照明スタッフの年収は高い?適性や必要資格も合わせて紹介

テレビ番組や映画、舞台などで照明設備の設置や演出を行うのが照明スタッフの仕事です。照明スタッフを目指すにあたり、年収が気になる方も多いのではないでしょうか。 この記事では、照明スタッフの平均年収について解説いたします。また、照明スタッフに向いている人の特徴や仕事に役立つ資格もご紹介します。


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照明スタッフの仕事内容

照明スタッフはテレビ番組や映画、舞台などの映像制作現場で照明設備の設置や操作、照明の演出に関わる仕事を行います。制作現場によって異なる場合もありますが、具体的な業務は以下のとおりです。

1.照明設備の設置

指示に基づいて照明設備をセットアップする。照明器具の組み立てや取り付け、配線の接続、照明機材の配置などを行う。

2.照明の操作

照明コンソールやスイッチを使用して照明を制御する。指示に基づいて適切な照明の明るさ、色、方向などを調整し、シーンや場面に合わせた効果的な照明を実現する。

3.照明のメンテナンス

照明設備の保守や点検を行う。照明器具や配線の修理、交換、定期的なメンテナンス作業などを担当し、安全かつ効果的な照明環境を維持する。


テレビ番組の照明スタッフは、バラエティ番組や音楽番組、情報番組などのスタジオ収録のほか、
ロケや中継など屋外でも仕事を行っています。

照明スタッフの平均年収

照明スタッフの平均年収は、300万円〜600万円です。しかし、勤務先や勤務形態によって差があります。ここでは、それぞれの年収例や傾向について解説いたします。

勤務先による差

大手の制作会社や放送局では、一般的にプロジェクトの規模や予算が大きく、照明スタッフの報酬も比較的高くなる傾向があります。特に、大手の制作会社は高視聴率のテレビ番組やヒット映画などに携わることが多く、その影響で年収が上がることもあるでしょう。

番組制作会社や照明の専門会社は、30歳で500万程度といわれますが、勤務先によっては30代で1,000万円を超えることもあります。

一方で中小または独立系の制作会社では、プロジェクトの規模や予算が大手に比べて小さくなりやすいため、照明スタッフの報酬もそれに応じて低めになることがあります。

ただし、独立系の制作会社では個々のプロジェクトによって報酬が異なることもあるため、一概にはいえません。

勤務形態や経験による差

照明スタッフの平均年収は勤務形態や経験によって差が大きくなります。勤務形態でいえば、正社員として雇用されている場合、ほぼ一定の基本給や手当が支給され、福利厚生も充実していることがほとんどです。したがって、正社員の場合は平均年収が比較的高い傾向にあります。

一方で契約社員や派遣社員として雇用されている場合、雇用期間やプロジェクトごとの契約によって報酬が変動するのが一般的です。一部のプロジェクトで高い報酬を得られることもありますが、平均年収は正社員に比べて低い傾向があります。

見習いはアルバイトから入るケースも多く、アルバイトの時給は1,080円〜1,200円が相場です。実力や経験があればフリーランスとして活動することも可能です。フリーランスの場合、基本的にプロジェクトごとに雇用契約を結んで仕事を行います。

報酬はプロジェクトの規模や難易度、自身の経験や実績によって大きく変動するため、成功したフリーランスの照明スタッフは高収入を得ることもありますが、一部のプロジェクトでは収入が低い場合もあります。

フリーランスとして成功する人はほんの一握りですが、会社員よりも大幅に稼ぐ人がいるのも事実です。

照明スタッフに向いている人の特徴

人によって仕事の向き不向きは異なります。向いている仕事に就ければ、高いモチベーションを保ったまま働けるでしょう。ここでは照明スタッフに向いている人の特徴をご紹介します。

コミュニケーション能力に長けている人

照明スタッフは、ほかのスタッフと協力して作業を行います。例えば、カメラスタッフや音声スタッフとの連携や指示のやり取りが必要です。コミュニケーション能力が高い人は、円滑なチームワークを築くことができ、協力してプロジェクトを進められるでしょう。

監督やプロデューサー、ディレクターの意図や要望を理解し、それを照明の設定や演出に反映させることも重要です。コミュニケーション能力が高い人は、クライアントや上司との円滑なコミュニケーションを通じて要求を正確に把握し、期待に応えられるでしょう。

現場によっては出演者ともコミュニケーションを取る機会があります。撮影現場では、出演者が快適に演技をするために照明の調整が必要です。コミュニケーション能力が高ければ、出演者との信頼関係を築くことができ、気持ち良く仕事にあたれるでしょう。

感性が豊かで向上心がある人

照明スタッフは、照明の設定や演出において創造的なアプローチを求められる場合があります。感性が豊かな人は、独自のアイデアや美的センスをもっており、照明のデザインにおいて新しい視点や表現を生み出せます。

また、照明スタッフは技術職であるため、常に最新の照明技術や機材について学び、自身のスキルを向上させておくことが必要です。

向上心のある人は、新しい技術やトレンドに敏感であり、自己成長に努められるでしょう。その結果、照明の専門知識や技術を高められます。

照明スタッフになるには

照明スタッフの仕事内容や向いている人の特徴を知り、本格的に照明スタッフになりたいと思った方も多いのではないでしょうか。ここでは照明スタッフになる方法について解説いたします。

採用条件

照明スタッフとしての採用条件は企業やプロジェクトによって異なり、高卒でもOKな職場もあれば、高専卒、大卒を条件としている職場もあります。実際には専門卒を応募条件としているケースが多い傾向です。

特に、映像や美術系の専門学校や養成コース卒業者が歓迎される場合が多いため、学校に通う余裕がある場合は専門学校や大学も進路として検討しましょう。

芸術系の大学だと、4年かけてしっかり専門知識を学べるとともに、一般教養も身に付けられます。照明スタッフ以外の選択肢も広がるでしょう。

必要資格

照明スタッフの仕事において、必須としている資格は特にありません。どちらかといえば、技術や経験、熱意が重視されます。しかし、照明スタッフの仕事に活かせる資格はいくつかあるため、資格を取得してスキルアップや専門性をアピールするのは有効です。

取得に向けて勉強している場合でも履歴書に書けるため、意欲をアピールするうえでもおすすめです。ここでは照明スタッフの仕事に活かせる資格を3つ紹介します。

照明コンサルタント(一般社団法人 照明学会)

「一般社団法人 照明学会」が実施している照明コンサルタントは、試験勉強を通じて、照明演出や光エネルギーなどに関する知識を学べる民間資格です。資格を取得することで、個人や企業などの顧客に対して、ニーズに合った最適な照明を提案できるようになります。

照明スタッフの仕事においても、光の伝わり方や演出などの知識を活かせるでしょう。

照明士(一般社団法人 照明学会)

照明士は照明コンサルタントの上位資格にあたり、より高度な照明に関する知識が求められます。照明コンサルタントは年齢、学歴に関係なく誰でも受験できますが、照明士は照明学会の会員になることが必須です。

まずは照明コンサルタントの資格を取得し、専門知識を深めたい方は照明士の資格取得を目指すと良いでしょう。

舞台・テレビジョン照明技術者技能認定(公益社団法人 日本照明家協会)

舞台・テレビジョン照明技術者技能認定は、照明の演出効果や映像技術を高めるスキルを認定する試験です。

資格勉強を通じて、照明設備から照明をコントロールする仕組みのほか、電気やテレビ照明に関する技法などを身に付けられます。照明スタッフとしてスキルアップするためには有効な資格といえるでしょう。

資格には1級と2級がありますが、それぞれテレビジョン照明の実務経験が求められます。しかし、地域講座は実務経験がなくても受講できます。

照明スタッフとしてキャリアアップする方法

照明スタッフとしてキャリアアップするには専門知識の向上や実務経験の積み重ねが大事です。照明デザインや照明制御システム、最新の照明技術などについて地道に学んでみてください。

またコンピューターによる照明のコントロールや「プロジェクションマッピング」などの新しい技術について、積極的に知識、技術を身に付けて仕事に取り入れていくと、活躍の場が広がるでしょう。

現状に満足せず、新しいシステムや機材に対して積極的に勉強し取り入れる姿勢が大切です。

まとめ

照明スタッフの平均年収は300万円〜600万円ですが、勤務先や勤務形態、スキル、キャリアによって年収は変わってきます。照明スタッフとして年収を上げたい方は、資格を取得したり、多くの現場で経験を積んだりしてスキルアップを図ってみてください。