立地や規模、スタッフの細やかな気遣いも全ては作品のために…!
あの有名作品にも使用されたハウススタジオに潜入!
今回訪れたのはハウススタジオを多数所有するスタジオ・ピアが運営する『庭の家』『空の家』『Hygge-ヒュッゲ–』。ピアのスタジオがここ最近動画配信サービスが制作する有名作品に多数使用されているというお話を業界内で聞きつけ、早速ウワサのスタジオに潜入してきました!
『庭の家』『空の家』『Hygge-ヒュッゲ–』
【庭の家 入口】

到着してすぐ見つけたのは大きな扉。この大きさなら機材の運搬もほとんど困らないですね。
まさに撮影のためのお家です!
【庭の家】

【空の家】

【Hygge-ヒュッゲ–】

実はこの3つのスタジオは隣り合っていて、近年、ピアさんは新木場周辺にスタジオを増やしているといいます。他にも新木場に5件のスタジオを持っており、数件使いしやすいのもポイントとのこと。
なんだかハウススタジオへのこだわりがたくさん詰まっていそう!ということで、お話を伺いました!
庭の家
【庭の家 リビング】


庭の家はその名の通り、大きな庭があることが特徴。それによって家の中を引きで撮ることができ、スケールの大きい演出が可能になります。また、吹き抜け窓側一面にグリーンバックをカーテンのように覆うことができ、人物を含めた商品撮影なども可能です。
内装は現代的な北欧風のインテリアで統一されており、トレンドの木目調の上品な床や壁が温かみを感じます。しかし、ただおしゃれなだけではありませんでした!窓のサッシは反射しないように木目調になっていて、作品の設定に合わせて美術さんが壁でおおうことで全然違う家のようにして撮影している人もたくさんいるんです!
窓のサッシが木製なのは庭の家のみの仕様です!ぜひ一度使ってみていただきたいですね。
――近年、新木場にスタジオを増やしていると聞いていますが、何か理由があるんでしょうか。
一番のメリットは新木場だと24時間365日撮影ができるという点です。新木場は都市計画法で住宅が禁止されているエリアがあり、夜中でも昼間の照明をたいたり、MVの撮影とかで音を出してもクレームが来ないんです。
都内にももちろんたくさんピアのスタジオがあるんですけど、新木場のスタジオは広くてクレーンでの撮影もできますし、窓ごとグリーンバックでおおってCGにしたり、そういう大規模な撮影はここでしかできないと思います。
【クレーン撮影の搬入路も確保】

一般的なハウススタジオよりも大きい、映画会社が持ってるようなセットが出来上がっているのでかなり充実した撮影が可能になります。
例えば、この前はハイライダーという電線工事に使うような機械を使って外から撮って、という撮影もありました。クレーン車にカメラさんが乗って撮ったりもするのですが、その規模は他のスタジオではなかなか難しいかなと思います。
大規模な撮影だとスタッフさんも100人規模になってきますので、3軒の家をまとめて使えるのは便利だという声をいただいてます。新木場には他にもスタジオがあるので他のスタジオでも数件使いする方がいらっしゃいます。
また、新木場だと各局からのアクセスが良いんですよね。経費削減のために安いけど遠いスタジオを使う時は、道が混んでいたりして遅延したりトラブルも多くなって1日仕事になってしまうこともあります。その点、新木場はかなり近いですし、車両も停められるので安心して使っていただけます。
機材が少ないのであれば、アクセスが良いのでタクシーで来る方も多いです。
――ハウススタジオを作るにあたってこだわっている点はありますか。
新木場周辺のスタジオは全て天井を高くし、フルオープンサッシ、天然木材のフローリングや天然素材のタイルなど資材にもこだわった一軒家です。
【庭の家 テラス】

ここ(庭の家周辺)は海に面しているので高い建物が建ったりするリスクがないので安心ですね。
【庭の家 キッチン】

新木場のスタジオには、サブキッチンを備えたスタジオや、2ヶ所のキッチンを設けたスタジオが存在します。
この造りは、料理関連の撮影において大きな強み。特にフードコーディネーターさんがいる撮影では、下準備と本番用の進行を同時に進められるため、効率的かつスムーズに現場を進行できる点で重宝されています!
また、車両をスタジオ付近に停める際も便利。安いレンタルスペースみたいなところは他社さんでもたくさんあるんですけど、駐車場代とかコミコミで考えると実はお得なんです!
2016年頃から新木場を拠点に、次々と新しいスタジオを展開しています。
木の温もりを感じるナチュラルな空間や、アンティーク家具が映えるデザイン、家庭的な雰囲気のスタジオに、北欧テイストのシンプルモダンな内装など、シーンに合わせて選べるスタジオが揃っています。
そして、お嬢様のお部屋のような部屋も!実際には入り口側がもう少し大きく、カメラを置くスペースがしっかり用意されています。
【庭の家 ベッドルーム】

最近では、新木場で長く愛されてきた「辰巳スタジオ」をリノベーションしました。家具も一新し、より明るく開放感あふれる空間へと生まれ変わりお客様にも好評です!
【辰巳スタジオ】

――どれくらい多くの作品に使われているか知りたいです!
具体的な作品名はどうしても契約上の関係で基本的に公表NGですが、ピア社員からはテレビをつけると1日1回はピアのハウススタジオを発見すると聞きます。それくらいたくさん使われていると思っていただければ。たまにうちのスタジオのCMが連続ででたりして、スタッフだからこその気づきですが、「同じだ!」ってなりますね(笑)
あとは電車の広告とかでもよく見かけます。ただ美術さんがうまく飾ったりしていて、全然違う家みたいになっていて見逃すことも多いんです。
皆さんが日頃目にしている作品にも実はたくさん使われているのですが、契約など諸々の事情で作品名は具体的にここに記載することができないとのこと…
なんとかお名前を出せる作品を…と交渉し、特別に少しだけご紹介いただきました!
■Bayside
東映「映画 ハケンアニメ!」
■Style house ~風の家~
日本テレビ「ただいま!小山内三兄弟」
■辰巳スタジオ
配信「内村さまぁ~ず」
フジテレビ 「突然ですが占ってもいいですか?」
日本テレビ 「ザ!鉄腕!DASH!!」
■複数のスタジオ使用
読売テレビ 「ビートップス」(通販番組)
他にも新木場の家を使った大規模な作品がたくさん!
皆さんが今見ている作品にも使われているかも!?テレビやスマホで作品を見る時、急にピアさんのスタジオがでてくるかもしれません!ご注目ください!
空の家
「空の家」はタワマンの一室をイメージしているそうで、スタイリッシュなイメージでした!リビングからは海が見えるのでまた景色が変わります。
※庭の家の3階部分は“空の家スタジオ”です。庭の家と空の家は中では繋がっておらず、別のスタジオとしての扱いになります。同じ物件ではないのでご注意ください。
【空の家 リビングダイニング】

ベッドルームを覗いていたら、なんとここにもグリーンバックが!徹底的に撮影のために作られたお家ですね!
【空の家 ベッドルームの一角】

天候が良かったので、屋上も見学させていただきました!
夜でも近隣の会社様に配慮しつつではありますが、音を出しての撮影が可能です。
ただ、どうしても使えないのが、雨が降っている時。しかし以前、奇跡的に終了時間の直前に雨があがり、水たまりのある屋上で撮影。光が反射して、幻想的な雰囲気になり、とっても素敵な仕上がりになったそうです。
【空の家 屋上】

Hygge-ヒュッゲ–
ヒュッゲは他の2軒に比べるとコンパクト。ヒュッゲの2F LDKはちょっと広めの一人暮らしや2人暮らしの設定にちょうど良さそうな大きさです。リアルな生活感を出すにはちょうどいいサイズ感ですが、撮影には十分な広さが確保されています。
案内してくださった方も「リアルに住みたい」とおっしゃっていて、盛り上がりました!
【Hygge-ヒュッゲ– 1F LDK】

【Hygge-ヒュッゲ– 2F LDK】

3軒のスタジオを回って、多様性を感じましたし、なんと言ってもスペースが広々と使えて撮影がしやすそうだと感じました!

配線や備品もしっかり確保!出前ファイルも用意されていて撮影には最適な環境!
「他にも困ったことがあればピアスタッフにお声がけください!」とのことでした!
新木場以外のスタジオも人気!超大御所監督愛用のハウスも
実はピアではハウススタジオは住宅地にもたくさん所有していて、新木場の開放感とはまた違う温かみのあるスタジオが多いので人気があります。
新木場以外の住宅街のスタジオはリアルな生活感が出るということで人気です。個人的には阿佐ヶ谷スタジオとかは実家みたいな温かみがあっておすすめです。ありがたいことに大御所の有名監督さんにも気に入っていただいてます。
【阿佐ヶ谷】

住宅街のスタジオでも玄関周りは広くて撮りやすいです。経堂も庭が大きいので、監督さんに気に入っていただくことが多いです。
【経堂】

【宮前】
夏に縁側でビール、みたいな設定に使われることが多いですね。和風づくりで風情があります。


ピアのハウススタジオは部屋のバラエティがかなり豊富です。ドラマは映画よりも濃縮されたスケジュールで撮っているので、多い時は毎日のように使っていただいてます。
ハウススタジオの選定の際に「良いところない?」って相談されることも多くて、その場で紹介してその場でロケハン(下見)していただくことも多いです。
いろんなテイストのお家があるのでこちらから提案できる家がたくさんあるのも強みです。
特に住宅地には、お手頃に利用できるスタジオが多く揃っています。新木場以外にも、日本家屋や一般家庭を再現したスタジオが豊富で、ドラマやCMの撮影にも重宝されています。
たとえば、宮前のスタジオは約300坪の広大な敷地に立派な日本庭園を備えた特別なロケーション。浅草橋や高円寺のスタジオは24時間利用可能で、利便性の高さからリピーターも多い人気スポットです。
また、住宅街にあるスタジオは通販番組の撮影でも幅広く活用されています。
調べただけだと(価格が)高いイメージがついてしまいがちなのですが、駐車場が3台分ついているスタジオもあってその分節約できたり、早割り(早トク!)などお得なプランもあるんです。例えば有名な方がYouTubeの撮影とかで、ドラマやバラエティーの撮影の合間に使われたりします。生配信で爆食企画とかお家っぽい感じで使っていただいてます。
【高円寺】

【浅草橋】

【style house~風の家~】

印象的なエピソードだと、style house~風の家~はCMでモーションカメラのボルトという特殊なカメラを使うことがあるんですけど、大体のハウススタジオには家に入れるスロープがそもそもないから、もうスロープでカメラを入れられるところがここしかない!と思ってきましたっていうお客様がいました。(※当時は庭の家や空の家の建設前で唯一カメラが入れられる場所だったそうです。)
制作スタッフの心強い味方!撮影中はスタジオで使い方までサポート!予算的に厳しい場合はまず相談のお電話ください!!
――番組も最近は予算が厳しいようですが、バラエティとかだと5名以下での撮影も全然ありそうな気がします!なんとかお安くできるプランがあれば知りたいです。
お電話いただければ、できるだけ条件に沿うようにこちらも提案させていただきますので、もし気になったスタジオがあればご相談のお電話いただければうれしいですね!
――プロ以外でも自主制作や卒業制作で使うことも可能ですか。
卒業制作とかで使っていただくことはたくさんあります。映像系の学校とかからも問い合わせがあったり、個人利用も全く問題ないです。5名さま以下でしたらぜひ1時間1万円のエコプランがおすすめです!
――色々相談できるようで心強いです!
ピアでは、基本的に撮影中もスタッフがスタジオにいるので、撮影中使い方がわからなかったら質問することも可能です。制作の方は激務で本当に寝てなくて、という事情もこちらは理解しているので、できることはサポートさせていただいてます。24時間使えるスタジオでは、基本的にはスタッフが3交代制で撮影に立ち会うので、交代のタイミングで「帰っちゃうの…?」と不安げにされる番組の方も多いのですが、でも他のスタッフがまた来るのでご安心ください!
現場に行けないことも多いのですが、うちはスケジュールが可能な限りは立ち合います。
あまりにも現場がてんてこまいだったりする時は、コンビニとかにおつかいに行ってあげたりもちょっとしてます。簡単なことですけど。うちは元ADだった子とかもいるのでやっぱり気持ちがわかるんですよね。落ち着いたタイミングで他のスタジオも見て、という感じで立ち会えるタイミングはいるようにしています。
撮影が長引いたら一緒に朝を迎えることもあります(笑)制作さんと励まし合いながらやってますね。ペットとか赤ちゃんがいる撮影だとご機嫌もあるので、長引くことも多いんです。でも動物だとキンカジューとか珍しい動物がいたこともあって楽しいです。動物もちゃんとした事務所の動物であれば特に制限はないので、大きな家なら馬もいけます!スタジオが汚れない範囲であれば大丈夫です。
大人数の特番バラエティとかで使っていただくこともあります。スペシャルで忘年会設定とか。特典映像とかクリスマスとか、大きなスポーツのイベントがあると対談系でも使っていただくことが多いです。Baysideとかだと海があって綺麗なので対談がおしゃれなんですよね。海に面しているので船のデッキにいるような撮影ができるんです。
【Bayside】

映画やテレビ以外の目的でも利用可能!企業の商品発表会やパーティー利用の実績もあり
最近は企業の新作発表会に使われることもありました。家電をその企業のものに変えてお客様に見ていただいたり。輸入メーカーの雑貨屋さんとかも利用していただいてますね。商材によってはリアルな家で見せた方が想像しやすいですし。そういったことに使っていただけるのも大歓迎です。調理器具メーカーさんで、食べ物を実際にその場で作って試食もできる商品発表会とかもありましたね。
最近は縦型ショートドラマの需要も多くて、スポットでいろんな場面を撮りたいという要望が増えているので、そのニーズにも応えたいと思ってリサーチを進めています。壁紙をたくさん変えられたり、そういった仕組みで対応することが必要だと思います。また、ショートドラマだと予算も限られていることが多いのですが、それでもHPをみるだけではなく、まずご相談いただきたいんですよね。
なぜかというと、大きなクライアントさんだと仮でたくさん予約して、直前に全部キャンセルっていうこともあるんです。それは仕方がないことなんですが、その時に直前割みたいな感じでお得に他の方に価格を下げてお貸しすることも検討しています。直近であればご連絡をいただければ個々にご提案することができるので、柔軟に対応させていただきたいですね。
ハウススタジオ以外にも病院や飲食店の利用も相談可能
また、スタジオピアにはマネジメント部門という部署があり、マンションや飲食店、クリニックなどを仲介しています。普段使っている施設ではあるため日程の制限はあるものの、撮影に理解がある方が貸してくださっているといいます。
ピアが仲介することでオーナーさまも制作の皆さんも双方が安心して使える施設となります。こちらもリクエストがあればご相談いただければ提案させていただきます。
まとめ
お話を聞いていて、柔軟に対応してくださるスタッフさんの人柄が伝わり、撮影の時もスタジオにいてくださるのはかなり心強いと感じました!ハウススタジオは使い終わったら電話するなど、スタジオによってシステムが色々あるのですが、撮影現場にいていただければスタジオのことをすぐに質問することができて、撮影もスムーズに進みそうです。
料金についても電話でご相談いただければ一緒に考えていただけるとのこと。スタジオ選びから撮影終了まで、心強い味方になってくれそうなスタジオピアさんに感動の連続でした!ハウススタジオを探すのはなかなか大変ではありますが、そんな時こそ実際に相談してみることがおすすめです!
気になった方は、是非こちらからスタジオピアのHPをチェックしてみて下さい!

