ソニーピクチャーズが制作している『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』がいまNetflixで大人気!韓国カルチャーとアニメーションの融合という新鮮な切り口は、若い世代を中心に爆発的な話題を呼び、いまやグローバルな現象に。
ということで今回は、作品の魅力やヒットの秘密、そしてソニーピクチャーズをはじめとしたいくつかのアニメ映画制作会社の今をご紹介します!
ソニーピクチャーズの『K-POPガールズ』って何?
Netflixで配信されているア二メーション映画『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』。デーモンの脅威から人々を守るため、音楽で対抗しようとするガールズアイドルグループ「Huntr/x(ハントリックス)」と、デーモンの手先のボーイズアイドルグループ「Saja Boys」との熾烈な戦いを描いたヒーローアクションものです。物語の中心となるのは、ルミ、ミラ、ゾーイの3人からなるガールズグループ「Huntr/x(ハントリックス)」。物語の鍵を握るのは、ハントリックスのリーダーであるルミが抱える秘密とその苦悩。物語がわかりやすく、幅広い世代で楽しめる映画です。
劇中歌『Golden』が大ヒット!
そしてさらに大きな要因は劇中歌『Golden』。映画のヒットについて、大衆音楽評論家のイム・ヒユン氏は「映画の興行のおかげでもあるが、『Golden』が持つ曲自体の力が強力だ。明るいメロディーに人を引き付ける力があり、一緒に歌いたくなる」として「サブリナ・カーペンターやビリー・アイリッシュの歌がヒットした昨年の夏とは異なり、今年は強力なサマーソングが出なかった。これもまた『Golden』が上がってくるのに一役買った」と分析。
実際に『Golden』を歌ったのはSMエンターテインメントの練習生出身の作曲家EJAE、歌手のオードリー・ヌナ、レイ・アミ。この3人はいずれも韓国系米国人。
Netflix『K-POPガールズ! デーモン・ハンターズ』オリジナル・サウンドトラック『Golden』は米国ビルボード「ホット100」の首位を飾り、作曲家兼歌唱者のEJAE(イジェ、33)が自身のインスタグラムのストーリー機能で「I have no words…Just tears.Thank you to everyone for the love(言葉がない。ただ涙が出るばかり。愛してくださったすべての方に感謝する」と述べました。『Golden』は英国でもオフィシャルシングルトップ100最新チャートの首位を飾り、米国と英国を代表するチャートでトップを占め、世界的な人気を立証しました。
ではここで、『K-POPガールズ』を作ったソニーピクチャーズについてどんな会社なのか覗いてみましょう。また、ソニー以外にも様々なアニメ映画の会社がありますから、それぞれの特徴とともにみてみましょう。
ソニーピクチャーズ
ソニー・ピクチャーズはアニメ事業に力を入れており、代表的なアニメ作品としては『スパイダーマン:スパイダーバース』や『大雪海のカイナ』があります。また、アニメファンのための究極のサービスを提供することを目指しており、その一環として2021年にCrunchyroll(クランチロール)というアメリカ合衆国の定額制ビデオ・オン・デマンドのストリーミングサービスを買収。以前に買収したFunimation(ファニメーション)と統合することで、サービスの拡大と発展を図っています。
クランチロールが手がけているのはストリーミング(映像配信)だけではなく、Eコマース、ゲーム、グッズ展開、音楽、マンガ、劇場での展開など、アニメファンのためにあらゆる事業を展開しています。
ピクサー・アニメーション・スタジオ
『トイストーリー』をはじめとしてアニメ事業全体を盛り上げているのがピクサー・アニメーション・スタジオ。『モンスターズ・インク』や 『ファインディング・ニモ』、『Mr.インクレディブル』、『カーズ』、『インサイド・ヘッド』など、誰もが知る名作を多数制作しています。ピクサー最高執行責任者であるジョン・ラセターは、ピクサーの強みの秘密について、外部からの持ち込み企画ではなく、スタッフが自分でやりたい企画を考え、それを自ら監督する点を挙げている。外部や重役のいうことを聞くのではなくスタッフ同士が意見を出し合い制作するという。
最新作『星つなぎのエリオ』は現在映画館にて上映中。
ジブリ
知らない人はいないといっても過言ではないほど、日本で浸透しているアニメスタジオと言えばジブリです。スタジオジブリのはじまりは、『風の谷のナウシカ』の内容的興行的成功を機に、1985年に「風の谷のナウシカ」を製作した出版社・徳間書店が中心となり設立したアニメーション・スタジオです。
ジブリについては、作品のクオリティを追求するという根幹が高く評価されています。作品についてはどれもメッセージ性が強く、しかも映画としては「情報量」が非常に多いため、何度も同じ作品をリピートする人が多いです。一度見ただけでは全てを理解できない奥深さがリピーターを作っています。
また、宣伝については『ハウルの動く城』『君たちはどう生きるか』で“宣伝をしない宣伝”が話題を呼びました。一切情報を出さないわけではなく、情報を出し惜しみして興味をそそるのです。
京都アニメーション
「涼宮ハルヒの憂鬱」や「けいおん!」で有名な京都アニメーション。登場人物の足や髪の毛の動き1つ1つに、細かな表現が施されています。丁寧でクオリティの高い作画とアニメーションが評価されています。テレビアニメ「日常」でも、踊りやスキップなどの細かい動作の描き方が話題となりました。また、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は戦時中に兵士として育てられ、愛を知らずにいた少女ヴァイオレット・エヴァーガーデンが、「自動手記人形」と呼ばれる手紙の代筆業を通じて、さまざまな愛のかたちを知っていく姿を描く物語。その映像の美しさが多くのファンを呼んでいます。
まとめ
今回ご紹介したのは、ジブリやピクサー、ソニーなど、誰もが一度は耳にしたことのある有名なアニメ制作会社でした。ですが、実際には国内外を合わせると本当にたくさんのスタジオがあり、それぞれが個性豊かな作品を生み出しています。
「この作品、どこの会社が手がけたんだろう?」と調べてみると、思わぬつながりや新しい発見があったりして、アニメの見方がもっと面白くなります。たとえば、同じ制作会社が手がけた作品を追いかけていくうちに、新しい“推し”アニメに出会えることも。
就職活動中の方にとっても、好きな作品を入口にして「どんな会社が作っているのか」を知ることは、立派な業界研究になります。アニメ業界は華やかに見える一方で、多くの人の努力や技術が積み重なってできている世界。そうした裏側に目を向けることで、作品への理解や愛着もより深まるはずです。
ぜひこれからも、アニメを楽しみながら「制作会社」という視点でもチェックしてみてください。きっと、新しい学びや気づきが待っているはずです!