芸能人のスタイリストになるには?必要な資格やスキルとは。

ファッションに関心の高い方の中には、芸能人のスタイリストになりたいと考えている方もいるでしょう。とはいえ、具体的にどのように目指せば良いか不明な方もいるかもしれません。 今回は芸能人のスタイリストになるにはどうすれば良いのか、主な進路や必要な資格などを中心に解説いたします。


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芸能人のスタイリストになるにはどんな進路がある?

ここでは芸能人のスタイリストになるための主な進路について見ていきましょう。

服飾系の専門学校や大学に通う

服飾系の専門学校や大学に通えば、ファッションに関して専門的に学んで知識を身に付けられます。

芸能人のスタイリストになるのに、特定の学歴が求められるわけではありません。就職してから実務を通じて少しずつ専門的な知識を身に付けていけます。

しかし、まったく知識がない人に比べれば有利です。学校によってはスタイリスト事務所などの就職先を紹介してもらえることもあります。そのため、高校生で進学を希望しているのであれば、服飾系の専門学校や大学を選ぶのが得策です。

スタイリスト事務所に所属する

スタイリスト事務所とは、芸能人やモデルなどのファッションコーディネートを引き受けている事務所です。

専門学校や大学へ進学してから就職することも、高校卒業と同時にスタイリスト事務所へ就職することも可能です。

スタイリスト事務所に所属していれば、事務所が引き受けた仕事を行えます。経験が浅いうちは有名な芸能人を担当することはまれです。しかし、少しずつ仕事をこなして経験を積んでいけば、次第に有名な芸能人を担当する機会も増えていきます。

経験を積んでからフリーランスとして独立する人や、芸能人の専属スタイリストになる人もいます。

現役スタイリストのアシスタントになる

事務所に就職するのではなく、フリーランスとして独立している現役のスタイリストのアシスタントになる方法もあります。

最初のうちは先輩アシスタントの荷物持ちなどを任せられることが多いです。現場でアクシデントが発生したときの対応をすることもあるでしょう。どちらかといえば、雑用に近い業務が中心になるかもしれません。

とはいえ、そのような下積みの経験が、スタイリストとして独り立ちしたときに役立ちます。

芸能人のスタイリストになるために取得しておくと良い資格

芸能人のスタイリストになるのに、特定の資格が必要とされるわけではありません。とはいえ、次のような資格を取得しておけば仕事に役立つこともあります。

色彩検定

色彩検定は公益社団法人色彩検定協会が実施している資格です。公的資格で文部科学省の後援を受けています。色に関する専門的な知識を問われる内容で、資格取得者は服飾関係の仕事に従事している人や目指している人が多いです。

難易度が1〜3級とUC級の4段階に分かれています。このうちUC級は、色が見えづらい人や高齢者などへ配慮するための知識が中心です。芸能人のスタイリストを目指すのであれば、3級から受けてみると良いでしょう。

カラーコーディネーター検定試験

カラーコーディネーター検定試験は、商工会議所が実施している色彩に関する検定試験です。

カラーコーディネーター検定試験を取得すれば、色の性質や特性などの知識を身に付けられます。色彩の知識を使う仕事に就きたい場合には、取得しておくと有利です。仕事に就いた後も、勉強した知識を活かせます。

芸能人のスタイリストなら、色の持つ効果をファッションコーディネートに活かせるなど、役立つ場面が多いです。

スタンダードクラスとアドバンスクラスのふたつに分かれているため、最初はスタンダードクラスから受けてみることをおすすめします。いずれも、公式テキストが販売されています。

ファッションビジネス能力検定

ファッションビジネス能力検定試験は、一般社団法人日本ファッション教育振興協会が実施している検定試験です。ファッションビジネスに携わる仕事をするのに必要な知識が問われます。

主に、企画・生産・マーケティング・流通戦略などに関する内容です。

芸能人のスタイリストとして活躍する際に役立つ知識も多く盛り込まれているため、取得しておくと良いでしょう。

芸能人のスタイリストになるために必要な素養

芸能人のスタイリストとして活躍するには、資格や技術以外に次のような要素も必要とされます。

体力・精神力

芸能人のスタイリストは、華やかなイメージがあるかもしれません。しかし、そのようなイメージとは裏腹に、実際はかなりハードな仕事です。

担当している芸能人が出演する番組の収録や、ロケなどの時間に合わせて仕事をします。そのため、どうしても生活が不規則になりがちです。なかなか休みが取れなかったり、深夜まで仕事をしたりすることもあるでしょう。

特に下積みのうちは、衣装や小物などを持って長時間動き回ることも多く、体力勝負の仕事です。

また、番組の撮影をしている現場では、張り詰めた雰囲気が漂っています。その中で手際良く仕事をしなければなりません。緊張感やプレッシャーに負けない精神力も求められます。

コミュニケーション能力

芸能人のスタイリストは、担当している芸能人やコーディネートをする人のほかにも非常に多くの人と関わる仕事です。

例えば、テレビ局のディレクター・編集者・カメラマンなどと関わる機会がよくあります。番組の収録の際に、お互いに協力し合わなければならないこともあるでしょう。

そのため、ファッションに関する知識やセンスだけでなく、コミュニケーション能力も求められます。

芸能人のスタイリストの仕事内容をおさらい

芸能人のスタイリストを目指すなら、仕事内容について詳しく把握しておく必要があります。ここでは、具体的にどのような仕事をするのか、簡単におさらいしておきましょう。

テーマや人物の確認をする

芸能人のスタイリストは、担当する芸能人が出演する番組のテーマや趣旨などに合わせてファッションコーディネートを行います。

同じ芸能人でも、番組によって適切なコーディネートは大きく異なるため、どのような内容の企画なのか確認することが大切です。認識に違いが生じていると、依頼者がイメージしていたものと異なるコーディネートになってしまいます。

テイストに関しても、最初の段階で詳しくすり合わせておくことが大切です。

使用するアイテムの手配をする

衣類やアクセサリー類など、撮影時に必要なアイテムを手配するのも、スタイリストの役割です。主にお店やメーカーなどに問い合わせてレンタルします。

手配したアイテムをそのまま撮影で使用できるとは限りません。手直しして使用する場合もあります。場合によっては、予備のアイテムも用意しておくこともあるでしょう。

撮影現場に衣装を届ける

コーディネートした衣装を芸能人に着てもらうため、撮影現場に衣装を届けます。

ただ衣装を運ぶだけでなく、トラブルがないように取り計らうこともスタイリストの重要な役割です。常にコーディネートした人に不具合がないか確認を取る必要があります。

衣装を返却する

番組の収録が終わったらレンタルした衣装やアイテムのリストを確認しながら、漏れがないようにして返却作業を行います。

このとき、協力メーカーの名前が記載されているかどうかの確認も必要です。そのほか、ADに使用ブランドのロゴを渡します。紙などに描かれているもので問題ありません。番組のエンドロールで衣装協力欄という箇所があり、そこに掲載するために使用されます。

まとめ

芸能人のスタイリストになるには、スタイリスト事務所に就職する方法が一般的です。高卒でも就職できますが、服飾系の大学や専門学校に進学して知識を身に付ければ有利になります。就職後は経験を積み、専属スタイリストを目指すという具合です。

ほかに、すでに独立しているスタイリストのアシスタントになって、経験を積む方法もあります。

資格は必須ではありませんが、色彩検定やカラーコーディネーター検定などを取得しておくのがおすすめです。ハードな仕事であるため、知識や技術だけでなく体力面・精神面両方のタフさも身に付けておきましょう。