制作会社は港区に集中している
港区にはキー局(日本テレビ=汐留、テレビ朝日=六本木、TBS=赤坂、テレビ東京=六本木、フジテレビ=台場)が集中しています。そのため、テレビ局から制作業務を委託される制作会社も自ずと港区周辺に集まっているのです。ADのお仕事の面で考えても、会議や収録、ロケの準備等、テレビ局に行く機会は多く、アクセス面からも利便性が高いと言えます。
制作会社のオフィスってどんなの?
制作会社には、局の子会社もあれば、ディレクターが独立して立ち上げた小さな会社もあり、大中小様々な規模があります。マンションの一室のような小さな部屋で行っているところもあれば、何フロアもある大きな会社もあります。
小さな会社の場合だと、同じ空間の中に違う番組の人がいるだけでなく、総務や経理、社長も同じ空間で仕事をしています。
基本的にデスクは同じ番組の人同士で固まって仕事をしていますが、近い距離に他番組の人もいるため、番組を超えて情報交換ができたり、同じ取材先だとすれば、連絡先を共有することができます。
今回はそんな制作会社のオフィスとはどんな感じなのかを元ADの目線から紹介していきたいと思います。
大量のロケ備品
ロケ用に小道具や備品をたくさん準備し会社に持って帰ってくるため、ロケや収録で使用したんだろうな…
というものが大量にあります。再現などの汚し(生活感を出すために、部屋を飾ったり壁に年数を感じさせたりする行為)で使用したであろう観葉植物や、小道具で使ったであろうランドセル、リュック、学生靴など種類はさまざまです。
また、ロケ期間中などは忙しいため整理する時間がなく、いろんなところに物が散りばめられていきます。
野球のバットやサッカーボールなど遊び道具もたくさんあるので、たまに休憩中の息抜きとして外で遊んでいる人もいました。(笑)
しばらく時間が経って落ち着いた頃に断捨離が行われます。この断捨離に参加すると、思いがけない収穫があるかもしれないので、ロケ備品の中で欲しいものがあれば積極的に断捨離に参加するとお得です!
小さい制作会社だと、他番組とのロケ備品の貸し借りがよくあります。一言声をかけてから貸し借りをすることを徹底しないと、番組同士で揉めてしまうので気をつけましょう。
個性豊かなデスク
趣味が多いADや推しのいるADはデスクに個性が現れることが多いです。
例えば、アニメのフィギュアを置いていたり、推しの写真を飾っていたり、ぬいぐるみを置いていたりと、それぞれ好きなようにデスクをアレンジしています。
中には、大量のカップ麺をストックしていたり、引き出しに大量のお菓子を忍ばせていたりと、小腹が空いた時の対策として食べ物をデスクに置いている人は多いです。地方ロケで買ってきたご当地ぬいぐるみを飾っている人もいます。
ペン立てにハサミやホッチキスを剥き出しにしておいておくと、高確率でいつの間にか誰かに借りられたまま忘れられてしまったりということが起こるので気をつけましょう。
私はADを始めてからハサミを3本、ホッチキスを2個紛失しました。(笑)
おそらく皆悪気はないのですが、急いでロケの準備をしている際にロケグッズに入れたあと、そのまま返すのを忘れ、持ったままという状況だと思います。文房具の取り扱いには注意しましょう。
ADのデスクの他に、ディレクター専用のオフライン用パソコンがあります。編集ソフトが入っているデスクトップに、長時間の作業になるので、作業がやりやすいようにフカフカの良い椅子が用意されていたりします。
紙資料を大量に放置し、隣の席に雪崩れを起こしている場面もたくさんあります。会議資料や収録資料などは定期的に処分しましょう。また、処分する際は、機密情報でもあるので会社でまとめて局内にある指定の場所(溶解BOX)に持っていきます。書類を溜めすぎていると先輩方に圧をかけられるので新人ADのうちは会社内のゴミも定期的にチェックしておく必要があります。
近年、ADとしてテレビ局で作業するスタッフは、固定のデスクではなく、フリーアドレス制になっていることが多く、自分の作業用具などを置いておけないため、制作会社ならではの光景かもしれません。
冷蔵庫
ロケや収録で使用する食材がたくさん入っています。
定期的に掃除をしないとどんどん食べ物が増えていって冷蔵庫が閉まらなくなるので、他番組のADに怒られないように必要無くなったものはどんどん消費していきましょう。
収録やロケの余った食料を持って帰れることも多々あるので、冷蔵庫整理を積極的に行うことで食費を浮かすこともできるかもしれません。
食べ物を取り扱う番組の場合、収録直前になると冷蔵庫に入り切らなくなるため局内にある消え物室という場所の大きい冷蔵庫を予約する場合もあります。
個人的にアイスや飲み物を冷やす際は、名前を書いておかないと知らぬ間に食べられていることがあるので要注意です。私も、アイスを冷凍庫に保管しておき、疲れたタイミングで食べようとワクワクしていたのに気づけば誰かに食べられていることがたくさんあったので気をつけましょう。(笑)
制作会社内で食べ物のインサート撮影をする場合もあるため、簡易的なキッチンがある会社もあります。綺麗な状態にしておかないと、撮影する食品を調理してくれるフーディーさんがきた時に申し訳ない気持ちと恥ずかしい気持ちになります。
簡易ベッド
会社によっては、仮眠をとるための簡易ベットがおいてあります。編集が続き帰れない日に、数時間の仮眠をとることができます。
お風呂に入れていないADが寝ていることが結構多く、ある程度時間が経つとシーツはどんどん処分されていきます。
仮眠のとりかたも人それぞれのため、椅子を2個使って椅子ベットを作る人もいれば、机に突っ伏して寝る人もいれば、地べたに寝転んでいる人もいます。
働き方や時間は番組によって様々なため、基本出社すると誰か1人は寝ていることが多いです。
まとめ
局内のフリーアドレスの席と違い、制作会社の席は個性が出てきます。ロケ前になると物が増えすぎて極端に散らかったり、普段から整頓されていなかったり、常に綺麗な状態のデスクをキープしている人もいたり…自分の好きなように使用できるという面では良いですね。最近はオシャレな内観、カフェのようなBGMの流れるオフィスなども見受けられ、制作会社のオフィスも洗練されていっています!