新人ADの実体験!ディレクターに怒られたことまとめ

ディレクターが怒る内容とは? まだ仕事を始めて間もない新人ADが怒られる理由は山ほどあるかと思います。 人によって怒るポイントは異なりますが、実際にADが「こんなことで怒られた」という体験談をいくつか紹介していきたいと思...


この記事は約8分で読み終わります。

ディレクターが怒る内容とは?

まだ仕事を始めて間もない新人ADが怒られる理由は山ほどあるかと思います。
人によって怒るポイントは異なりますが、実際にADが「こんなことで怒られた」という体験談をいくつか紹介していきたいと思います。誰しも怒られるのは嫌かと思いますので、4月からエンタメ業界に入った方は是非今回の記事を参考に対策してみて下さい!

報連相をしっかりしていない

「報連相(ほうれんそう)」は、報告・連絡・相談の3つの単語をまとめたビジネス用語です。当たり前と思う方もいるかもしれませんが、ビジネスでのコミュニケーションの取り方において非常に重要であり、この3つは誰もが迅速・的確におこなうことが求められます。この報連相を怠ると仕事において大きな支障をきたします。
まず、報告の面です。
例えば、ロケ地の仕込みの進捗状況や、ディレクターから使用したいと言われた素材の使用可否等の状況をすぐに報告しなければ、ディレクターの作業がどんどん遅れていってしまいます。
次に連絡の面では、業務の中で何か変化や変更点、問い合わせ先からの注意点等が出てきた際に
すぐにディレクターに伝える必要があります。これを怠ると、ディレクターに「そんなこと聞いていない」と怒られてしまいます。ロケ地の仕込みの際などで、お店の方があまり乗り気ではない感じがしたら、「このお店の方はこのような反応だったので慎重にお願いします」などと些細なことでもディレクターに伝えることが大切です。
そして最後に、相談に関してです。
例えば、仕事を進めていくうえで疑問に思ったり、悩んだりした際に、すぐに相談しなければ、解決せずにただ時間だけが過ぎていきます。またそこで相談せずに自分で決めてしまうと、ディレクターが思っていたのと違ったなどトラブルに繋がってしまうことになります。そうなると二度手間になり、仕事の進捗に支障が出てしまいます。
このように、初期段階での報連相が不足すると、問題が発生しても適切な対処ができず、解決が遅れてしまいます。また、小さな問題が放置されることで大きな問題になり得ます。
報連相を徹底することで、これらの問題を未然に防ぎ、円滑に物事を進めていくことが重要となります。

遅刻

基本的な社会人のルールとして「遅刻厳禁」というものがあると思います。
もちろんテレビ業界でも遅刻は許されるものではありません。一般的なサラリーマンのお仕事と違って番組制作の仕事は出社時間が毎日決まっているわけではなく、特にロケなどに行く場合は集合時間がいつもよりとてつもなく早いということもあります。
最近は働き方改革も進んでおり、就業時間に関する規則が厳しくなりましたが、それでも撮影に関しては、撮りたい画がある場合やロケ先の都合などで、通常とは異なる時間帯で集合する場合もあります。
正直、忙しい時期は不規則な生活になるので、遅刻・寝坊というのは多少は仕方がない部分もあるかと思います。しかし、大事な撮影や収録の日に遅刻をしてしまうと多くの人に迷惑をかけてしまいます。連日睡眠不足が続いていたとしても、大事な日は意地でも起きるようにしましょう。
朝、起きるのが苦手な人は早朝から撮影などがある日は会社に泊まるというのも手だと思います。
どうしても体調が悪かったり、交通機関の遅延があったりした場合には、遅刻が分かった時点で、すぐに連絡しましょう。電話やメールで状況を説明し、到着予定時間を伝えることが大切です。そして遅刻したことを素直に謝罪し、今後の対策を考えていることを伝えましょう。

箸上げが下手

グルメ番組で、出演者が食べ物を食べている時や料理の紹介をしている際に差し込まれる、食べ物を美味しそうに箸で上げている映像を一度は見たことがあるのではないでしょうか。そのような映像を取る際の「箸上げ」はADが行っています。
「箸上げ」とは、テレビ業界で料理を美味しそうに見せるための技術の一つです。料理を箸で持ち上げることで、視聴者に料理の質感や中身を見せることが目的です。特にラーメンやパスタなどの麺類、カレーや丼ものなどでよく使われます。
この箸上げが下手でディレクターに怒られることもあるあるです。
箸上げは、かなりズームして撮影しているため、少しの震えであってもブルブル震えている映像になってしまいます。箸を持っている手元をズームで撮影されるのはとても緊張するのでより震えやすいです。苦手な人は、上手い箸上げをするために練習をしたり、人それぞれ工夫をしたりしています。
例えば、右手で箸をもち、左手で箸を持つ右手を支えたり、箸上げする前に深呼吸をして息を止めたりします。料理に意識が向かうと緊張が高まるので、料理から意識を外すのも手かもしれません。また、箸やスプーンを持ち上げるスピードが速すぎてはカメラが追いつかないですし、持ち上げる高さも食べ物が一番良く映る高さであることが重要です。練習する際は持ち上げる速さや高さも意識して自分で調整しながらやってみてください。
みなさんも、箸上げを特訓して、「箸上げ職人」と呼ばれるようになりましょう。

カメラのバッテリーがない

ロケやインサート撮影の際などにカメラが必須なのはもちろんのことですが、そのバッテリーも必須です。
ADさんがミスする例として、カメラのバッテリーを忘れてしまった、違う種類のバッテリーを持ってきてしまった、バッテリーの量が足りなかった、メディアが足りなかったなどがあります。
こうなるとロケの撮影自体ができないなど、かなりの支障になります。ディレクターにはもちろん、全体にも迷惑がかかってしまいます。このようなミスを防ぐために、カメラとバッテリーの種類があっているかどうかしっかり確認し、収録時間を想定して、不足のないように多めにバッテリーやメディアを準備しておくことが大切です。
事前に空き容量の確認をしたり、メディアにカメラごとの番号を振ったりすることで、管理しやすいようにしておくと良いと思います。当日にバタバタしないように、ロケの前日までに念入りに確認しましょう。

忘れ物

ロケの現場では、忘れ物が発生することがよくあります。特に、撮影機材や小道具、衣装などが忘れられることが多いです。
カメラのバッテリーと同様、現場で「これがない!」となると撮影を中断させてしまい、かなり迷惑をかけてしまうことになります。そのため、撮影に必要なすべてのアイテムをリストアップしたチェックリストを作成し、出発前に確認しておきましょう。
また、特に重要な機材や小道具は予備も準備しておくと安心です。これらの対策を講じることで、忘れ物を減らし、スムーズな撮影を実現しましょう。

スケジュールや期限の遅れ

番組制作は厳しいスケジュールで進行することもあるため、その遅れが原因でディレクターに怒られることもあります。
スケジュールの遅れとは、まずロケスケジュールの遅れがあります。ロケスケジュールは、事前にADが作成することがほとんどですが、スケジュール作成時の想定が甘く、スケジュール通りに進まないと多くの人に迷惑がかかります。
当日の色々な可能性を想定し、実際に移動時間にどのくらいかかるか調べたうえで、しっかり時間配分をしてスケジュールを組むことが大切す。それでも全てが時間通りにできるとは限らないので、少し時間に余裕をもたせて移動時間を計算してみると良いでしょう。
一日に複数箇所ロケに伺うこともあるのですが、それぞれの箇所で時間が遅れてしまうと、後ろのロケ先で迷惑をかけることも多いので、全体的に余裕をもったスケジュール感にしておきましょう。

次に期限の遅れがあります。期日の遅れとは使用する素材が間に合わないなどといったことがあります。ディレクターが実際に使用したいと言った素材を手配するのはADの仕事なのですが、その素材が期限までに間に合わないとなると、編集も進まず、ディレクターの作業を止めてしまうことになります。
それを防ぐために、素材を提供していただく先方に連絡する際に「@月@日@曜日までに素材がほしいのですが可能でしょうか」というように相談しておくことが大切です。そこで間に合わないと言われた場合は、すぐにディレクターに相談して代わりのものを探すようにしましょう。

資料にミスがある

ADは資料を作成することが多いのですが、その資料のことでディレクターに怒られる場合もあります。そもそも、字体が見にくい、文字が小さい、文字が薄いなど、資料が見にくいのはもってのほかです。
作成する資料には色々ありますが、そのひとつとして、NA(ナレーション)起こしというものがあります。NA起こしとは、オフライン(編集所で作業する前にディレクターがPCで編集ソフトを使い編集をした映像)に入っているナレーションをWordにタイムと一緒に文字起こしをするという作業のことです。そのタイムとナレーションがあっていないとディレクターは混乱してしまうので、タイムとナレーションを正確にあわせることが重要です。
資料を作成するときは、見やすく、ミスなく正確に作成することを心掛けましょう。

収録中のスタッフのミス

収録中はみんなインカムをつけていることがほとんどですが、インカムを通して怒られることもあります。
収録中のミスといえば多々ありますが、主に物だしのタイミングを間違えたり、次のサブ出しのVTRが間に合っていなかったり、演者が出てくるときにめくるカーテンのタイミングを間違えたりと、タイミングに関するミスが多くあります。
タイミングを間違えてしまうと、演者さんにも迷惑が掛かってしまいます。収録中のミスを防ぐために、収録前のリハーサルでしっかり確認し、わからないことがあればそのまま行動せずにディレクターに聞いておくことが大切です。

まとめ

今回は、仕事中にディレクターが怒る内容について、いくつか紹介しましたがいかがだったでしょうか。怒られることは誰にとっても嫌なことだと思います。とはいえ怒るのは、あなたへの期待や成長してほしい気持ちからきていることがほとんどです。怒られてしまったときは、素直に謝り、改善していけば問題ありません。ミスをしてしまうのは仕方のないことですので、一度したミスはもう二度としないという気持ちで、学びながら成長し、信頼される一人前のADになりましょう!