情報番組のADってどんな働き方をしているの?

情報番組のADの働き方とは? バラエティ番組と比較して働きやすいと言われている情報番組ですが、その勤務内容は実際にどんなものなのでしょうか?元情報番組スタッフが、勤務環境や1日のスケジュールなどを解説していきます。 班体...


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情報番組のADの働き方とは?

バラエティ番組と比較して働きやすいと言われている情報番組ですが、その勤務内容は実際にどんなものなのでしょうか?元情報番組スタッフが、勤務環境や1日のスケジュールなどを解説していきます。

班体制

情報番組は基本的に生放送のためスタッフが多く、100人弱のスタッフが在席している番組もあります。
その大勢のスタッフは扱う内容によって、ニュース班や芸能班、トレンド物などを扱う企画班、スタジオ班、天気班など各班ごとに分かれており、主に下記のような内容を担当しています。

【例】※呼び方や班の種類は番組により様々です。
ニュース班:主に国内のニュースを幅広く扱う。ロケや街頭インタビューなどを行う。
芸能班  :芸能、エンタメ情報を扱う。制作発表やイベントなどの取材に行く。
企画班  :流行のお店や人、もの、季節ごとの企画を扱う。比較的時間をかけるスケジュール感。
スタジオ班:OA中のスタジオ運営を全般的に担う。セットチェンジや小道具搬入、カンペ出し等。
天気班  :外のスタジオで天気コーナーを担当する。カメラ・お天気キャスターの位置決め、
カンペ出しや尺だし等。ニュース班やスタジオ班など他班が兼任する番組もあります。

シフト制

スタッフの人数が多いため班ごとにシフト制を採っている番組が多く、バラエティ番組などの少人数で制作している番組に比べて勤務時間が管理しやすいと言われています。

「ニュース班」や「芸能班」でいうと、基本的に週に1回はOA担当が割り振られ、1回のOAにつきメインの担当ADは3〜4名います。

メインの担当ADはOAの前々日、前日、当日と流れで働き、それ以外の曜日は午前に出勤して夜まで、深夜出勤して朝まで、深夜だけなどといったシフトにつくことが多いです。

また一方で、「スタジオ班」や「天気班」というOA中がメインの業務になる班の場合、月曜日から金曜日まで毎日出勤しOAに立ち会うというシフトもあります。
この場合は深夜に出勤し翌朝に退勤するという昼夜逆転の生活になるため、はじめは生活リズムに慣れるのが少し大変かもしれません。

担当回OAまでのスケジュール

OA前々日

・基本的に通常の始業時間に出勤し、ネタ決めの会議を行います。
⇒OAチーム内での打ち合わせ、班ごとの会議、番組全体の会議など、1日に数回会議がある場合もあります。
⇒ADはその時起こっている話題や、翌日に予定されているイベントなどを軽くリサーチし
ペライチの簡単な資料にまとめて会議に提出します。

・ネタが決まればそれについての更なるリサーチ、ロケ場所の仕込み、カメラ機材などの
ロケ準備をして夕方〜夜に一度帰宅します

OA前日

・朝の出勤とともに再度ネタ決めの会議をし、前日の夜~当日の朝にかけて大きなニュースが入っていれば
より話題性の高いものにネタを差し替えます
⇒ネタが変わった場合は再度リサーチから始め、ロケ場所の仕込みもその場で行います。

・ネタが確定し取材場所が決まるとメインの担当ADは、
◎社内でOA準備を進めながら全員の動きを把握し、作業指示を出すAD(チーフAD)
◎ロケに行くAD
◎社内で映像素材を準備するAD
◎スタジオのモニターに映す画面の発注や小道具を準備するAD
などに分かれて各自バラバラに動きます。

・夕方から夜にかけてバラバラに動いていたメインのD、ADが社内に集合し、OAに向けて原稿、テロップ、台本、VTRを編集する際に使うテープなどを準備します。

OA当日

・深夜出社組のヘルプADも合流し、カンペ作成、小道具の確認、社内各所へ原稿の校閲依頼、追加の映像素材の準備など局内の各所に分かれて詰めの作業に入ります。

・同時に、0時前後からディレクターが編集所に入り作業を開始。
⇒編集作業は専門の技術さんが担当する場合が多いですが、使用する映像素材のテープを整理したり、
テロップの人名や地名などが正しいか確認したりと、編集所内の業務を専任で担当するADもいます
⇒同じ局内でもスタッフルームと編集所が離れている場合が多いため、資料や映像素材など
追加で出来上がったものはその都度編集所に運びます。

・OAが始まってからも、基本的には自分の担当VTRの時間ギリギリまで編集作業が続くため、VTRをスタジオに納品するまではADもテロップの修正や校閲確認、原稿や台本の各所配布作業などを行います。

・電子カンペを使用している番組もあるため、カンペ作成担当になるADもいます。

・OA終了後、使用した機材や編集所の片付け作業を行い、番組全体や班ごとに分かれてOAの反省会をします。
⇒反省会では、取材時や編集時、OA時に起こったミスを共有し合ったり、翌日以降に向けての改善点などを
その都度話し合います。

・反省会や片付け作業が終われば、午前中のうちなどに帰宅します。

週1回放送の情報番組では…

ここまで解説したのはいわゆる「帯番組」と呼ばれる番組のスタッフ体制やADの動きでしたが、
週に1回、主に週末に放送されている情報番組は放送頻度に比例してスタッフも小規模です。
また、番組内容も1週間のニュースをまとめたものがメインのためADのスケジュールも変わってきます。

OA当日に向けての前々日からのスケジュール感は似ていますが、それより前の2〜3日も準備期間のため、1週間単位で業務内容がある程度固定された働き方になります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
情報番組のADは働き方がシフトで決まっているためカレンダー通りの出勤でオンオフがはっきりしていますが、生放送に間に合うか間に合わないかのぎりぎりで作業し続けるため、緊迫感やプレッシャーに強い方が向いているかもしれません。自分の性格や特性に適した番組選びが出来るといいですね。