で、しかも無料で体感できるというのが、このイベントの大きな魅力です。

日本テレビ|”国民的人気番組”を軸に展開
日本テレビは、視聴者に長く親しまれている国民的人気番組を軸に、夏の汐留エリアで体験型イベントを展開しています。
代表的なのが「汐留サマースクール」。
日本テレビ社屋や汐留地下コンコースを会場に、小学生を中心とした来場者が番組制作・アナウンサー体験・技術や宇宙などのテーマ型コンテンツを無料で体験できるイベントです。
「#好きで未来をつくろう」をテーマに毎年開催されており、学びとエンターテインメントが融合した内容が特徴です。
朝の顔である「ZIP!」関連の体験企画では、実際のスタジオでアナウンサー体験ができ、テレビ制作の裏側を学べるコンテンツが人気です。
さらに人気ドラマの世界観を再現したドラマ展示や、日テレが放送してきた名作・話題作と連動したアニメ企画も展開。
そして夏の象徴といえば「24時間テレビ」との連動で、フォトブースや展示を通じて番組のチャリティー企画に触れられるコンテンツも毎年恒例です。
・「汐留サマースクール2025」公式サイト:汐留サマースクール
・「汐留サマースクール2025」公式Instagram:汐留サマースクール2025(@ntv_ss_school) • Instagram写真と動画
・「汐留サマースクール2026」公式X:汐留サマースクール2026【7.25-26@日テレ】(@ntv_ss_school)さん / X
・開催期間:2026年7月25日(土)・26日(日)
・会場:汐留日本テレビ本社・地下コンコース
家族層・幅広い世代向けの強さ

日本テレビのイベントは、老若男女向けというのが最大の特徴です。
ZIP!・24時間テレビ・アニメなど、誰もが一度は見たことのある番組を軸にしているので、子どもから大人まで「知ってる!」と感じられるコンテンツが揃っています。
そこに安心感も加わります。長年続くフォーマットと明確なテーマ性があるので、初めて来ても自然に楽しめる設計です。
そして毎年繰り返し開催されることで定番感が生まれ、「夏といえばここ」という恒例行事として家族の中に定着していきます。
毎年期待される恒例行事として世代を超えて受け継がれているのが、日テレイベントの強さです。
TBS|ドラマ・世界観没入型が強い

TBSの夏イベントといえば、赤坂サカスを舞台にした「夏サカス」。
TBSの敷地内にある複合エンタメ施設・赤坂サカスを会場に、番組やドラマと連動した展示・アトラクション・体験型ブースが多数展開される大型イベントです。
※2026年の夏イベントはまだ発表されていません(2026年6月現在)。
続報は公式サイトでチェックしてみてください。
・公式サイト:TOPICS-イベント・キャンペーン情報 | 赤坂エンタテインメント・シティ | TBS
・公式Instsgram:赤坂サカス(@akasaka_sacas_official) • Instagram写真と動画
・公式X:sacasinfo(@sacasinfo)さん / X
ちなみに過去の「夏サカス」では、TBS局内を探検する3Dライドアトラクションや、ドラマ展示として番組セットを実寸で再現したフォトスポット、出演者との合成写真体験、スタンプラリーなどが実施されてきました。
番組と連動した限定グルメやステージイベントも展開され、赤坂サカス文化として赤坂の街全体が”テレビの世界に入り込める空間”になるのが特徴です。
ドラマのセット再現など、実際に作品の舞台へ入り込める展示が充実しており、TBSが「体験型」「没入型」の演出を重視していることがわかります。
テレビ東京|アニメ・サブカルIPの熱量

テレビ東京の夏イベントは、他局と少し毛色が異なります。
ポケモンやNARUTOなどアニメの強いIPを多数持つテレ東らしく、ゲームとの連動やアニメ関連の展示・体験企画が中心。
一般ファミリー向けというより、作品への愛が深いコアファンを強く意識した設計が特徴です。
アニメイベントではキャスト登壇や先行上映に加え、作品世界を再現した体験型展示やコラボ企画が展開。
『SPY×FAMILY』のようなIPでも、フォトスポットやコラボカフェ、回遊型施策を通じて”参加する体験”が設計されています。
コンテンツを消費する場ではなく、ファン同士の交流と体験を通じてIPの熱量を増幅させるファンコミュニティ型モデルが、テレ東の夏イベントの本質です。
※2026年の夏イベントはまだ発表されていません(2026年6月現在)。
テレ東は毎年夏にアニメ・サブカル系のイベントを展開しているので、続報を公式サイトでチェックしてみてください!
・公式サイト:テレビ東京 イベント情報:テレビ東京
・公式X:テレビ東京イベント情報(@tvtokyo_event)さん / X
局ごとに”イベントの作り方”が違う
テレビ局のイベントは、ターゲット設計や導線設計、写真映え、グッズ展開、SNS拡散などの考え方に違いがあります。
例えば、テレビ朝日は会場内の移動も含めてフェス体験として楽しめる導線を重視し、
フジテレビは子どもから大人まで楽しめるファミリー向けコンテンツで幅広い層を集客しています。
また、テレビ東京はアニメやゲームなどのIPを軸に、コアファンの熱量を高めるイベントを展開しています。
さらに、イベント限定グッズの販売やSNSでの話題化なども局ごとに工夫されており、それぞれのブランド戦略がイベントの作り方に表れています。
AD経験者的「ここを見ると面白い」
導線・回遊設計
ADとしてテレビ局で働いていると、イベント会場でお客さんがどう動いているのかを見る機会があります。
その中で特に面白いのが、「人の流れ」「並び列」「撮影スポット」です。
これらに共通しているのは、人が一か所に集中しないよう工夫されている点です。
例えばテレビ朝日のドラえもんフォトスポットは、テレ朝本社1階と六本木ヒルズの2か所に設置され、来場者を自然に分散させています。
マップ上で見ると両端にあり、麻布十番駅からくる人と六本木駅からくる人の入口それぞれに配置することで、分かりやすさと人の分散を同時に実現しているのです。
大型イベントも複数会場で実施することで、混雑を緩和しています。
番組宣伝の入れ方
テレビ局イベントは、番組宣伝の場でもあります。
夏イベントでは夏ドラマの展示やポスターが並び、来場者が自然と新番組の情報に触れられるようになっています。
また、ドラマ・バラエティ・アニメなど複数のコンテンツを紹介し、別番組へ興味を広げるクロスプロモーションも行われています。
イベント全体が大規模な番宣の役割を担っているのです。
イベント運営には番組スタッフが関わることも
実はイベント運営には、担当番組のスタッフが関わるケースもあります。
ADがイベント当日の運営導線に入ることもあり、番組制作会社との連携や現場オペレーションも含め、イベントも番組制作の延長線上にある仕事です。
テレビ業界を目指す人にとっては、イベントを”外から眺める”だけでなく、制作視点で”どう設計されているか”を読み解くと、業界研究がさらに深まります。
テレビ局イベントは”リアル版コンテンツ”
配信サービスが普及した今でも、テレビ局イベントには多くの人が集まります。
その理由は、画面では味わえない体験価値があるからです。
番組やキャラクターの世界観を実際に体感できるため、来場者にとって特別な思い出になります。
配信時代だからこそ、テレビ局は画面の外でもコンテンツの魅力を届けています。
テレビ業界志望者は、イベントからも学べる

テレビ局イベントには、テレビ局の考え方が詰まっています。
IP展開や演出、導線設計、集客方法、SNS戦略など、番組作り以外の工夫も数多く見ることができます。
イベントを観察すると、「どうやって人を集め、楽しませるのか」というテレビ局の戦略が見えてくるため、業界研究にもおすすめです。
業界研究として、ぜひイベントを”体験”ではなく”観察”しに行ってみてください。
まとめ
テレビ局イベントには局ごとのカラーがあり、それぞれ異なる戦略で来場者を楽しませています。
また、今はイベントも重要なビジネスの一つです。
IPをどう広げるか、どう体験価値を作るかが重視されています。
イベントを見ると、テレビ局のコンテンツ戦略やブランド戦略がよく分かります。
ぜひイベントに行った際は、「どんな体験を作ろうとしているのか」にも注目してみてください!
