テレビ局に就職するためには、かなりの倍率を勝ち抜いていかなければいけないわけですが、テレビ局に就職することができたとしても、思い描いていた働き方ができないということもあります。なぜなら、テレビ局には、宣伝部、営業部、マーケティング部など、さらに一般企業と同じように総務部・経理部・人事部などもあります。
おそらくここを閲覧している多くの方は番組制作を志して就職活動をしているかたが多いかと思いますが、テレビ局も一つの会社ですので、実際就職しても制作部に入れない可能性があります。また、そのことについて理解しているかどうかも面接では見られているので、制作志望の学生も今回取り上げる部署についてはある程度の理解が必要です。
そしてなんと言っても、番組がヒットするためにはこれらの部署の存在が必要不可欠なのです!!
番組のヒットを支える立役者の存在
広報部・宣伝部
テレビ局の中のPR会社・広告代理店のような仕事をしているのが広報部・宣伝部。よく聞かれる質問として「宣伝部と広報部は何が違うのですか?」というものがあります。こちらの答えですが「その会社によって違います」。
というのも、番組の宣伝や会社自体のブランディング、季節ごとのイベントの開催など、業務が多岐に渡る分野なので、部署としてそもそも分けていない局もありますし、後に説明するマーケティング部と合わせて「マーケティングプロモーション部」という部署があるような局もあります。この辺りはかなり密接に関係しているため、志望する会社の部署について実際にテレビ局の公式ページで組織図などをチェックするのが良いでしょう。
また、制作志望の学生が多い中で、このような部署にも興味があると、「違う部署に入っても頑張れる学生」と見てもらえることが多いです。また、実際広報や宣伝もかなりテレビ好きであることは大切なので、ぜひどんな仕事か知ってみると良いでしょう。
広報部・宣伝部は紙媒体からその他WEB媒体まで様々なメディアに向けて情報発信し、番組の個性を生かしたオンラインイベントやファンミーティングといったアプローチ、個々の番組を超えたテレビ局全体のブランディングも行います。
例えば記者会見の運営をしているのもこの部署。情報解禁時にニュースサイトのトップに載るように、記者会見の中身も工夫して、どんな企画を行うか考えます。現在はSNSで話題になっているかが一目瞭然でわかるので、昔よりも成果がわかりやすいのも特徴です。
また、デジタル関連についてはWebサイトやSNSなどを活用したマーケティングプロモーションの戦略設計・運用・分析・管理を行い、番組やテレビ局自体のブランドの向上に向けて、総合的に考えます。
他にも、取材対応、プレスリリースの作成、ポスターやPR動画の制作、事務所との調整やファンクラブ運営など、業務は多岐に渡ります。制作ではない形でも、番組に関われるのでテレビが好きな人は楽しめる仕事でしょう。
マーケティング部
マーケティングテレビ局の中のマーケティング部とは「どうすれば番組をより多くの人に見てもらえるのか」を分析して提案する部署です。インターネットによって、現在は視聴データをリアルタイムで収集できるため、マーケティング部に集まるデータも膨大です。視聴率やWebでの再生回数、SNSで話題になったかなど、データを駆使して俯瞰的に見るお仕事です。
また、マーケティングを行うのはテレビ番組だけではなく、通販番組の売り上げやイベントのチケットなど、グループ事業全体のマーケティングに関わります。そしてデータや市場トレンドをキャッチしながら、仮説設定と実行を繰り返します。
学生の皆さんが想像する会社員のイメージに一番近いかもしれません。マーケティング用語など難しいことはたくさんありますが、キャリア転職で入社する方もいるので、学ぶ機会が多いでしょう。
編成部
編成という言葉、テレビ局志望の方は聞いたことがある人が多いのではないでしょうか。テレビ局の“中枢”や“司令塔”と言われる部署です。主な業務としては簡潔にいうとテレビの番組表を作ることです。どの番組をどの時間帯にやるか、どんな新番組をやるか、そして番組の打ち切りを決定するのも編成の仕事なのです。視聴者もスタッフも番組が続くかどうかで人生が大きく変わると言っても過言ではありません。編成が重要と言われるのにはそれだけの理由があります。
民放で番組改編をするのは4月と10月の年2回。視聴率を中心にマーケティング部の情報や他局の裏番組まで考慮し、枠移動や存続、出演者の変更、打ち切りなど様々な検討を行います。
また、外部とのやりとりも多く、広告代理店や制作会社からの企画の検討も行います。このようにどのようなコンテンツをいつ、誰にどんなコンテンツを届けるかを判断するのが編成部なのです。
まとめ
広報・宣伝・マーケティングや編成に注目してテレビ局の仕事について見てきましたがいかがだったでしょうか。こんなにもたくさん仕事があるのか!と驚いた方もいるでしょうし、制作じゃなくて他の部署でも自分は楽しめそうだな、向いてそうだな、と思った方もいるかもしれません。就活では必ずと言っていいほど「やりたいこと」を聞かれます。その時に他の気になる部署の話などもできると、少なくとも「しっかり調べてくる学生だな」という好印象にはなるでしょう。
しかし、「絶対に制作がしたい」という強い気持ちが揺らがないのであれば、テレビ局に就職することはリスクとも言えます。とはいえ、制作部でなくても楽しく仕事をしている人はたくさんいますので、テレビが好きという気持ちがあれば楽しめるでしょうし、マーケティング部などは新しいことを学ぶ機会にもなりますので、今から心配しすぎず、就活対策を進めることをおすすめします。
番外編~「絶対に制作がやりたい!」~
絶対に制作の道に進みたい学生は、制作会社やテレビ局や制作会社へ人材を派遣している派遣会社への就職がおすすめです。制作会社も会社である以上、人事や総務、経理などの部署はありますが、基本的に制作を志望している学生が面接に来る想定で話が進みます。また、最近は制作会社にもよるのですが、ドラマやバラエティーなどジャンルごとに完全に分けて採用している制作会社もあります。そのため、やりたいことがはっきりしている場合は制作会社を受けたり、テレビ局の面接でもやりたい部署を強く主張した方が良いでしょう。