再現ドラマってどうやって制作してるの?
みなさんは再現VTRはどうやって制作しているのか知っていますか?
バラエティ番組の中で、度々見かけるかと思いますが、「ドラマ」と名がつくように、ミニドラマを作るようなもので、その制作にはすごく手間と時間がかかります。
ドラマ業界では、分業制になっているため、制作部と演出部が分かれており、さらに演出部の中でも助監督では、サードやセカンドと小道具やエキストラなど担当が細かく分かれています。
ADと助監督のお仕事の違いについては、下記の記事も参考にしてみて下さい!
★check!!➡意外と知らない人が多い!ドラマの助監督とテレビのADって何が違うの?
しかし、バラエティの現場では、その全てをADさんが担当することになります。
今回は、再現VTRの制作過程を紹介していきたいと思います!
ロケ場所を仕込む
再現VTRの舞台でも、家をメインにしたハウススタジオで撮影したり、バーで撮影したりなど、様々なシチュエーションがあります。
仕込む時は、ハウススタジオのサイトから良い場所を選ぶか実際の店舗に貸してもらえるようお願いするかになります。実際に営業もしている店舗を貸し切る際は、営業時間前に対応していただいてる場合もあるので、ロケが押さないように時間に気をつけ、ディレクターに残り時間を都度伝えるようにしましょう。
ロケ場所が商店街や公園など場合には、撮影の申請に時間がかかる場合もあるので、事前に申請に必要な日数も確認しておきましょう。
また、外での撮影では、その地域の管轄の警察署に道路使用申請をする必要もあります。
申請に必要な書類も多いのでしっかり準備をしてから申請しましょう。
また、演者が着替えるスペースや待機するスペース、メイクをするスペースを確保するのも忘れないようにしましょう。
スタジオを選ぶ時は、撮影する場所だけでなく演者周りのケアも考慮しながら選ぶ必要があります。
演者やエキストラがたくさんいる場合、ロケバスを稼働させることがありますが、その際はスタジオの駐車場や近隣の駐車場についても事前にリサーチしておきましょう。
ネット上で見ただけでロケ場所を確定してしまうと、実際に現場に行った時に思ったより汚かったり、写真と実物が全然違うということが稀にあります。
また、サイトに記入してある住所を訪れてみると空き地だったり、住所をバレるのを防ぐために大まかな住所しか書いてないスタジオもあるので、どこにあるか把握するという意味でもロケハンは大事です。
ハウススタジオの中にも、事務所のセット、子供部屋のセット、学校のセットなど複数の種類のセットが一つの建物になっている場所もあるので、色んなシチュエーションの撮影をする際は、経費と時間削減のためにおすすめです。
撤収する際に、現状復帰をしっかりし、ゴミ捨てのルールも確認するようにしましょう。
こういった再現ロケのスタジオは種類がたくさんありますが、同じ会社が運営していることが多いので番組の印象を悪くしないように気をつけましょう。仲良くなっていれば、スタジオの料金を値切ることもできるかもしれません。実際に電話で場所を仕込む際に、前回と同じ担当者の人だったため覚えてくれていたので少し安くしてくれたこともありました。
演者、エキストラを仕込む
タレントの再現VTRを作成するときは、タレント役の演者を仕込む必要があります。
モデル事務所からスケジュールの空いてる人の候補を何人かもらってその中から選ぶことが多いです。ディレクターや総合演出の好みで、出来るだけ似てる人を選ぶのか、それとも顔が可愛い、かっこいい人を選ぶのか変わってきます。
エキストラに関しては、同じくモデル事務所からスケジュールの空いている人を集めるか、その場にいるADが担当します。時には、エキストラ会社に発注をかけることもあります。
演者やエキストラは、再現の場合顔が似ているということも大事になってきますが演技力も重要になります。
モデルしか経験がない方もいるので、どれだけかっこ良くても演技が見てられない方もいらっしゃる場合があり、事前に候補者のオーディションも行った方が良いと思います。
日程が合わない場合でも、演技をしている動画を送ってもらうなど演技力はロケ前に確認しておいた方が良いです。
ロケスケジュールを作成する
再現ロケでは、通常のロケよりもスケジュール管理が大切になってきます。
演者によってはケツがある人もいるので考慮しながら作成する必要があります。複数のシーンを撮影する場合は、どのシーンに誰が必要かを考え、出来るだけ演者に待ち時間を与えないようにスケジュールを組みましょう。
衣装チェンジやメイクをする場合も、メイクさんと相談し、どれくらい時間が必要か入念に打ち合わせをしましょう。
また、ディレクターともどのカットにどれくらいの時間がかかるのかを打ち合わせしておきましょう。バラエティ担当の新人ディレクターの場合、1カットにかなり時間をかけてしまう人もいるので、ADがタイムキーパーとなってなるべく押さないように声をかけてあげましょう。
台本を用意する
企画趣旨が書かれた資料、ディレクターが書いた構成、ロケスケジュール、カット割、演者の顔写真と役名が書かれた資料を用意します。演者に渡す資料は、もし企画のネタバレなどが構成に書いてあれば隠したものを別で用意しましょう。演者が現場入りしたらすぐに台本を渡して構成に目を通してもらいましょう。
小道具、衣装を用意する
基本的に美術に発注しますが、ロケ場所の汚しなどは事前に購入したり用意する必要があります。
また、エキストラをたくさん呼ぶ現場の時は、美術で発注した衣装だけではまかなえない場合があるのでADが私物の服を貸し出す場合もあります。
サングラスやバッグなどの小物は、リアル感を出すためにも持参した方が喜ばれます。
メインの演者には、美術の衣装を発注する際にサイズ表を提出する必要があることが多いので、身長や服のサイズ、靴のサイズを事前に聞くのを忘れないようにしましょう。
現場に同行するメイクさんが必要であれば発注し、どんなメイクをして欲しいか、カツラを被る場合はどんなカツラを着用する予定か、タレントの再現であれば再現したい時期のタレントの画像などを送りましょう。
まとめ
再現ロケは、普通のロケ以上に準備に手間がかかります。
準備を念入りに行わなければ、演者やカメラマンを待たせてしまうことになるので、気をつけましょう。カメラマンとディレクターの連携も大事になってくるので、ディレクターからカメラマンの名前を聞かれることも多くあります。すぐに答えられるように現場にいる人の名前は覚えておくようにしましょう。バラエティを担当していても、ドラマで使うようなカメラをみることができたりドラマの撮影現場のような雰囲気なので、貴重な体験ができるのは魅力です!