テレビカメラマンがきついのは本当?大変だと感じる理由を紹介

番組制作に不可欠な存在であるテレビカメラマン。撮影したコンテンツが日本中に配信されるやりがいのある仕事に憧れを抱く方も多くいます。しかし、カメラなどの重たい機材を担ぎ、悪天候の中でも撮影を続けるテレビカメラマンは、きつい仕事だと不安を感じているかたもいるのではないでしょうか。 今回はテレビカメラマンの仕事がきついといわれる理由や、その背景についてご紹介します。


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テレビカメラマンがきついというのは本当?


テレビ業界でカメラマンの仕事がきついのは事実です。テレビカメラマンは男性が多くいますが、技術革新によってカメラが小型化した背景から、女性のカメラマンも増えています。しかし、カメラが軽量化されたとしても、テレビカメラマンの仕事がきついことは変わりません。

テレビカメラマンの仕事がきついと感じる8つの理由

ここからは、テレビカメラマンの仕事がきついと感じる3つの理由をご紹介します。

カメラが重すぎる

肩に担いで撮影するカメラは、種類によっては約10㎏あり、カメラマンの肉体的な負担は大きくなります。

番組によって使用されるカメラの機材は異なります。最近では、ロケなどで小型のカメラを演者に持ってもらうケースも増えてきました。しかし、小型カメラなどで撮影するケースは一部で、カメラを担いで撮影する現場が多くを占めます。

テレビカメラマンは、常に重たいカメラを担いで撮影に臨まなくてはなりません。左右の筋肉バランスが崩れたり、慢性的な肩こりなどの不調を感じたりする人もいます。

カメラを固定するために神経を使い、さらに上方向を固定して撮影する場合は筋肉も必要とします。

プライベートとの両立が難しい

テレビカメラマンは仕事そのものがハードです。そのため、プライベートとの両立が難しい点もカメラマンの仕事がきついと感じやすいポイントといえます。

まず、一般的な会社員のような友達付き合いなどは難しくなります。出向依頼があれば、所属する会社のスケジュール管理者がシフトを考える仕組みになっているためです。

土日固定や曜日固定の休日ではなく、1ヶ月の中で◯日休むといった休日の取り方になります。不定休になるため、慣れないとプライベートとの両立を難しく感じてしまいます。

また、撮影が立て込んでいたり、特に神経を使う現場だったりすると、仕事の合間に電話やメールをする程度の時間しか取れないこともあります。とはいえ、生活リズムが似ている業界内で友人が増えることはあります。

失敗が許されないというプレッシャー

テレビカメラマンは、決められた時間の中でいかにクライアントが満足できるかを求められる仕事です。

限られた時間の中で撮影をしなければならないため、同じ条件下での撮影が難しい屋外の撮影は、一度きりしかチャンスがないケースも珍しくありません。たとえば、スポーツ中継なども失敗ができないため、プレッシャーを感じやすい業務のひとつといえます。

プレッシャーがあるからこその達成感も感じやすい仕事ではあります。しかし、絶対に失敗できないという重圧からきついと感じる人もいます。

過酷な環境での撮影

テレビカメラマンは、さまざまな環境下での撮影が考えられます。真夏の炎天下で重い機材を持って移動しなければならない状況もあれば、大雪の降る中で寒さに耐えて撮影しなければならないこともあるためです。海外ロケが多く、季節が真逆になる国を行き来したりするようなケースもあります。

雨や嵐など天気が悪い状況でも、撮影が中止になるとは限りません。ドラマや映画は天気が演出に関わるため、カメラで確認できるほど雨が降っている場合は撮休になることもあります。しかし、バラエティ番組などでは雨対策をしたうえで雨天決行もあります。

さらに、カメラマン自身が環境に対応する必要があるだけでなく、機材にも気を遣う必要があります。

撮影環境がバッテリーの駆動などに影響することもあるため、機材を気遣いつつ、さまざまな環境下で撮影をしなければならないことにきついと感じる人もいます。

時間が不規則で体力的に厳しい

プロデューサーなど番組制作側のポジションは、ロケや収録、編集所での立ち合い、のときだけ早朝や深夜に業務することもあります。

その点、カメラマンはロケの企画内容によって、制作側よりも不規則な生活になりがちです。深夜でも早朝でも、企画内容によっては仕事が入ることがあります。

ただし、屋外ロケは太陽が沈むと強い照明で演者を照らす必要があり、現場での作業量が増えることから日中に撮影を済ませるケースが多いです。

なお、報道カメラマンの場合は事件や事故などが、いつ起こるかわからないため突発的な仕事が入ることもあります。この場合、休日に急に仕事が入ることもあり、ゆっくり休息できずにきついと感じやすいです。

常に臨機応変さを求められる

屋外ロケをはじめ現場によっては、事前にすべての情報を確認できないこともあります。そのため、想定外のことが起きたときに臨機応変に対応できる力が求められます。

たとえば、思った以上に周辺に騒音があったり、光の具合が強かったりするものの、日数的に撮影の予備日を設けられない場合などです。

演者も絡んでくるため、台本通りにいかなかったり、アドリブが入ったりすることも考えられます。このような場合でも、現場の状況に合わせて臨機応変に対応して撮影を遂行しなければなりません。

常に臨機応変な対応が求められることからきついと感じる人もいます。一方、想定外の状況でも思いがけない良い映像が撮れるなどプラスになることもあり、そこがテレビカメラマンの醍醐味ともいえるでしょう。

雇用形態によっては給料が安い

テレビカメラマンは雇用形態や勤務先で年収が変わってきます。雇用形態などによっては、過酷な労働環境のわりに給料が安いと感じることもあるでしょう。

テレビカメラマンの仕事を続けるには、厳しい下積み時代を乗り越える覚悟が必要です。ただし、カメラマンは技術職でもあり、一人前になって昇進したあとの方が長くなります。昇進すれば自ずと給料が大きく上がる可能性もあります。

知識や技術を身に付けてフリーカメラマンとして仕事をすることも可能です。フリーランスのカメラマンは収入が不安定になりやすい側面もありますが、実績やスキル、獲得できる案件次第で収入アップも期待できます。

現場に長時間拘束される

テレビカメラマンの仕事は、現場によっては長時間拘束されることもある仕事です。場合によっては、何時間もトレイに行けないまま撮影を続けなればならないといったこともあります。固定で撮影する場合は、長時間にわたり、機材を固定して止まった状態で撮影しなければなりません。

屋外ロケが多い場合は撮影場所に移動する時間も必要です。現場や移動で長時間拘束されることもあるため、きついと感じることもあります。

また、現場で使用するカメラなどの機材は高額なものも多くあります。丁寧に扱いながら撮影をしなければならないため神経を消耗します。機材のことを気にしながら長時間撮影に臨まなければならない面もきついと感じやすいです。

まとめ

テレビカメラマンの仕事がきついのは事実です。今回紹介したように、重いカメラを担いで撮影する必要があることや、企画によっては長時間拘束されること、休日でも突発的に仕事が入る可能性があるプライベートとの両立が難しいことなどから、きついと感じる人もいます。

ただし、きついと感じやすい反面、大きなやりがいもある仕事です。映画やドラマ撮影では、レンズ越しに演者の才能を実感できたり、撮影現場のハプニングも経験できたりと、さまざまな魅力もあります。自分の仕事が映像として日本中に配信されることに、喜びを感じる瞬間もあります。

テレビカメラマンの仕事のきつさを理解したうえで、テレビカメラマンを目指すことが得策といえます。