元ADが解説!テレビ局の中には何がある?【日テレ編】

テレビ局といえば大きな社屋! テレビ局はどこの局もとても大きな本社ビルですが、その中にはどんな部署や施設が入っているか気になったことはありませんか?収録スタジオや番組のスタッフルームなどテレビ制作にかかわる場所ばかりです...


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テレビ局といえば大きな社屋!

テレビ局はどこの局もとても大きな本社ビルですが、その中にはどんな部署や施設が入っているか気になったことはありませんか?収録スタジオや番組のスタッフルームなどテレビ制作にかかわる場所ばかりですが、それ以外にも働いてみないと知ることのない様々なフロアがあります。
今回は実際に【日本テレビ】で働いたことのある元ADが業務の中で利用する場所を中心にざっくりと紹介します!

ADが実際に利用する場所

【防災センター】
守衛さんが常駐している防災センターは局の入り口にあり、外部から来た人に対して一時入構証を発行してくれたり来客があった際にスタッフルームに内線をかけて取り次いでくれたりします。また、各会議室の管理やカギの貸し出しも行っており会議室を借りたいときに申請を出します。局内で火器を使用する際の申請や局内を使用した撮影(廊下やロビーなど)の際にも使用許可の申請を出します。

【アーカイブセンター】
テレビ局にはその局が過去に放送したほぼすべての番組データが残っており、そういった映像データを管理しているのがアーカイブセンターです。自分の番組で過去の映像を使いたいときや、他番組の映像を使いたいときには局内のデータ検索エンジンで映像を探し使用申請証を作成します。番組映像を使用するにはその番組のプロデューサーに許諾を得る必要があるため各所に申請に回ったのち、アーカイブセンターで映像のダビングを依頼し、アーカイブセンターのスタッフさんが映像をメディアに収録し納品してくれます。また、OAされた番組をその都度データ化していく作業も並行して行っているためADは担当回のOAが終わるとアーカイブセンターへ放送回のテープを持っていき入稿依頼をします。

【アートセンター】
テレビ番組の中で使用しているフリップボードやモニターに映し出される解説イラスト、VTR内で使用する表やグラフなどは、このアートセンターと呼ばれる部署で作られています。既定の用紙に手書きでデザインを書き、アートセンターに発注するとOAまでに作成してくれます。途中、イメージ図を何度かもらいその都度ディレクターやプロデューサーに確認し修正していきます。モニター用のイラストやVTR中に使用する表やグラフのデータはUSBに納品され、ADはそれを編集所に持ち込み事前に取り込んでおきます。

【CVセンター】
テレビ局には24時間365日、日本全国・世界各地から様々なニュース映像やスポーツの試合映像がリアルタイムで送られてきます。その様々な映像を専用のマシンに収録し局の素材として使えるように管理しているのがCVセンターです。送られてきた映像を収録したのち編集することもあれば、国内外の大きな式典やオリンピックなどの大きなスポーツ大会ではCVセンターから直接生放送として映像を送出します。

【編集所】
ポスプロと呼ばれる編集施設はテレビ局の周辺にいくつかありますが、テレビ局の中にももちろん編集所があります。編集ブースは20部屋ほどあり、基本的には、局内ですべて完結した方が効率の良い生放送の番組が使用することが多いです。編集ブースの他に音効室やMAルームもあり、ナレーションを収録する「ナレ撮り」もここで行われます。

【仮眠室】
局内には数か所仮眠所が設けられており、局内で働く人なら誰でも利用することができます。リクライニング式の長椅子のようなものが数個置いてある簡易的な仮眠室から、カプセルホテルのようなしっかりとしたつくりの仮眠室まで数種類設備されています。

【シャワールーム】
泊まり業務の時などに嬉しいシャワールームもあります。湯舟などはなくシャワーのみが設置された個室タイプで、こちらも局内で働いている人なら予約したうえで誰でも利用できます。シャンプーやボディソープ、ドライヤーなどは常備されていないため、泊まり業務の多い番組のスタッフはお風呂セットをロッカーに常備していることも!

【資料室】
局内には小さな図書館のような資料室もあります。基本的には各ジャンルの最新の雑誌や新聞各紙が閲覧できるようになっており、数は少ないですが文庫本や料理本なども置いてあります。番組の参考資料として使用するのももちろんですが、ちょっとした空き時間などに個人利用して雑誌を読むことも可能なため、実は穴場の休憩スポットでもあります。

【食堂、コンビニ】
日本テレビ局内には社員食堂とカフェテリアがあります。それぞれ営業している時間がズレており、朝〜昼はカフェテリア、昼〜夜は食堂が利用できます。社員食堂とカフェテリアはその日局内にいる人であれば一時入構のゲストでも利用することができるため、外部スタッフやゲストとの打ち合わせ場所としてもよく使用されています。カフェテリアは局内限定でデリバリーや移動販売も行っており、忙しい番組スタッフにはとても助かる存在です。食堂とカフェテリアの他に街中にあるのと同じコンビニエンスストアも営業しており、こちらは24時間営業なので深夜番組や早朝番組のスタッフの強い味方です。

【回線センター】
回線センターでは中継車を使用する際に回線を繋いでくれたり、地方の系列局からその地元のニュース映像などを個別に指定して送ってもらう時などに収録を担当してくれます。

【衣装室】
ロケや収録で使用したい衣装があった場合は、局の衣装さんに発注すればこの衣装室に用意しておいてくれます。また、毎年使うような季節ものの衣装(ハロウィンやサンタクロースの衣装)も保管されているため、ここから借りて使用することも可能です。

【消えもの室】
あまり馴染みのない言葉ですが、テレビ業界では食べ物や料理などの小道具のことを「消えもの」と呼びます。そのため、いわゆる調理室のことを「消えもの室」と呼んでいます。消えもの室には調理台や大きな冷蔵庫、火器は使用できないためIHコンロが置いてあります。消えもの室は収録スタジオのすぐ隣にあり、収録中や生放送中に作った料理をすぐに入れ込めるようになっています。

【旅行代理店】
日本テレビ局内には実は旅行代理店もあります!バラエティ、報道、情報、スポーツ、どの番組にも共通しているのは「地方ロケがある」ということ。その都度ADが新幹線や飛行機のチケットを手配するのですが、局内の旅行代理店に行けばその場でチケットを手配して渡してくれるためとても便利です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?制作に関わるテレビ局ならではの部署はもちろん、意外と街中にあるようなコンビニや旅行代理店、インターネットカフェにあるようなシャワー室からカプセルホテルのような仮眠施設まで24時間働くADさんに嬉しい設備も完備されています。局によって設備は色々なので、実際に働く際の楽しみにしてみてください。