YouTubeショート、TikTok、Instagram Reelsなど、ショート動画コンテンツは今や欠かせないものとして浸透しつつあります。その人気のひとつとして、現代の「タイパ主義」の考え方があります。映画やドラマも2倍速で見る人が多いとのことで、エンタメは「より短い時間でどう楽しんでもらうか」が重要なポイントになってきました。
YouTubeショート・TikTok・Instagramリールの違いとは
ショート動画のコンテンツの中でも、大きく分けてYouTubeショート・TikTok・Instagramがありますが、その中でもYouTubeショートが人気だといいます。
では他のショート動画コンテンツとYouTubeショートの違いはなんなのでしょうか。そしてなぜYouTubeショートが今注目されているのか、みてみましょう。
TikTok
10代から20代前半の若年層が中心で、 ダンス、コメディ、ショートドラマ、チャレンジなど、流行や面白さを追求したコンテンツが主流です。流行の移り変わりが非常に速いのが特徴です。
Instagramリール
20代から30代が中心ですが、幅広い年齢層に利用されています。ファッション、美容、料理、ライフスタイル、旅行など、よりおしゃれで洗練されたビジュアル重視のコンテンツが多いです。Instagramのフィードやストーリーズとの連携も特徴です。
YouTubeショート
幅広いユーザー層(10代から50代以上まで)に利用されています。本動画の切り抜き、教育系、Vlog、DIYなど、YouTubeの長尺動画の内容を短くまとめたものや、ハウツー系の解説動画が多いです。
YouTubeショートで短くまとめたものから本動画に誘導することができるのでYouTubeを運用する人が併用していることが多いことも特徴です。
つまり、幅広い年齢層に届けられる点、そして見てほしいコンテンツに誘導できる点がエンタメ業界との親和性が高い理由と思われます!

各業界への影響
では実際どのような影響があるのでしょうか。音楽・映画・推し活にわけてそれぞれのジャンルへの影響を考えてみましょう。
音楽業界への影響
ショート動画の登場によって最も影響を受けているのは音楽業界と言っても過言ではありません。
・MVへの誘導としてのショート動画
ショート動画が楽曲の認知にもつながるので、真似したくなる振り付け、キャッチーな歌詞も作り手を意識させるようになりました。
サビを聞いてもらって本動画への誘導をすることで楽曲の認知を広げようとしています。ショート動画は短くたくさん作ることが可能なので、メンバーごとにショート動画を作ったりして、入口を広げています。
・他グループとのコラボ動画の増加
さらに、他のグループと音楽番組などで共演があった場合、コラボして一緒にダンスをした動画を上げることも多くなりました。これはお互いのファンへの認知にもつながりますし、既存のファンもいつもと違う曲を踊る推しをみて楽しむことができるためです。スキマ時間も他アーティストとコラボするため、アーティストは空き時間も多忙そうですね。
・タイパを意識した「サビカラ」の登場
本動画に繋げやすいということで、MVの切り取りをショートで流して、実際のMVに飛んでもらうということもできます。また、ショートの切り抜きはタイパ時代にも親和性が高く、“サビだけ聞いたことがある音楽”というものが皆さんにも多いのではないでしょうか。
その中で「サビカラ」というサービスも登場しています。限られた時間のなか、状況に応じて「サビカラ」を取り入れることで、より濃密で満足度の高い時間を過ごすことができると話題のサビカラ。ショート動画で話題になっている曲や世代の違いがあっても“サビだけはみんなが知っている”ような曲が人気のようです。
ちなみに、2025年1~3月はCUTIE STREETの『かわいいだけじゃだめですか?』が1位。確かに歌詞がキャッチーでサビなら聞いたことがあるという人が多そうな曲ですよね。

映画業界への影響
・ショート版の予告が登場
映画業界は予告の中でも特に印象的なシーンを切り取った新しい形の予告動画を使ってSNSでの宣伝をしています。また、1シーンをそのまま切り取ることもあります。視聴者にも作風が伝わりやすく、本編の予告にもつながるのがメリットといえます。
・縦型ショートドラマの増加
また、縦型ショートドラマをYouTubeにアップする人も増えました。自主制作をした作品をYouTubeに流すことで、それ自体が映画制作にもなりますし、プロデューサーなど制作側に見つけてもらうチャンスにもなるということで、若手の仲間内でショート映画をつくる動きが活発化しています。
推し活への影響
・ファンの自作ショート動画が増加
ファンは自作したショート動画を切り抜き、短時間で初見の人にも推しの魅力が伝わるよう試行錯誤するようになりました。また、既存のファンも短時間でコンテンツを楽しむことができるため、見る人が多いようです。また、コメント欄などでファン同士の交流も発生しています。推しが売れるように、推しの楽曲でダンス動画を投稿するファンもいます。
また、国内外で評価されるためには、YouTubeの再生回数が重要です。再生回数を伸ばすために何度も同じYouTubeを見たりする人もいます。
身近な友人にも、MVを一本見てほしいと頼むよりもショート動画を一本見てもらう方が手軽でお願いもしやすいですし、まずはショート動画をおすすめすると、推しの魅力が伝わるかもしれませんね!

まとめ
さて、YouTubeショートで変わるエンタメの楽しみ方について整理してみましたがいかがでしたでしょうか。とにかくショート動画はどのジャンルにおいても認知を広げることに長けています。また、みた時間によって興味分野も把握してくれるので、その後も自分にあったコンテンツをYouTubeが表示してくれます。
