スポーツ番組のADのお仕事を徹底解剖!仕事内容・必要スキル・働き方・やりがい・大変さをまとめて解説!

ミラノ・コルティナ2026でスポーツ中継に注目が集まる今、その裏側で動く制作現場とは?本記事では、スポーツ番組でADを務めた経験者が、仕事内容や1週間の流れ、必要スキル、やりがいと大変さまでリアルに解説します。生放送ならではの緊張感や現場の動きも具体的に紹介します。


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ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックが開催され、連日スポーツの話題がテレビやSNSを賑わせていますね✨
普段はドラマやバラエティ番組を中心に視聴している方も、この時期は思わずスポーツ中継に見入っている、という方も多いのではないでしょうか。

実は、こうした大型スポーツイベントの裏側では、多くのテレビスタッフが番組制作に携わっています。今回は、実際にスポーツ番組でADを務めていた筆者の経験をもとに、スポーツ番組制作の現場について解説していこうと思います!

スポーツ番組にも種類がある

テレビの中で「スポーツ」をメインに扱っている番組のことはスポーツ番組と呼ばれ、その中でもいくつか種類があります。

中継番組

行われている試合や大会を、実況や解説とともに生放送または録画放送してお届けする番組オリンピック、プロ野球の試合、陸上の世界選手権、バレーの国際大会、水泳の世界選手権などがイメージしやすいかと思います。

スポーツニュース番組

その日にあったスポーツの話題や試合結果などを、ハイライトのような形で放送する番組タレントやアナウンサーが試合が行われている現地へ取材に行ったり、番組独自の元アスリートの解説タレントを呼んで、解説コーナーを作っている番組もあります。
例としては、日本テレビ「Going! Sports&News」フジテレビ「すぽると!」などがイメージしやすいかと思います。

情報番組や報道番組のスポーツコーナー

その日(または前日)のスポーツニュースを、毎日いろんな時間帯で生放送している情報番組や報道番組の中で、視聴者のみなさんに伝えることをメインにしています。
報道ニュースやエンタメ情報などと同じように、ニュースの1つとしてお伝えするイメージです。番組の例としては、日本テレビ「ZIP!」TBS「THE TIME」フジテレビ「めざましテレビ」、フジテレビ「イット!」テレビ朝日「スーパーJチャンネル」テレビ朝日「報道ステーション」日本テレビ「news zero」などです。

スポーツドキュメンタリー番組

選手への長期密着などを行ったり、スポーツ選手の裏側をお伝えする番組。
番組例としては、TBS「バース・デイ」などがイメージしやすいと思います。

 スポーツバラエティ番組

バラエティ番組と同様に、スタジオに選手を呼んでタレントと一緒にトークやゲームで盛り上がったり、外の競技場やスポーツ施設へロケに行って、タレントと選手でゲームを行ったりします。
イメージしやすいのは、フジテレビ「ジャンクSPORTS」テレビ朝日「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」などだと思います。

さらに詳しくスポーツ関連番組の違いや中継番組の仕事内容を知りたい方は是非、下記の記事をご覧ください。
★Check!!➡スポーツ番組のあれこれ!仕事内容やバラエティ番組との違いは?

スポーツADの1週間

筆者は、先程挙げた番組の種類のうち、情報番組や報道番組のスポーツコーナーに所属していました。情報番組・報道番組そして中継番組とスポーツニュース番組に共通していることそれは、基本的に生放送の番組であるということです。
そのため、生放送が行われる曜日に向けて1週間準備していくイメージになります。
もちろん、事前に決まっている企画など1週間よりも前に準備できることがあれば適宜進めていきますが、スポーツニュースは、当日や前日の夜に行われる試合の結果によって放送内容や尺(VTRの放送予定時間)がとても左右されるので、事前準備ができることも限られているのも、また事実です。そんな中で、ここからは1週間何をするのか?ということを説明していきます!

放送日の5日前〜3日前

生放送の日に向かって1週間動いていくので、
前の週の放送→お休み2日間→通常出勤4日間→生放送というのが、筆者のサイクルでした!
なので、休み明けの放送日から5日前が週のスタート!という感じでした。
平日など毎日放送がある番組の場合は、曜日ごとで担当班が分かれていることが多いです。そのため、担当の曜日によって、1週間のサイクルが決まることになります。
まずやることとしては、その週の放送内容を話し合う番組の全体会議です。
この会議を経て、放送する競技の候補や大体の放送予定尺(これくらいの時間配分で放送していきましょうという目安です)がざっくりと決まります。

【素材集め】

会議でやる種目が決まったら、素材集めをします。
素材集めとは、放送予定の試合(選手)をお伝えする上で「この選手はこういった活躍をしていました」という活躍を紹介する際に使用する「過去の映像や写真」などを集めて、担当のディレクターに渡せるようにすることです。
筆者がいた番組では、大谷翔平選手の活躍をお伝えすることがあったので、ディレクターの要望に合わせて、その週の試合の映像や過去の映像、同じ局のスポーツニュースで使用した映像を集めてました。
映像を集める方法としては、テレビ局のシステムを利用して、調べたり映像のチェックをしてました。(集め方は局や番組によって異なると思います。)
情報収集のために、他の番組や局でやっているスポーツニュースもチェックしていました。チェックの対象としては、その週の月曜〜放送日前日の深夜にやっているスポーツニュースをやっている番組が多かったです。

【素材の利用申請】
映像を使用するということは、もちろん、使用する許可や使用にあたっての注意事項の把握が必要になってきます。
競技にかかわらず「〇〇年□月△日に行われた@@対@@の試合を使用したいです。」などいつのなんの試合(場合によってはどの場面)を使用したいのかを明確にして、局のスポーツ担当者へ確認していました。局の担当の方がOKと言えば使える映像もありましたし、それぞれの許諾元に承認をえなければ使用できない映像もありました。
確認を経て使用可能な素材なのか、どういった注意事項があるのかを把握しディレクターやプロデューサーと相談しながら進めていきます。

他ジャンルの番組でもそうだと思いますが、WordやExcelで資料を作成したり、確認することが多いので、基本的な使い方(文字入力やフォント調整、セルの動かし方など)はADになる前から慣れておいた方がいいです。

放送前日に行われる国際大会などの場合、深夜に試合が行われることもあるため、他のVTRを編集所で進めながら、試合経過をチェックしつつ、試合映像を入手していきます。
入手方法は大会によって異なるため、事前に確認が必須です。
もちろん許諾も事前に得るということになります。(放送予定内容に含まれている
前日にやる試合は基本事前確認してました。)先方に許諾の確認をする際は、メールや電話でがほとんどなので、SNS以外でやり取りする事への抵抗感はなくしておいた方が良いです。
どんな映像であってもお借りして使用している映像であるということを忘れないように!という事を心がけて作業していました。地味な作業ですが、スゴく重要な業務です。素敵な映像だからこそ、使用したいし、また使ってもいいよ!と言ってもらえるように注意事項は厳守するということです。

【ロケ】

比較的作業に余裕がある曜日は、ロケに行くこともありました!
種目にかかわらず、選手の方へインタビューしに行ったりすることが多かったです。
泊まり込みなどはあまりなく、日帰りで行ける距離と時間でロケを実施することが多かったです。ロケのボリュームは番組の方針にもよると思います。ADは絶対ロケに行くんだというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかと思いますが、実は同行しないこともあります。同行しない理由は、予算であったり、人数制限であったり、ロケの内容によって異なります。ですが、同行しようがしまいが、準備や片付けはADが行います。事前に使用する機材を発注したり、カンペなどの備品確認をしたり、資料の印刷や準備、撮影した素材のコピーなどをします。
ロケに同行する場合は、ロケ先に着いたら機材のセッティングをしたり、ディレクターに確認しながら必要なものを準備します。インタビューやロケが始まったら、自分でカメラの画角をチェックしながら、面白かったら素直に笑うことを大事にしてました。
あるディレクターから、誰かが笑顔で話を聞いてるということが、選手やタレントさんがロケしやすくなる大事な要素だと教えてもらい、筆者もロケに行く時は大事にしていました。あとは、せっかく参加しているので、ロケの中で誰がどんな話をしていたかメモしたり、覚えておくと、後々の作業(映像の内容確認、素材集め)がしやすくなったりします。
ロケで撮影したインタビューを元に、ディレクターが使用したい素材を掲示するので、要望に合わせて、放送に向けて準備を進めていきます。

放送日の前日〜生放送直前まで

いよいよ前日になるとざっくりと決まっていた放送内容が、生放送に向けてより具体化されていきます。
放送前日に行われる試合の結果によって放送内容が決まっていくので、その日の中で放送内容の変更が多かったり、随時行われていく試合の経過もチェックしながら他の作業を進める形になります。夜に行われる試合を次の日の放送で扱うことが多いので、前日〜生放送にかけては、ずっと仕事をしている形になります。1週間の中で最もハードな日ということになります。
ADだけでなくディレクターやプロデューサー含め、制作している班として、密なコミュニケーションと確認作業をすることが大事になります。
そして、【素材出し】【素材の許諾確認】もしつつ、生放送に向けて編集準備も進めていきます。

【モニターに出す素材探し】

情報番組や報道番組では、MCとなるタレントやアナウンサーの横に大きなモニターが設置され、解説する情報やこれから何をお伝えするのか説明する際に、写真や図、映像などが映し出されます。
このモニターに表示する写真を探し、モニター用に発注するのもADの仕事になります。
何を映し出すかは放送内容と共に放送前日に決定することが多かったです。
番組で使用可能なフォトエージェンシー(アフロなど)から写真を探して、ディレクターのチェックを受けたのち発注へ移ります。発注後に仕上がったモニター用の画面をチェックし、再度ディレクターへ確認します。放送上では大きく映し出される画面のため、大事な発注作業になります。

【編集所】
通称:箱(はこ)と言われる編集所。
まず、テロップの原稿とディレクターが編集した映像、そして原稿を準備します。
実際に放送できる状態にするため、ディレクターの編集が完了している映像から、VTR内にテロップを入れてもらったり、映像の音を整えたり新しくつけてもらう作業をしてもらいます。VTRを作っていく裏で、同時に原稿とテロップ原稿の情報チェックしていきます。完成したVTRを1個1個チェックもしますが、完成する前にミスを正し、いかに放送までVTRのクオリティー高く仕上げるかということも重要です。
スポーツニュースとしてお届けする以上は、表記や情報を含め誤ったものを絶対放送しないように担当ディレクターはもちろんのこと、みんなで情報が正しいかを確認作業をしています。国際試合など深夜に終わったばかりの試合映像を数時間後には放送できる状態にするので、編集所では全員がノンストップで様々な作業をしています。

生放送

【下読み】

アナウンサーやタレントの方に、VTRに合わせて生でナレーションを読んでもらう場合、事前にアナウンサーの方とVTRに合わせて原稿の読み合わせをします。ここでは最終チェックも兼ねているため、既に完成しているVTRでも時間が許す限りより良いものへ修正していきます。

【生放送】
いよいよ、1週間またはそれ以上の時間をかけて準備してきたVTRや情報を世の中に放つ時がやってきます。編集所で作ってもらい完成したVTRは、サブと言われるスタジオに隣接した場所に届けることで、テレビでVTRが流れるようになります。そして、サブにVTRを届けることを搬入と言います。
搬入が完了すれば、制作した映像は無事に流れる訳ですが、素材となる映像がギリギリに到着した場合などは、編集もギリギリになるので、搬入する時間が放送時間の5分前になってしまう、なんてこともありました。生放送ならでは、スポーツニュースならではの出来事だったと思います。
搬入したスポーツニュースVTRは、ナレーションを読んでもらい、出演者のみなさんにリアクションしていただくことで、真の意味で完成します。
すなわち、我々スタッフも放送されることで、真の意味で完成したスポーツニュースのVTRを見ることになるということです。(もちろん情報の確認は放送前に全て行っています)
そのため、実際に放送しているVTRを見ている時は、ものスゴい充実感とVTRが完成したことへの感動や準備してきたことが放送されたという達成感を感じます。
そして、無事に放送が終了した時の安心感は計り知れません。
放送を終えた後は、編集所や使用したシステムの片付けを済ませ、翌週へ向けた資料作成などを経て、1週間が終わることになります。

まとめ

今回は、「スポーツのADの仕事」についてご紹介してきましたがいかがでしたか?
スポーツニュースに携わるには、色んなスポーツの知識がないと難しいのではないかと不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、スポーツや選手を好きという気持ち・応援したいという気持ちがあれば、全然問題ないと思います。
知らない競技についての知識は、実際に携わるようになってからも勉強したり調べることで知ることができます。なので、事前に知っておいて損な事はないですが、ADになる前は興味があったら調べる程度で大丈夫です!
スポーツは性別や年齢、国籍を問わずみんなが楽しんだり熱狂することができるジャンルです。
スポーツの面白さや選手の魅力をより多くの人へ分かりやすく、楽しくお伝えするのがスポーツニュースを扱う番組だと思います。
みなさんも少しでも興味があるスポーツに出会ったら、ニュースでも試合でもいいので見てみてください!
また、そういった番組制作に興味があるという方は、是非挑戦してみてください!

今回は、ADの仕事内容についてご紹介しましたが、AD以外にもスポーツの番組に携わっている方々はたくさんいます。ご興味がある方は、是非下記の記事もご覧ください。

★Check!!➡スポーツ番組のアシスタントプロデューサー(AP)・デスクのお仕事内容を解説!