テレビロケって何するの?ADさんの仕事内容を徹底解説!【後編】

仕込み、ロケハン、続いて…? 前回は、『テレビロケって何するの?ADさんの仕事内容を徹底解説!【前編】』として ロケ前の仕込みからロケハンについて紹介しました。 今回は、ロケ当日に向けた準備からロケ後の作業までを紹介して...


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仕込み、ロケハン、続いて…?

前回は、『テレビロケって何するの?ADさんの仕事内容を徹底解説!【前編】』として
ロケ前の仕込みからロケハンについて紹介しました。
今回は、ロケ当日に向けた準備からロケ後の作業までを紹介していきます!

ロケ当日に向けた準備

ロケ当日までに必要になる作業には以下のようなものがあります。

【資料作成】
ロケスケジュール、香盤表、台本、カンペなどの資料作成
※香盤表とは、撮影のスケジュール、場所、所要時間、順序やスタッフの担務、
出演者の動きなどが書かれた進行表のこと

【小物の準備】
カンペやプロッキーなどディレクションに必要な小物やティッシュ、ウエットティッシュ、除菌グッズなど
出演者に必要な物など当日必要になる物を準備しておきます。
不足の事態を想定して色々準備しておくことが大切です。

また、常にロケ当日の天気をチェックしておき、雨具や防 暑・防寒グッズを用意しておくことも重要です!

【収録メディアの準備】
カメラの種類によって異なりますが、SxS(エスバイエス)カード・SDカードなど。
収録時間を想定して、不足のないように多めに準備しておく。
事前に空き容量の確認やフォーマットもしておきましょう。
メディアにカメラごとにナンバーを振ったりして、管理しやすいようにしておくと当日スムーズです。

【控え室の準備】
出演者の控え室やメイクルームの確保、準備。
姿見、卓上鏡、ドライヤー、ハンガーラック、ハンガーなど、セットに必要な物を用意しておきます。
上記必要な物が会場にない場合は、美術発注して当日持ち込んだりします。

【各所への共有】
ロケ先や技術や車両などの発注先、ロケ出演者へ、当日のスケジュールや必要事項を共有する。
当日の服装や持ち物、流れなども確認しておきます。

【ロケ届の提出】
局制作番組でロケを行う場合には、局の担当部署にロケ届を提出する。
視聴者からの問い合わせに備え共有しておきます。
※局によって対応が異なります。

【チケット手配】
地方ロケの場合には、新幹線チケットや宿泊先の手配をしておく。
都内ロケの場合でも、出演者が地方から来る場合には、行き帰りの交通チケットを用意しておいたりします。

ロケ当日の動き


ロケ当日は、先発隊本隊後発隊など、チームに分かれて役割分担をすることが多いです。
具体的にADさんは主に以下の動きをします。

■■先発隊■■
先回りして、本隊の到着前に必要な準備をしておきます。
本隊が来る前に、撮影に協力頂くお店の方などと円滑なコミュニケーションを取っておくのはとても大事です。

【準備】
お店の方など協力頂く方に本隊の到着の目途を伝えたり、机や椅子を並べたりなど
撮影場所のセッティングをします。
また、映り込んではいけないもの(番組・出演者のスポンサー周りの競合関連のものや選挙ポスターなど)を
避けたり、店内のBGMを切って頂いたりなどの対応をします。
料理などを食べる予定の場合には、すぐに食べられるように調理のタイミングを見計らって
お店の担当の方に伝えたりなどもします。

【誘導】
ロケ本隊が近づいたら、撮影場所まで誘導します。
ロケ終了後には、車両さんと連携してロケバスの準備をしておき、出演者をロケバスまで誘導したりもします。

■■本隊■■
交通整理をしたり、ディレクターや出演者のフォローをします。
先発隊や後発隊に本隊の情報を共有することも大切です。

【交通整理】
一般の方の邪魔にならないように交通整理を行います。
歩行者が撮影場所に立ち止まらないように流したり、写真撮影等をしないように注意を促したりもします。

【カメラを回す】
カメラ台数がいくつか必要な場合や、出演者がバラバラに行動する際などには
ADが小型のカメラ(NX、GoPro、Osmoなど)を回すこともあります。
番組によっては、出演者自身が手持ちのカメラを回すこともあるので、その管理もADが行います。

【ディレクターのサポート】
カンペやペンを渡したり、タイムキーパーをしたりします。
また、先発隊の状況など何か聞かれたらすぐ答えられるようにしておきます。

【出演者のサポート】
お水を渡したり、ゴミを回収したり、お手洗いに誘導したりします。
※場合によってはAPさんがやってくれることもあります。

■■後発隊■■
本隊は時間に追われていることが多くすぐに移動してしまったりするので、
後片付けや協力頂いた方への対応をします。

【素人出演承諾の対応】
出演者以外の人がテレビに出る場合には、出演承諾書にサインをもらう必要があります。
インタビューを行ったり、お店の方にお話ししてもらった場合には、協力してもらった方に、
番組内容の説明をして、承諾書にサインをもらいます。

【インサート撮影】
食べ物やトークで触れたものの差し込み用素材の撮影をします。
当日残って撮影することもありますが、後日行う場合も多いです。

【後片付け】
撮影場所の現状復帰をしたり、ゴミを回収したり、飲食店などの場合には支払いをしたりします。

スムーズな撮影進行には、常に先を考え行動し、出演者やディレクター、技術スタッフ、
協力して頂く方々などを
サポートしていくことが必要不可欠です!

ロケ当日のADさんの服装

【派手な色は避ける】
これは、髪色もそうなのですが、万が一カメラに映り込んでしまった場合に、
そちらに目がいくということを避けたいからです。
特に、柄物やキャラクター物などは着用しないように注意が必要です。
また、ロケでは、ロケ先の企業やお店の方、一般の方など色々な人と接します。
その為、髪色や服装は落ち着いていた方が印象が良いということもあります。

【動きやすい服装】
ADさんは常に様々なことを気にかけ、動き回るポジションです。
汚れたり、傷がついてしまうことも想定した服装を心がけましょう。

【アクセサリーやネイルはNG】
普段の業務ではそこまで気にする必要はないのですが、ロケの際には、ADさんはインサート撮影、
特に箸上げなどで手や指が映り込む場合があります。
商品や食べ物の紹介においては、アクセサリーや派手なネイルは邪魔になってしまいます。
爪は短く清潔にしておくことが大切です。

業界的に規則が緩そうと思われてしまいがちなところがあるので、
特にロケで外部の方と関わる際には、身なりには注意が必要です。

ロケ後の必要作業

ロケが終わったら、今度は編集作業が待っています。
それに向けて、以下の作業が必要になります。

【ロケ先への挨拶】
当日、または翌日などに改めてお礼の連絡をします。
その際、放送にあたり必要事項があれば確認をしたり、追加の撮影が必要な場合にはアポを取ったりもします。

【収録素材のデジタイズ】
編集作業はPCで行うので、編集するPCに映像を取り込む必要があります。
ロケ時、メディアに収録した映像素材をPC用の編集データに変換する作業をデジタイズといいます。
大きな撮影の場合には、デジタイズをしてくれる会社へ変換作業を依頼します。
短い収録時間だったり、カメラ台数が少ない場合などには、ADさんがPCに直接メディア素材を取り込み、
変換作業を行う場合もあります。

【インサート撮影】
追加で必要になる差し込み素材については、放送までに再度撮影しに行きます。
お店の外観やお客さんで賑わっている内観、お客さんの行列の様子、美味しそうな料理の映像、
実際店舗を利用するお客さんへのインタビューなど、そのお店などの魅力を伝える為に、
放送までに何度も撮影を重ね、
番組内容に厚みを持たせていくのです。

まとめ

今回は、【前編】【後編】の2回にわたり、
テレビロケにおいてのADさんの仕事内容を紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

ロケ周りのADさんの仕事がいかに多岐に渡るかがお分かり頂けたかと思います。

また、ロケには制作チームだけでなく、撮影にあたる技術チームや車両チーム、取材先で協力頂く方々など、
沢山の人が関わっています。

ADさんのお仕事において、撮影や編集に関わる沢山の方々と上手く連携を取っていくことはとても大事です!
これからADを目指す皆さんは是非参考にしてみて下さい。