料理番組といえば、これまでは「レシピをわかりやすく紹介する番組」でしたが、今やレシピそのものはSNSや動画サイトでいくらでも見られる時代。
最近のテレビの料理番組には、「人」「ストーリー」「企画力」といった要素がより強く求められるようになっています。
今回は、元・料理番組ADの視点で今注目したい料理番組を「なぜ今この番組が面白いのか」や「制作現場での“作りやすい”ポイントや“難しい”ポイント」などに注目して、ご紹介していきたいと思います。
今、料理番組が“バラエティ化”している理由
かつて料理番組の主役だった「レシピ」は、今やSNSやレシピサイトなど ネット上で簡単に調べられる時代になりました。
また、共働き世帯の増加に伴い、ミールキットやフードデリバリーの利用が広がっています。
その影響もあり、「料理に手間や時間をかけたくない」と考える人も増えています。
こうした時代背景を受け、料理番組は「明日の晩御飯の役に立つ!」といった<レシピ重視>の内容から、「見てて楽しい」「簡単にできそう」と思わせるような<人物や空気感を楽しむ>ようなコンテンツへと変化していると考えられます。
例えば、料理よりもトークを中心に展開されたり、料理が得意でない人が「料理に挑戦する姿」を見せるような構成だったりと、料理の完成形だけでなく、そこに至る過程や出演者の人柄やストーリー性を含めた、タレントと料理を掛け合わせた企画が増えてきているのが特徴です。
制作面で見ると、ミニ番組や深夜枠の料理番組が増えている点も見逃せません。
<レシピ重視>から<人やトーク>重視になっていることで、料理の準備や撮影段取りにかかるコストや時間が削減され、編集の力でも番組のクオリティをあげることができます。
そのため、制作コストを抑えつつ、新しい企画を試せる「実験枠」として、料理番組は非常に扱いやすいジャンルにもなりつつあります。
今注目の料理番組①|プロの料理人が主役
『沸騰ワード10』志麻さん企画

伝説の家政婦と呼ばれる「志麻さん」が出演する、同番組の大人気企画。
元料理人から家政婦に転身した志麻さんのプロの技で編み出されるのは、自宅で真似できそうな数々の家庭料理というギャップも魅力の一つです。
たったの3時間で15品以上も作れるという志麻さんの手際の良さと謙虚な人柄が企画を支えています。
👀制作的注目ポイント
作る品数は多く、時間も限られているため、撮影は時間との戦い。
滞りなく撮影を進めるために、周到な準備や段取りのシミュレーション、役割分担など事前にしっかり対策して撮影に望んでいると考えられます。
仕込みや段取りの重要性が非常に高い一方で、現場での臨機応変な動きも求められます。
調理の邪魔にならないよう調理工程をカメラで追いかけるだけでなく、実際に現場で試食を行う演者さんへの配慮も欠かせません。
🔻日本テレビ系『沸騰ワード10』
毎週金曜よる7:56〜8:54放送
主な出演者:バナナマン、黒田みゆアナ ほか
今注目の料理番組②|タレント×日常ごはん
ミキティダイニング

ミキティ(藤本美貴)&庄司智春夫妻が全国の農家・漁港に旬の食材収穫へ!
生産者ならではのアレンジレシピや食育法を学んだり、ミキティ流時短調理レシピの紹介、さらに普段は聞けないゲストのリアルなプライベートの話などで人気を集めている注目の番組です。
「プロの料理人」じゃないからこそ生まれる安心感やミキティ&庄司夫妻の家庭感・空気感が垣間見える会話などで人気を博しています。
👀制作的注目ポイント
会話や空気感が中心となる構成なので、台本がしっかり作り込まれているわけではなく、MCの2人に任される部分も多いでしょう。
お堅い料理番組ならNGになるようなシーンもそのまま使う“素の良さ”が優先されるため、
その場の空気を読む対応力も必要になってくると言えそうです。
編集でテンポを作るタイプの番組なので、ほかの料理番組に比べるとより一層バラエティ寄りな感性が育てられるかもしれません。
🔻フジテレビ系『ミキティダイニング』
毎週土曜 ひる11:00〜11:50放送
主な出演者:庄司智春(品川庄司) / 藤本美貴
今注目の料理番組③|料理×エンタメ企画
黄金のワンスプーン!

SnowMan屈指の料理好きであるという「舘様」こと宮舘涼太が日本各地をめぐり、その土地ならではの旬の食材を“黄金のスプーン”で味わい、様々なアイディア料理を披露する食の旅バラエティ番組。
旅×料理×豪華ゲストの3大要素を軸にしつつ、食材の背景ストーリーなども絡めたストーリー性のある構成が見所です。
👀制作的注目ポイント
ロケ+料理+ゲスト対応で情報量が多いため、事前のリサーチ力や段取り力をはじめ、構成を整理する力も重要になってきます。
逆にいうと、料理番組でありながら、旅バラエティに近い構成なので、料理工程に縛られすぎず、編集や演出の自由度が高い番組とも言えるかもしれません。
🔻TBS系『黄金のワンスプーン』
特番枠で不定期放送
主な出演者:宮舘涼太(SnowMan)
他にもある!今放送中・話題の料理番組リスト
*地上波
*料理×ドラマ
*番外編(過去に放送されていたもの)
また、上記の他にもBSを中心に、料理と旅を組み合わせた番組も根強い人気があります。
ロケーションの魅力と料理を同時に楽しめるため映像的な強さがあり、制作現場としても狙い目のジャンルです。
ただし、天候や移動など不確定要素が多く、現場対応力が求められるため、撮影の難易度が高めという側面もあります。
その分、経験値を積むには学びの多い現場とも言えるでしょう。
料理番組をやりたいAD・制作志望者へ
料理番組の現場では、演者さんや収録現場を待たせることがないよう<ベストなタイミング>で、最も美味しそうに見える<ベストな状態の料理>を出す、という時間とクオリティの両立が重要です。
ADとして様々な準備や全体の進行のサポートを行う中で、自然と段取り力や時間管理能力が身につきます。
このスキルはどの現場に行っても通用する力になるので、若手ADや制作の流れを基礎から学びたいという方にもオススメです。
また、食材を扱う中で、食への安全や衛生に関する知識が身につく点も特徴です。
まとめ
今回はオススメの料理番組をご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか。
料理番組はAD目線で見ても学びが多く、段取り力や現場対応力など、ADとしての基礎を磨くのにはうってつけのジャンルです。
近年の料理番組は、レシピそのものより「人」や「企画」に重きが置かれているため、料理番組に関わりたい人はもちろん、バラエティ志望の方にもオススメ。
興味のある方はぜひ選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
