「テレビ業界って、なんかキラキラしてて楽しそう!」
そう思って志望している就活生も多いはず。
実際、番組作りに関われたり、有名人を間近で見られたりと、他では味わえない魅力があるのは事実です。でもその一方で、「激務」「ブラック」といったウワサもチラホラ…。
実際のところ、テレビ業界ってどうなの?と気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、テレビ業界で実際にADとして働いた経験をもとに、「良いところ」も「しんどいところ」もリアルにお伝えします。業界研究や志望動機づくりのヒントにもなるので、ぜひ最後まで読んでみてください!
服装・髪型
基本的にデスクワークメインの時は服装や髪型は自由な場合が多いです!
自分の着たい服、アクセサリー、髪色、なんでもアリです。
まず服に関しては、ジャージやスウェットのようなダル着で出社する人もいれば、遊びに行くときのようにおしゃれをして出社する人もいます。サンダルからブーツまで何でもOKです。
鞄も、リュックで行く人もいれば、トートバッグで行く人もいますし、自分の好きなようにしています。
アクセサリーも自由に着けていますし、ネイルもOKなのですが、PCを打つ時や機材を触るときに邪魔にならない程度の長さでネイルを楽しむことは基本です。
また、箸上げを頻繁に行うことがある番組を担当している場合は、どうしても手元が映ることになるためネイルは控えたほうが良いでしょう。そして髪型ですが、金髪にしている人もいますし、ピンクなどのカラーをいれている人もいます。
ただし、ロケや収録の時は服装に制限があります。
露出は控え、基本的に黒などの目立たない服装が基本です。動きやすい服装、スニーカーで行くと良いでしょう。
また、ロケなどでカメラに見切れる可能性がある時は、アニメやブランドなどの著作権が関わってきそうな服も控えましょう。
グリーンバックがあるような番組の収録の際は、緑色が入った服は禁止など、番組によって制限がある場合もあるのでそこも注意しましょう。
このように基本的には自由ですが、番組のルールには従い、タイミングを伺いつつ、自分の個性を出しておしゃれを楽しんでいます。
会議の内容
テレビ業界の会議は、企画内容をワイワイ話したりと、楽しいイメージがあります。
その会議の中には、種類があり、主に定例会議と分科会というものがあります。
定例会議とは、毎週決まった曜日に行われており、番組に関わる人全員が出席しています。 ここでは、番組全体のスケジュールの確認のほか、企画案、ネタ案、キャスティング案などについて話し合われます。企画内容などを決める場でもあるので、ディレクター、作家、リサーチャーなどには”宿題”と呼ばれる案出しが事前に求められている場合があり、会議までにリサーチなどを行い、資料にまとめて話し合います。
そして分科会とは、各コーナーに関しての内容を詳細に打ち合わせる会議のことを指します。
各コーナーに担当が振り分けられるので、 該当するコーナーの分科会がある際、その会議に出席します。
他にも、台本打ち合わせや、美術打ち合わせ、技術打ち合わせなども存在します。番組のADはどの会議にも参加するケースが多いです。
会議中、番組の内容を決めている時は楽しそうな企画が飛び交ったりするので、ワイワイ楽しく会議をしています。ひとつの番組を制作していくうえで、会議は非常に重要な業務となります。
時間が不規則
テレビ業界は、良くも悪くも働く時間が不規則です。
一般企業のように朝礼から始めて夕方には終業するスケジュールで働くことはありません。
たとえ早朝でも深夜でも関係なく、自分の担当業務や担当番組に合わせて働くことになります。
番組にもよるのですが、どのように働いているのか大体のスケジュールをお伝えしたいと思います。
基本的に、収録前やロケ前でなく会議やリサーチがメインの期間はあまり忙しくはないので、11時〜12時に出社して19時~20時頃に退社することが多いです。
この期間は次の収録の企画会議をしたり、ロケ場所等をリサーチしたりといった業務内容が多く、デスクワークがメインになります。
企画内容が段々と明確になり、やることが増えてきたら21時〜22時頃退社になったりします。
そして、企画の内容が全て決定し本格的に動くようになると、9〜10時頃に出社して、22時以降に退社することもあります。やることが多いときは終電になってしまう場合もあります。
収録やロケの前日は、終電か泊まりになることがほとんどです。当日スムーズにいくように、資料や道具の最終チェックを入念に行い、準備万端で臨みます。
収録が終わって編集期間に入ると、その回の編集担当になった人は朝10時頃に出勤して終電で帰るか、夜通しの作業が必要な期間は泊まりになることもあります。
このように、テレビ業界はその時の忙しさや業務量によって勤務時間や働き方が変わります。かなり波があると思っていただくといいかと思います。
忙しい期間は、朝から深夜まで稼働することもあるので大変ですが、基本的にこの業界は始業時間が遅く、昼頃に出勤している人がほとんどなので、朝はゆっくりできますし、朝の満員電車に遭遇しなくて済むのでそこは良い点かなと思います。
仕事っぽくないことも仕事
この業界では、重要な仕事ではあるけれど仕事っぽくないなと思うこともやっています。
例えば、その中の一つとしてロケハンがあります。
ロケハンでは、ロケ当日の曜日や時間等、なるべく同じ状況で現地の下見を行います。どのような構図が必要なのか、どのような雰囲気が必要なのか、ということを考え、そこにリアルな現場を当てはめていくような作業です。このロケハンなしに撮影をすることはほとんどありません。
目的としては、まず道幅や人通りの程度を確認し、歩いている人の年齢層などもチェックしておきます。
そうすることで当日の混雑状況を予想したり、インタビューが必要な場合の参考にしたりもします。
また、当日体験するもの、食べるものは実際にDやADが体験しておき、体験にかかる時間や必要になるもの、食べ物の提供時間や内容等を確認し、把握しておきます。
撮影当日はなるべく短い時間で効率よく撮影ができるように、ロケハンでこうしてリアルにロケ当日のことをイメージすることが大切です。
本番と同じ条件で実際にDやADがシミュレーションを行い、安全にロケをすることができるかきちんと確認し、本番の撮影をスムーズに行えるように準備した上でロケを行っているのです。
撮影を成功させるには、しっかりとしたロケハンが欠かせません。
そんなロケハンですが、実際にロケで行く場所に足を運び、体験したり食べ物を食べたりと、演者さんが行うことと同じことをするので、貴重な体験をすることができるのです。
色んな地域の色んな食べ物、高級な食べ物等を食べることができたり、普段は入れないようなところに入ることができたり、自分の知らなかった場所に行くことで新たな発見があったりするので、大変ではありますがとっても楽しいです。この業界だからこその仕事だと思います。
芸能人に会える
なんと言っても、たくさんの芸能人に会えるということはこの仕事ならではだと思います。
憧れのタレントさんに会えた時や、一緒に仕事ができた時の喜びは計り知れません。収録を生で見られるというのもこの業界だからこそ得られる経験だと思います。「今回の収録は自分の憧れのタレントさんが来るから頑張れる!」といったスタッフの声をよく耳にします。
自分が担当している番組のレギュラータレントさんとは定期的に会うことになるので、覚えてくれて仲良くしてもらえることもあります。
また、芸能人の生のリアクションや、放送ではカットされたトーク内容などを間近で見ることができるというのも、テレビ業界ならではの醍醐味です。
芸人さんがいる番組などでは、やはり芸人さんが面白いので自然と爆笑が起き、現場はとても楽しいです。
収録だけでなく、テレビ局内のエレベーターでバッタリ出会ったり、喫煙所で一緒になったりと
仕事以外の場面でも会うことはたくさんあります。推しが急に目の前に現れることもあります…!
このように、テレビ業界でしか味わえないキラキラした特別な経験もあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。テレビ業界には、ここでしか味わえないやりがいがたくさんある一方で、体力的にも精神的にもハードな一面があります。「好き」だけじゃやっていけない瞬間もあるけれど、「好き」だからこそ乗り越えられる、そんな世界です。就活ではどうしても表面的な情報が多くなりがちですが、自分にとって何が大切かを考えることが一番のカギ。この記事が、あなたの進路選びのヒントになればうれしいです。テレビ業界に少しでも興味があるなら、まずは業界研究やインターンなど、小さな一歩を踏み出してみてくださいね!