「あの番組ってどうやって作ってるの?」バラエティ番組編

「あの番組ってどうやって作ってるの?」バラエティ番組編 テレビには様々なジャンルの番組があります。 大きくは「報道・情報・スポーツ・バラエティ・ドキュメンタリー・ドラマ」などと分類されます。 こちらはテレビ局内でも「報道...


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「あの番組ってどうやって作ってるの?」バラエティ番組編

テレビには様々なジャンルの番組があります。
大きくは「報道・情報・スポーツ・バラエティ・ドキュメンタリー・ドラマ」などと分類されます。
こちらはテレビ局内でも「報道局」「情報局」など社内で部署がわかれています。

 

その中でも今回は「バラエティ制作局」で作られているバラエティ番組についてお話していきます。

 

バラエティ番組と一括りに言っても様々なジャンルがある

バラエティ番組は「バラエティ制作局」という同じ部署で作られているとはいえ、音楽・クイズ・グルメ・旅行・トークなど番組内で取り扱う内容によって作業が大きく異なる部分があります。
そのため、その内容に伴ってADのお仕事内容や求められるスキルも変わってきます。

 

今回は専門的なジャンルの番組について実際のエピソードを交えて紹介していきます。

 

 

 

制作を希望する人が多い!音楽番組

音楽好きな人が多いのと比例して音楽番組へ携わりたいと志望する人は多いです。
ただ、志望する人数に比べて圧倒的に番組数が少ないのが音楽番組です。

各放送局、夏や冬に大型特番として長時間の音楽番組を放送していますが、レギュラー番組としては各局2番組程度になります。

 

志望人数が多い番組に制作として携わるには自分を売り込むポイントが必要になります。
そのため「音楽経験者」や「番組制作の経験者」が優先的に採用されることが多いです。

 

音楽番組はアーティストのパフォーマンスの際、放送時間に合わせてテレビ用に曲を短くする必要があるので楽譜をよむことができるスキルを求められる事があります。

 

音楽番組の他のバラエティと大きく違う点はアーティストのパフォーマンスの演出などに携わることができるという事だと思います。演出も特殊なので専門的に音楽番組を続けているディレクターが多いのも特徴です。

 

でも実はADとしての仕事は紹介VTRや音楽ランキング映像など収録より映像編集部分が多いです。

映像編集といっても内容を決めたり編集を行うのはディレクターの作業なのでADは素材を集めたり各所に許諾をとるなどサポート業務が主になります。
イベントやライブ演出のような仕事を想像していると理想と全く違うと感じる可能性があります。

 

それでも歌手やバンドなどのアーティストは他のバラエティに出る機会も少なく、音楽番組でしか出会えない芸能人もたくさんいます。

 

スタッフを続けているとアーティストのライブに招待されるなど業界人らしいことを経験できるタイミングがくるかもしれません。

 

自分の雑学知識は役に立つのか?!クイズ番組

クイズ番組も人気ジャンルの一つになります。
「クイズ」と一括りにしても雑学系や謎解き系、勉強系など様々なものがあります。

 

クイズ番組に出される問題をつくるのはディレクターやADではなくクイズ作家と呼ばれる人たちです。

 

ADはクイズ作家が作ったクイズの内容が本当にあっているかを調べる裏取りという作業があります。クイズの答えが間違っていることはタブーなので裏取りは細かく正確に行うことが大切です。

そして正解率などを確認するためにシミュレーションとして実際にADがクイズを解いてみる、なんてこともあるそうです。

 

あとはクイズの解答者が多い番組ではゲストが毎回入れ替わるため出演者に関するリサーチ資料を作成するのも時間がかかる作業です。

 

番組内容的にロケが少ない分、全体的にデスクワークが多くなる傾向があります。

 

仕事で色々な所にいける!旅番組

旅番組は日本各地、時には海外まで行くロケがメインの仕事になります。
ただ日々飛び回っているかというとそういうわけでもなく、まずは旅先を決めるリサーチ業務から始まります。

企画に付随した条件の行先を決めるために各所の様々なことを調べます。
資料上で候補が絞れたらロケハンとして実際にディレクターとADで現地へ行ってやりたいロケができるか確認します。

知らない土地に1~2回行っただけでロケ当日はカメラマンや車両ドライバーなど様々なスタッフに現地の案内をしないといけないので地図を読めるスキルがあったほうが良いと言われています。

 

海外ロケに関しては現地のロケコーディネーターを発注してロケ地の許諾や情報などを調べてもらい、当日も案内してもらいます。
なので現地コーディネーターと事前のやりとりが重要になってきます。時差によって深夜の連絡が増える場合もあります。

 

ロケ当日はADは行く先々での行動を先読みして動かなくてはならないので休む暇もなく大変ですが、ロケハンやロケ後にスタッフだけで必要な風景や店の外観などを撮影するために回る時は、仕事とはいえ旅行気分を少しだけ感じることができるかもしれません。

 

また、色々なところに行けるので飛行機のマイルが貯まりやすいという嬉しい特徴もあります。

 

収録中が一番楽しい時間!スタジオトーク番組

トーク番組は、出演者のトーク力が一番大切になります。

 

そのため収録の際に話が広がるように事前にアンケートを書いてもらったり、直接ディレクターが打ち合わせをしたりします。ADは打ち合わせに同席したり、打ち合わせ内容を文字に起こして資料を作成することも多いです。

 

トーク内容によって出演者を決める場合は出演者のオーディションも行います。

 

あとはスタジオでトークを盛り上げるために一般人への街頭インタビューロケを行う事もあります。トークテーマに関して話してほしい年齢層の人が多い街や時間帯を狙ってディレクターと一緒にカメラをもってインタビューに出かけます。1日で撮り切れない場合は何度も何度も色々な場所へインタビューに行きます。

 

番組名を伝えて協力をお願いしても大半は基本お断りされます。
めげずに声をかけ続けなければいけないので根気が必要になります。
親しみやすさや清潔感があると話を聞いてくれる可能性が高くなります。

 

体重増加が止まらない?!グルメ番組

グルメ番組で重要なのはインサート撮影という食品の物撮りです。

 

出演者がラーメンを食べている時に差し込まれた美味しそうな湯気がでて麺を箸で上げているラーメンの映像を一度は見たことがあるのではないでしょうか。

「厚切りのチャーシューの旨味がすごい!」とタレントが感想を言っている際に美味しそうな照りがあるチャーシューのアップが映ったりしているのが想像できると思います。

その差し込まれた映像を「インサート」と言います。

 

箸上げと言われる手法を使って撮影することも多いのでお箸の持ち方は正しくないといけません。食品より手元に目がいってしまうのでネイルをしていたり爪が長すぎるのもNGとされています。

左利きのスタッフでラーメンの箸上げを練習して右手で撮れるようにしている人もいました。

 

インサートはお箸が震えてしまいがちなので上手・下手がわかりやすいです。慣れるとキープするコツがわかってくるので最初は緊張しますが何度も挑戦するのが上手になる近道です。

 

インサート撮影はロケ後に日を改めて撮影することが多いです。その際、ロケと同じものを注文して作ってもらいます。そして撮り終わった後はスタッフで美味しく頂きます。

 

お店の方のご厚意で頑張ってるスタッフへと差し入れをくださったりもするので美味しいものを取り扱うグルメ番組のADになったら体重増加を免れないかもしれません。

 

まとめ

今回紹介した以外にもバラエティにはたくさんのジャンルがあり、専門的に1つの分野を取り扱うものもあれば「総合バラエティ」と言われるようなジャンルにとらわれない番組もあります。

そうなると企画次第で求められる作業内容は変わってくるので、その時々に合わせた対応力も必要になってきます。

 

普段何気なく見ているバラエティ番組でもADがどのような仕事をしているか考えながら観るだけでいつもとは違った楽しみ方ができるかもしれません。