【実はこんなことも!】サード助監督の仕事とは?ドラマ現場のリアルなお仕事内容を解説!

ドラマ制作の現場で、演出部のスタートラインともいわれる「サード助監督」。カチンコや小道具担当というイメージがありますが、実際には設定作りや専門家への取材、スマホ画面の制作、現場進行など幅広い業務を担っています。本記事では、実際にドラマ制作に携わった筆者が、サード助監督の仕事内容や1日の流れ、やりがい、向いている人物像まで現場目線で詳しく解説します。


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テレビドラマの世界で“監督を目指すルート”に位置付けられる職種――それが助監督です。
助監督というのは、監督の補佐をするポジションであり、ドラマの制作現場の重要ポジション。
中でも、作品の演出に直接関わってくるのが【サード助監督】です。

今回の記事では、【サード助監督】についてドラマ制作に携わっていた筆者が、リアルな業務内容・必要スキル・やりがい・向いている人物像を余すことなくまとめました。
就活生の業界研究や、ドラマ制作職を目指す方の職種理解に役立つ内容になっています。
ドラマがどのように作られ、【サード助監督】がどんな仕事をやっているのかを“現場目線”でぜひ学んでみてください。

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サード助監督とは?

ドラマ制作チームは、多くの部署が組み合わさって構成されています。
中でも助監督は、“演出部”に位置付けられます。他にも美術部や撮影部などがあります。

一言で“助監督”と言われますが、実は以下のように4つのポジションに分かれていて、それぞれに役割があります。

【チーフ助監督】…プロデューサー・監督との打ち合わせ、※スケジュール作成、他部署とのやり取り、メインキャスト以外の演技指導など
※スケジュール作成の役割を担う、スケジューラーというポジションも存在します。
【セカンド助監督】…衣装・メイク担当、エキストラ演技指導
【サード助監督】…小道具担当、装飾、カチンコ担当
【フォース助監督】…他の助監督の補佐

演出部デビューをすると、最初はサード助監督としてお仕事を任されるので、監督へのスタートラインと考えてもらえるとわかりやすいと思います。

このように、一つの役割がさらに複数のポジションに分かれているのは、助監督とADの大きな違いの一つです。

サード助監督の主な仕事内容

助監督の仕事は、撮影に向けての準備をする準備業務撮影現場での現場業務の2つに分けられます。
ドラマは台本がすべてです。
しかし小説と違い、場所、登場人物とセリフ、行動、物の名称などの必要な情報しか記載されていないことがほとんどです。

【ホテルのレストランで本を読む山田のもとに、料理が運ばれてくる。】

この例文を使って、準備業務ではどんなことをやっているかご紹介します。

 

<準備業務>(ドラマの世界を作るために重要な業務)

▼小道具や装飾の原稿作成

小道具は、人が持つもの。装飾は、小道具や壁に彩を持たせる飾りのこと。
これらはドラマの世界を映像にするためにとても必要な要素です。
映像にするには、文章を具現化させないといけません、そのために必要なのが
原稿です。
原稿作成は、台本に書かれている情報から書かれていない情報を形にしていく作業です。

例文からわかることは、「ホテルのレストラン」「本」「料理」ですが、

 「ホテルのレストラン」→メニュー、看板、広告など
 「本」→表紙のデザイン、タイトル、中身の文章など
 「料理」→料理の内容、個数など 

このように、意外と書かれていないことが多いんです。
これらを設定や雰囲気、テーマなどを基準に原稿を作り、監督とイメージの擦り合わせを行い、美術部へ発注する。これが原稿作成の流れです。

 

▼設定関連

ドラマには設定が必要不可欠です。もちろん、人物や世界観など基本的な設定は決まっていますが、設定されていない細かいものが存在します。
その中でも代表的なのが、
「日時」「名称」「住所」の3つです。
例文で設定が不足しているものは以下3つがあげられます。

・山田が何日の何時にホテルのレストランで本を読んでいるのか
・ホテルのレストランの名前
・ホテルの住所

これらを考え、監督やプロデューサーと一緒に設定することも、サード助監督の大切な仕事の一つです。
これは、照明の設定や美術品の作成など他部署への影響が非常に大きく、原稿の要素になることなので非常に重要です。

 

▼専門家への取材

ドラマには、様々なシチュエーションが登場します。
警察ドラマであれば事件現場のシーン、医療ドラマなら手術シーンや診察シーンなど、専門的な知識が必要なシーンを撮影するためには専門家の力を借りなければなりません。

一言に事件現場のシーンと言っても、現場へ出動する警察の部署はどこなのか、それらの部署は何を持っていてどんな服装なのか、何人で現場に来るのかなど、日常ではわからないことばかりです。
実は例文にも、専門的な知識が必要なことがあるんです。

・ホテルのレストランで運ばれてくる料理

これは、文章に書かれているのでわかりやすいですが、

・料理を運ぶウェイターの服装(名札はついているのか、制服として好ましい色など)
・料理の運搬方法(トレーやカートに乗せて運ぶのか、手で持ってくるのかなど)
・料理を提供する際の所作(お皿の置き方、向き、セリフなど)
・実際のウェイターの人数と男女比など

実は書かれていない部分がとても多いことがわかると思います。
原稿作成の部分でも同じようなことが出てきましたが、台本には書かれていないことが本当に多いんです。
書かれていることの事実確認や、書かれていないことにはどんなものがあるのかを、詳しく知るためにも専門家への取材は必要不可欠です。

ドラマはフィクションとはいえ、良い作品にするためにはリアルであることが重要です。
例の中にも、想像がつくものがあったと思いますが、それが事実であると言い切れなければリアルとはいえません。

そのために、サード助監督はネットで調べるのはもちろん、実物を自分の目で見に行ったり、台本を読んで作品への理解度を高めたり、専門家へ取材を行うなど、作品をより良くするための重要なポジションなんです。

 

<現場業務>(ドラマの世界を映像化するために重要な業務)

▼カチンコ

これは撮影現場において醍醐味と言っても過言ではない仕事です。
でも、どうしてあんなことを現場でやっているのか不思議に思いませんか?

実は、とても重要なことを2つやっているんです。

一つは、映像管理の簡略化と編集作業の効率化
ドラマは1作品に膨大な数の映像を撮影するので、映像の管理と編集作業がとても大変なんです。
例文のように、たった一行でも3カット撮影するならば、同じことを最低3回、多くて10回ほどやるので、管理する映像の量は計り知れません。
そのため、現場で何シーンのカット何のテイクなのかを、カチンコに記入し映像の中に表示させることで、映像を最初から最後まで見なくても、どんな内容かを一目見てわかるようにしているんです。

そしてもう一つは、映像と音のタイミングを合わせる同期
撮影は、映像と音を別々に収録をしているため、編集の際に映像と音のタイミングを揃えなければいけません。
口の動きなどの人物の動きで、映像と音のタイミングを合わせることは非効率です。
そのため、大きな音とわかりやすい動きをカチンコを使って収録し、簡単に映像と音を合わせられるようにしているんです。

意外にも、バラエティのロケ撮影でも同じように同期を収録します。映像を扱う仕事では、同期をとるのは大切なことなのです

 

▼撮影準備/撤収
ドラマの現場は、その日のスケジュールに決められたシーンを全て撮影し終えることが目標です。
そのためには、迅速な撮影準備と撤収をしなければなりません。

準備や撤収が遅れてしまうと、その日に撮影するはずだったものが、撮影できなくなってしまいます。最悪の場合、放送できない事態になりかねません。
特にロケ撮影では気をつけなければいけません。
ロケ地の使用時間や、天気や太陽の位置など多くの制約があるので、より色々なことに気を配り、制作部と協力し合って迅速な準備撤収を心掛ける必要があります。

制作部について詳しく知りたい場合は、こちらをご覧ください。
🔻【ドラマ業界事情】制作部のお仕事とは?

 

▼シーンとカットごとの段取り補助
先ほど、書いたようにドラマの現場は、その日のスケジュールに決められたシーンを全て撮影し終えることが目標です。
準備や撤収も大切ですが、撮影中の段取りもより重要になってきます。

次のシーンではどの小道具が必要なのか、次は何を撮影するかを必ず把握し、撮影が円滑に進むために気を配らなけらばいけません。

 

▼他部署への情報共有
撮影を行っていると、予定よりも早くシーンの撮影が完了することもあります。
しかし、撮影現場に全てのスタッフがいるわけではありません。
そのため、現場の状況を把握しているサード助監督が、今どういう状況であるかをチーム全体に伝えることも大切なことなのです。
これは、
撮影を円滑に進め、トラブルを未然に防ぐことにも繋がります。

準備業務、現場業務どちらも細かい仕事の印象を持ったと思います。
しかし、地味で細かいところまで作り込んだり気を配ることで、より良い作品になっていくことは間違いありません。

サード助監督は、作品の演出や現場に欠かせないポジションなんです。

 

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【実はこんなことも!】サード助監督の裏業務

ここでは、私が実際に経験した、サード助監督が実はこんなこともやっている意外な仕事を紹介します。

ドラマに登場するパソコンやスマホ画面の作成

皆さんは日常的にパソコンやスマホを使っていますよね。ドラマの登場人物も同じです。
登場人物たちがそれらを使うシーンでは、もちろん画面が映ります。

例えば、日常で目にする画面には「テレビ番組」「ネット記事」「ネット配信&動画」「通話中の画面」「メールやチャット」や、特殊なものだと「防犯カメラ映像」「取調調書」「電子カルテ」「GPSでの追跡」など、画面と言っても多種多様な画面が存在します。
画面は美術品になってくるため、原稿を作成し、美術部や外部へ発注をするのですが、自分の手で作ることもあるんです!

私は、テレビ局が舞台となる作品で、架空のテレビ番組を6番組も作成した経験があります。
この時は、設定から構成、撮影、編集まで全工程を自分で行い、ドラマの撮影現場で実際に6番組を再生していました。この作業については、すごく時間がかかりました。
特に、設定された時間帯には、実際にはどんな内容のテレビ番組が放送されているのか、平日や休日で内容やターゲット層はどう違うのか。
ひたすらいろんな番組を見て研究する作業が、時間がかかり大変でした。
出演者や監督含め多くのスタッフに、直接褒められたことはモチベーションになり、今では良い思い出になっています。

 

ウチトラ(スタッフがエキストラとなり、ドラマに出演すること)

ドラマの撮影は、何が起こるかわかりません。
エキストラを配置してみたけどもう少し人数が欲しい、ここに人を置きたいけど人数が足りないなど、監督の意向や想定外のことが起こり得ます。それに対応するのもサード助監督なんです!

そんな時は、衣装部にエキストラ用の衣装を借りて、シーンの端っこに出演することも重要な仕事です。
私が経験したウチトラは「テレビ局スタッフ」「警察の特殊部隊隊員」「警備員」「人質の一人」「社員食堂にいる社員」などの様々な設定のウチトラを経験しました。
皆さんがみているドラマにも、実はサード助監督が紛れ込んでいるかもしれません!

サード助監督の撮影日の1日の流れ

ドラマの撮影には、「ロケ撮影」「スタジオ撮影」の2パターンがあります。
今回は、1日の流れがわかりやすい「ロケ撮影」の1日の流れをご紹介します。

前日→制作部と一緒に衣装や小道具、機材の積み込み
早朝→渋谷or新宿に始発で向かいロケバスに集合・移動
他のスタッフがスムーズに集まれるように、全体の集合時間の30分前に到着し、誘導します。
午前→撮影現場到着。撮影準備と現場の環境整備。撮影開始。
午後→お昼休憩を挟んで、撮影現場の対応。撮影中は、常に周囲に気を配りながら次の動きを考えています。
撮影終了→撮影が終了したら、すぐ撤収作業に移ります。この時、自分が管理していた小道具や備品が全て揃っているか必ず確認をしなければいけません。

サード助監督は、撮影中は常に立ちっぱなしで動き回ります。細かい休憩やお昼休憩の時に、しっかり休憩を取り体力を回復するようにしましょう!

正直きつい?やりがいは?

サード助監督は、ハードなお仕事です。体力と気力の部分は特に疲労を感じます
しかし、その分楽しさとやりがいの大きさは計り知れません。
自分のシーンのイメージが監督と合致していた時や、小道具や装飾に忍ばせた小ネタに、出演者が気づいて会話に発展することも!
なにより、視聴者や協力をいただいた方々からの反響は、1番のやりがいです。
自分がやってきたことが報われる瞬間はここだと私は考えています。
もっと面白くするには、もっとクオリティをあげるにはどうしたらいいのかを考える、制作意欲のモチベーションがすごく上がる瞬間です!

どんな人が向いている?

サード助監督には、この能力が必ずないといけないという制約はありません。だからこそ、自分が何に重点をおいて、現場で活躍するかがとても難しいです。この3つを持っている人が、向いていると私は考えています。

・向上心と元気がある人
・物語が好きない人
・明確な目標がある人

ドラマの制作は、0から1を作る仕事です。これは体力と気力を使う非常に難しいことです。
その中で、いかに仕事に対して楽しみを見つけるか、モチベーションを持つことができるかがとても大事になってくるんです。

まとめ

サード助監督は、常に多くのことを考え続けなければいけないポジションであることがわかってきたと思います。
やっていることの割に意外と地味な作業だったりします。
しかし、この地味なことの積み重ねがいい作品作り、良い現場作り、そして監督になるための大切なスキルに繋がってきます。
サード助監督の元気の良さと頑張りこそ、現場の活気になってきます。

この記事を通して、サード助監督について少しでも理解が深まっていただけると嬉しいです。
ドラマの現場で働くことを目指すあなたの将来が良いものになることを願っています。