テレビ局が推進するSDGs週間とは?放送を通じた社会貢献の今

近年私たちの日常に根付くようになったSDGs。 テレビ各局でも「SDGsウィーク」と題して特集が組まれたり特番が放送されるようになりました。 そもそもSDGsとはどういう意味なのでしょうか?そしてなぜテレビ局は特集や特番...


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近年私たちの日常に根付くようになったSDGs
テレビ各局でも
「SDGsウィーク」と題して特集が組まれたり特番が放送されるようになりました。
そもそもSDGsとはどういう意味なのでしょうか?そしてなぜテレビ局は特集や特番といった取り組みを行っているのでしょうか?
今回は、SDGsやSDGs週間の概要、そしてどんな番組があるのかをご紹介していきます!

SDGsとは?

SDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、「持続可能な開発目標」という意味です。
2015年9月に開催された国連サミットで「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標」が国連加盟国の全会一致で採択されました。
17のゴール(国際目標)と169のターゲット(達成基準)から構成されており、地球上の誰一人取り残さない(leave no one behind)ことを誓った発展途上国・先進国が共に行うユニバーサルな取り組みで、日本も積極的に取り組んでいます。

17のゴールは以下の通りです。

1.貧困をなくそう

2.飢餓をゼロに

3.すべての人に健康と福祉を

4.質の高い教育をみんなに

5.ジェンダー平等を実現しよう

6.安全な水とトイレを世界中に

7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに

8.働きがいも経済成長も

9.産業と技術革新の基盤をつくろう

10.人や国の不平等をなくそう

11.住み続けられるまちづくりを

12.つくる責任 つかう責任

13.気候変動に具体的な対策を

14.海の豊かさを守ろう

15.陸の豊かさも守ろう

16.平和と公平を全ての人に

17.パートナーシップで目標を達成しよう

この17のゴールそれぞれに約10個ほどのターゲットが定められており、合計169個あることから169のターゲットと言われています。

SDGs週間とは?

9月25日に国連サミットでSDGsが採択されたことに際し、25日(GLOBAL GOALS DAY)を含む毎年9月末の約1週間を「SDGs週間(GLOBAL GOALS WEEK)」と称して活動推進・目標達成への意識向上のためのSDGsに関するイベントや活動が世界中で開催されています。
日本でも「SDGsウィーク」と題して各テレビ局やメディアが特集や特番を行っています。

なぜ各テレビ局やメディアで多くの特集や特番が組まれているのか?

各テレビ局やメディアがSDGsに力を入れている理由の1つに「SDGsメディアコンパクト」があります。
「SDGsメディアコンパクト」とは、世界中の報道機関やエンタメ企業に対し“その資源と創造的才能をSDGs達成のために活用するよう促すこと”を目的として2018年9月に設立されたものです。
SDGsに関する情報提供のため、民放・地方の各テレビ局や新聞社など多くのメディアが「SDGsメディアコンパクト」に加盟しています。
メディアコンパクトに加盟する各報道機関は、それぞれの価値観や方針に基づき独自に情報提供の方法を定めることができます。そのため各テレビ局もそれぞれの取り組み方でSDGsやサステナビリティ活動に関する特集企画や特番を放送しています。

※サステナビリティとは?
サステナビリティとは「持続可能性」という意味で、環境・社会・経済の3つの観点から「地球環境を破壊せず、資源を使い過ぎず、良好な経済活動を維持し続ける」ことを指します。SDGsが2030年までに達成すべき世界的な目標であるのに対し、サステナビリティ活動は定められた期限のない長期的な取り組みになります。

各テレビ局の取り組み

各テレビ局がSDGsに関するどのような取り組みを行っているのかを紹介していきます。

TBS

TBSグループ(TBSテレビTBSラジオBS-TBS)では、SDGs啓発プロジェクトとして2020年から『地球を笑顔にするWEEK』を開催しています。2021年からは春と秋に分けて年2回行われています。
タレントやお笑い芸人、17のゴールに合わせて17人のアナウンサーをキャンペーン大使に起用して、SDGsに対する想いを伝えたり、各番組やYouTube、TVerなどの動画でSDGs情報やサステナビリティ活動などを紹介しています。また、『地球を笑顔にする広場』と題して赤坂サカス広場などでのイベントも行っています。
なお、日本の民放テレビ局でSDGsに関するプロジェクトを行ったのはTBSが初となります。

日本テレビ

日テレでは毎年5月下旬~6月上旬にかけて「Good For the Planet ウィーク」通称「#グップラ」と題して、“地球のため、未来のために持続可能な取り組み=「グップラ」なことを提案し、視聴者の皆さんとともに「地球のため、未来のため、より良い暮らしのために今できること」を考えていくキャンペーン”を行っています。
17のゴールを中心とした環境問題や貧困、ジェンダーなどをテーマに、情報・バラエティーなど「オール日テレ系番組」でキャンペーンに取り組んでいます。また、SNS企画として恩送りエピソードを募集する「しあわせバトン」を行ったり、企画を盛り上げる「グップラデジタルサポーター」として2024年はガールズグループ・ME:Iを起用するなど、SNS活動にも力を入れています。

テレビ朝日

テレ朝では毎年2月中旬~3月上旬の10日間と、9月中旬~下旬の8日間の春と秋に分けて「未来をここからプロジェクト×SDGs」ウィークを開催しています。
テレ朝の全報道情報番組が参画し、気候変動やエネルギー危機など地球レベルの大問題を掘り下げながら、SDGsに関する企画や特集を発信しています。
他局と比べると、バラエティーよりも報道番組を中心に地球環境やエネルギー問題に関するテーマを多く取り扱っています。

フジテレビ

フジテレビはBSフジ、ニッポン放送による3波連合SDGs推進プロジェクトとして2021年1月から「楽しくアクション!SDGs」をスタート。2024年4月からはフジ・メディア・ホールディングスの各社と連携しながら、“SDGsが掲げる目標について視聴者・リスナーと一緒に学び、考え、実践していくことを目指す”プロジェクトを推進しています。
各報道番組でSDGsについて情報発信する他、「サスティな!」「フューチャーランナーズ~17の未来~」などSDGs専門番組が放送されています。
また、フジテレビのサステナビリティとしてアナウンサーによる出前授業「あなせん」や「デジタル紙芝居」、被災地支援活動プロジェクト、清掃活動や植物の種まきを行う環境プロジェクトなど、1年を通してさまざまな取り組みを行っています。

NHK

NHKでは2021年1月よりSDGs啓発キャンペーンプロジェクト「未来へ17action」を開始。
放送やイベントを通じて“17の持続可能な開発目標を「知ってもらい」、テー マの大切さに「気づいてもらい」、そして何か「行動を起こす」きっかけになる”ことを目指し、番組 やデジタルサービスを連動させて展開していきました。
朝ドラ『おかえりモネ』と連携し、17のゴールの中の「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」を考える切り口にしたり、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の撮影セットにSDGsに繋がる工夫を施すなど、ドラマとSDGsを結びつけての取り組みも行っています。
さらに、NHKは国連とメディアの共同キャンペーン「1.5℃の約束 – いますぐ動こう、気温上昇を止めるために。」にも参加、民放6局と連動してスペシャル番組の放送や動画制作などの取り組みも展開しました。

まとめ

今回は、SDGsの内容と各テレビ局のSDGsに関する取り組みについてご紹介しましたがいかがでしたでしょうか?各局それぞれの特色を活かした番組制作やイベントが企画されていることがわかりました!ぜひ今後の各局のSDGsウィークもチェックしてみてください!