放送作家の年収・給料・収入事情は?向いている人やなり方も紹介

テレビ番組やラジオ番組の制作に欠かせない放送作家。手がけた番組の面白さを左右する番組制作にとって重要なポジションです。とはいえ、放送作家の年収や仕事内容が、あまり認知されていないのも事実です。放送作家を目指すにあたり、具体的な仕事内容や年収について知りたい人もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、放送作家の年収や主な仕事内容、放送作家に向いている人の特徴などについて紹介します。


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放送作家の年収・給料事情

放送作家の年収は、人によって大きく異なります。ここでは放送作家の平均年収をはじめ給料事情を紹介します。

放送作家の平均年収

放送作家の平均年収は、事務所に所属している場合で300~500万円程度といわれています。手取りでいうと20~30万円前後です。

フリーランスの人気放送作家だと、毎月給与が支払われるのではなく、担当番組1本につき報酬が支払われます。たとえば「担当番組1本につき10万円の報酬」といった具合です。

とはいえ、これらの年収や報酬金額は、一般的にいわれている数値です。放送作家は、フリーランスやアルバイトだったり、副業で放送作家をしていたりする人も多く、年収に関する公的なデータはありません

仕事の本数によって収入が変わる

担当する番組によっては、台本1本で大きな収入を得られることもあります。しかし、基本的には台本を書いた本数によって収入が変わります。

そのため、毎日・毎週放送されるレギュラー番組を担当するか、単発の仕事を受けるかで、収入額が大きく変わります。正社員や派遣社員として、企業に直接雇われている場合は、固定給で支払われるケースがほとんどです。

ランク別に収入が変わる

放送作家には、助手・新人・中堅・ベテランなどのランクがあります。ランクによって番組1本あたりの単価が異なります。

ベテランの放送作家であれば、1本20万円前後の報酬を得られることもあります。助手の場合は1本2~3万円、新人の場合は5~10万円ほどが相場です。中堅の放送作家だと、1回の仕事で10~15万円程度の報酬が一般的といえます。

放送作家はフリーランスが多い

放送作家はフリーランスとして活動する人も多くいます。収入は完全歩合制で、賞与や福利厚生もありません。仕事を獲得できなければ無収入の状態になります。

放送作家の福利厚生・賞与は?

正社員として雇われている放送作家であれば、一般企業の会社員と同じく福利厚生や賞与が用意されているのが一般的です。

しかし、フリーランスの場合は企業に属しているわけではないため、福利厚生や賞与などはもらえません社会保険や厚生年金などにも加入できないため、自身で国民健康保険や国民年金保険に加入する必要があります。

また、正社員や契約社員などとは違って年末調整もなく、自分で確定申告を行って所得税や住民税などを納めなくてはなりません。

放送作家が年収を上げるためには?

放送作家は雇用形態やランクなどによって、大きく収入が変わる仕事です。少しでも年収を上げたいなら、単価が低い助手や新人の間はとにかく数をこなし、経験を積む必要があります。

経験を積むことで、放送作家としてのランクが上がれば単価も上がるので、収入アップも見込めます。実績を積んで周囲に信用されるようになれば、長尺の番組や視聴率の高い人気番組を任されることも期待できます。

集中して仕事ができるように、個室を用意するなど仕事環境を整えることも大切です。ストレスが溜まると良い企画を思いつきにくくなるので、こまめに運動したり音楽を聴いたりして、メリハリをつけることも心がけましょう。

また、新型コロナウイルス感染症の拡大以降、スポンサー企業の経営悪化などから番組制作費が削減されました。現在、元の番組制作費の水準に戻っている番組は多くありません。その結果、放送作家の人数を減らしたり、番組制作に放送作家を起用することを止めたりする動きがあります。

このような環境の中で仕事を得て収入を上げるには、依頼された仕事をできる限り受ける貪欲さや、さまざまな依頼に対応できる知識・スキルを身に付けることも重要です。

放送作家の主な仕事内容

番組制作にとって必要不可欠な存在である放送作家ですが、具体的な仕事内容がわからない人もいるのではないでしょうか。そこで、ここでは放送作家の主な仕事内容について紹介します。

リサーチ・企画

放送作家の主な仕事のひとつがリサーチと企画立案です。お笑い番組やグルメ番組など、番組の内容に合わせてリサーチやネタ集めを行い、企画案を作成します。

放送作家は視聴者の年齢層や最新トレンド、ご当地グルメや季節の行事など、必要な情報を幅広く集めなくてはなりません。ゴールデン番組などの場合は、複数人の放送作家でアイデアを出し合うこともあります。

企画会議への参加

番組の企画会議への参加も放送作家の重要な仕事です。自身のアイデアを発表し、ディレクターなどと意見を交換しながら番組全体の流れや進行を考え、企画を練り上げていきます。

台本作成

番組の台本作成も放送作家の役割です。具体的な企画が決まったら、出演者のセリフやナレーション、司会者が話を振るタイミングなどを考えて、台本に細かく書き込みます。番組をより面白くするための重要な仕事です。

収録内容のチェック

番組のオンエアのチェックも行います。チェック後は番組の定例会議で視聴率と照らし合わせ、分析・振り返りをします。放送作家によっては、番組の収録に立ち会うこともあります。

放送作家が向いている人はどんな人?

放送作家に向いているのは、以下のような特徴をもつ人です。

・情報収集が得意な人

・発想力や文章力がある人

・プレゼンテーション能力がある人など

放送作家は企画を考えるときに、さまざまな情報を集めます。得る情報によって企画のクオリティが変わるため、情報収集のスキルが欠かせません

また、斬新な企画を考える発想力や、わかりやすく魅力的な台本を作成する文章力も必要です。

企画会議で自分の考えを発信したり、ディレクターやプロデューサーなどと良い関係を築いたりするためのプレゼンテーション能力やコミュニケーション能力も求められます。

芸人から放送作家に転向した人もいるので、表に出るより裏方として表現する方が性に合っているタイプの人も向いているといえます。

放送作家になるには?必要な資格や学歴はある?

放送作家になるために特別な資格や学歴は必要ありません。しかし、文章力や発想力などが求められるため、専門学校や放送作家養成講座に通うなどして経験を積み、スキルを身に付けたり人脈を広げたりする必要があります。

その後はラジオ局や番組制作会社、放送作家事務所などに所属します。有名な放送作家に弟子入りする人も珍しくありません。いずれにしても、実際に企画立案や台本制作に関わって経験を重ね、キャリアを積むことが重要です。

「放送作家=テレビ局」と考える人もいるかもしれませんが、テレビ局が放送作家を正社員として雇用するケースはほとんどありません。

まとめ

放送作家の平均年収は、正社員であれば300~500万円程度です。しかし、放送作家はフリーランスであることが多いため、実際の年収は人によってそれぞれです。

ベテランになれば1回の仕事で数十万円の報酬を得られることもありますが、助手や新人の場合は数万円程度の報酬しか得られないのが一般的です。さらに、仕事がなければ無収入になる厳しい世界であることを理解しておく必要があります。

それでも放送作家にチャレンジするなら、経験を積みながら必要なスキルや知識を身に付けることが重要です。放送作家養成講座に通ったり、番組制作会社や放送作家事務所に所属したりして、キャリアを積んでいきましょう。