この記事を読んでいる方にはドラマ志望の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ドラマ志望といっても、プロデューサー、監督、美術、技術、衣装…と、役割をあげればキリがありませんが、その中でも全ての人にとって大切なキーパーソンが脚本家です。脚本は設計図のような役割があるとよく言われています。脚本でこう書いてあるから、こういう人なのだろうとか、こういう持ち物を持ってそうだなとか、さまざまな人が脚本を読んで自分の仕事を進めます。
今回はそんな重要な存在・脚本家の中でも、ドラマ志望であれば知っておくべき脚本家をピックアップしました。(もちろん、ここに記載されていない方でも人気の方・有名な方はたくさんいます!)
自分の好きな脚本家やどういうところが好きかなどは、自分の言葉で言えるように準備しましょう!
今回は作風別に分けてご紹介しますが、オールマイティな方もたくさんいらっしゃるので、あくまでその方の得意ジャンルの一つとして読んでみてください!
ヒューマンドラマ・群像劇
坂元裕二
【代表作】
『東京ラブストーリー』『西遊記』『わたしたちの教科書』『Mother』『それでも、生きてゆく』『Woman』『最高の離婚』『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』『カルテット』『大豆田とわ子と三人の元夫』など多数
映画でも『花束みたいな恋をした』『怪物』『ファーストキス 1ST KISS』『片思い世界』などを執筆。
脚本家『坂元裕二』のファンが多数存在する、唯一無二の存在。深掘りされた人物像と社会性のあるテーマが際立ちます。また、そこから出てくるセリフの奥深さ・面白さが視聴者に刺さりブームになることも。中でも『カルテット』での、唐揚げとレモンについてのやりとりはご存知の方も多いのではないでしょうか。これからも坂元裕二の世界を楽しみたいですね。

野島伸司
【代表作】
『101回目のプロポーズ』、『高校教師』『ひとつ屋根の下』 『薔薇のない花屋』、企画担当として『家なき子』など多数。
数々の名作を世に出してきたレジェンド。近年は、2023年に株式会社HIANとのエージェント契約を締結。漫画原作や作詞、絵本、小説など活躍の場を広げています。
生方美久
【代表作】
『silent』『いちばんすきな花』『海のはじまり』
映画 『アット・ザ・ベンチ』では、第1編「残り者たち」第5編「さびしいは続く」脚本 など。
2021年、第33回フジテレビヤングシナリオ大賞を受賞し、その後に『silent』が大ヒット。その後も4人の主人公に焦点を当てる『いちばんすきな花』、『silent』チームが集結した『海のはじまり』を執筆しました。
脚本家の世界ではまだ若手ということでこれからどんな新作が生まれるか、期待されています!
社会派・リアリズム系
井上由美子
【代表作】
『白い巨塔』『GOOD LUCK!!』『エンジン』『14歳の母』『緊急取調室』『昼顔』
『BG~身辺警護人~』『Believe-君にかける橋-』『あいの学校』 など多数。
サスペンス、お仕事系、ラブストーリーなど作風の多様性はもちろん、朝ドラや大河ドラマの経験もある、まさにオールマイティー。作品の中から感じられる社会性、メッセージ性が視聴者に大きなインパクトを与えます。木村拓哉とのタッグを組んだ作品が多いことでも有名です。
大森美香
【代表作】
『カバチタレ!』、『ロング・ラブレター 漂流教室』、『ランチの女王』、『10年先も君に恋して』、『不機嫌なジーン』、『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』、『ブザー・ビート〜崖っぷちのヒーロー〜』、『僕達はまだその星の校則を知らない』 など多数。
NHK作品も多く担当しており、『あさが来た』や『青天を衝け』、最近では綾瀬はるか主演で話題となった 『ひとりでしにたい』も執筆。年々ジャンルの幅が広がり、エンタメ業界に欠かせない存在となりました。
吉田恵里香
【代表作】
『花のち晴れ』『Heaven?〜ご苦楽レストラン〜』『恋せぬふたり』、『虎に翼』など多数。
『恋せぬふたり』では、恋愛感情も性的欲求も抱かない「アロマンティック・アセクシャル」の男女を丁寧に描き、優れたテレビドラマの脚本家に贈られる向田邦子賞を当時最年少の34歳で受賞。その後、NHK連続テレビ小説『虎に翼』も担当し、その実力を不動のものとしました。
野木亜紀子
【代表作】
『逃げるは恥だが役に立つ』『アンナチュラル』『MIU404』『重版出来!』
映画『カラオケ行こ!』『ラストマイル』 など多数。
代表作ではサスペンス系が中心。しかし一躍有名になった作品の一つとして『逃げるは恥だが役に立つ』の存在があり、社会性のある中にもコメディ要素が入れられるなど独自の作風が人気。
最近では映画『ラストマイル』が、『アンナチュラル』、『MIU404』と同じ世界線で展開され、ファンの中で話題となりました。
ラブストーリー
北川悦吏子
【代表作】
『あすなろ白書』『愛していると言ってくれ』『ロングバケーション』『ビューティフルライフ』『空から降る一億の星』『オレンジデイズ』『たったひとつの恋』『運命に、似た恋』『半分、青い。』『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』『夕暮れに、手をつなぐ』 など多数。
恋愛ドラマのレジェンドといえばこの方を想像する人も多いのではないでしょうか。若者の恋はもちろん、大人の純愛や朝ドラまで執筆しています。しかしここまで一貫して恋愛ドラマに長けている方は他にいないと言っても過言ではありませんが、近年は母娘の愛などもリアルに執筆されています。
中園ミホ
【代表作】
『やまとなでしこ』『ハケンの品格』『Doctor-X 外科医・大門未知子』『花子とアン』『西郷どん』『あんぱん』 など多数。
強い女性を描いたらこれ以上の方はいないかもしれません。連続テレビ小説を2作務め、大河ドラマも執筆。多様なジャンルを執筆されていますが、どの作品も主人公の芯の強さが光っています!いつの時代も、視聴者の心に響くキャラクターを作り上げてきたレジェンドと言えるでしょう。
コメディ・日常系
岡田惠和
【代表作】
『南くんの恋人』『若者のすべて』『ビーチボーイズ』『アンティーク 西洋骨董洋菓子店』『彼女たちの時代』『ちゅらさん』『おひさま』『最後から二番目の恋』シリーズ、『ひよっこ』『日曜の夜ぐらいは…』『姉ちゃんの恋人』『セミオトコ』「にじいろカルテ』『さよならのつづき』
など多数。
近年映画執筆も増えており、『阪急電車 片道15分の奇跡』『余命10年』『メタモルフォーゼの縁側』『ストロベリームーン 余命半年の恋』なども担当。
岡田惠和の描く日常やその中にある繊細な心情、尊さは唯一無二。過去に朝ドラを3作も担当し、『ちゅらさん』はシーズン4まで放送されました。
現在フジテレビで『小さい頃は、神様がいて』が放送中です!

宮藤官九郎
【代表作】
『池袋ウエストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』『マンハッタンラブストーリー』『タイガー&ドラゴン』『あまちゃん』『ごめんね青春!』『監獄のお姫様』『ゆとりですがなにか』『いだてん~東京オリムピック噺~』『俺の家の話』『不適切にもほどがある!』『新宿野戦病院』『笑ゥせぇるすまん』 など多数。
巧みな伏線回収、爆笑を誘う会話劇、ブラックユーモア…また、自身も役者として活動するなど、これほどに才能がある方はいないといっても過言ではないですね!クドカンの愛称で親しまれ、「クドカンだからみたい!」という声もあふれるほど。笑いあり、涙ありのクドカン作品が今後も楽しみですね。
三谷幸喜
【代表作】
『振り返れば奴がいる』、 『古畑任三郎』シリーズ、 『王様のレストラン』、『新選組!』、『鎌倉殿の13人』、映画では『ラヂオの時間』、『ザ・マジックアワー』 など多数。
コメディのイメージでお馴染みの三谷作品!一度は見たことがある方も多いのではないでしょうか。
しかし振り返ると大河を2作品担当しており、古畑シリーズなどサスペンスも執筆。笑わせるだけじゃない三谷作品。現在フジテレビで『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』も放送中です!
古沢良太
【代表作】
『コンフィデンスマンJP』、『リーガルハイ』、『デート〜恋とはどんなものかしら~』、『どうする家康』 など多数。
映画でも『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『キサラギ』、 『探偵はBARにいる』シリーズ、『コンフィデンスマンJP』シリーズなど名作を輩出し、アニメ『GREAT PRETENDER』や『映画ドラえもん のび太と空の理想郷』ではアニメファンの支持も獲得。
心を揺さぶるノスタルジーから、痛快な笑い、そして重厚な人間ドラマまで、話題作を生み出してきた大ヒットメーカー。2026年1月には反町隆史×大森南朋×津田健次郎のトリプル主演『ラムネモンキー』がスタートします!こちらも要チェックですね!
バカリズム
【代表作】
『架空OL日記』、『素敵な選TAXI』、『住住』シリーズ、『黒い十人の女』、『ブラッシュアップライフ』、『ホットスポット』 など多数。
リアルな会話劇や予想を裏切る展開から目が離せないバカリズム作品。クスッと笑えるコメディとして独自のポジションを築いていますね!2027年のNHK朝ドラ『巡るスワン』脚本を担当することが発表され、期待が高まっています。
サスペンス・ダーク・SF
黒岩 勉
【代表作】
『グランメゾン東京』、『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』『マイファミリー』、『ラストマンー全盲の捜査官ー』『モンテ・クリスト伯ー華麗なる復讐ー』、映画『キングダム』シリーズ、『ONE PIECE』シリーズ など多数。
代表作を見た通り、ミステリーサスペンス分野を中心としながらも、ヒューマン要素のあるストーリー展開で視聴者を惹きつけるドラマが多いのが特徴です。一度見始めたら止まらない展開が見どころです。
奥寺佐渡子
『最愛』『下剋上球児』『わたし、定時で帰ります。』『リバース』『Nのために』、映画『八日目の蝉』『コーヒーが冷めないうちに』、アニメ『サマーウォーズ』『時をかける少女』
原作ものの脚本に強く、湊かなえ原作をはじめとして、多くの作品を手がけています。最近の大ヒット作である、映画『国宝』も脚本を務めており、今後ますます目が離せない存在です!
※湊かなえは、名前を聞いたことがない人はいないかもしれないほどの作家かもしれませんが、かなり多くの作品がドラマ化されています。どれも日本のドラマ・映画界を支えてきた名作ばかり。作品を映像で見ることはもちろん、原作を読んでみることもおすすめです!
アニメ・映画脚本出身
虚淵玄(うろぶちげん)
【代表作】
『魔法少女まどか☆マギカ』『仮面ライダー鎧武』『GODZILLA』『楽園追放』 など多数。
ゲームシナリオライターでもあり、株式会社ニトロプラス取締役副社長。作風については、本人曰く、「本当はハッピーエンドにしたいのに、物語を突き詰めるとバッドエンドになってしまう」という。その例外として、『楽園追放』を本人の口から挙げており、『楽園追放』の試写会では「ようやくこの台詞が言えます、『俺だって人が幸せになる作品書くんだよ!』」とコメントしたこともあったといいます。
岡田麿里
【代表作】
アニメ映画『るろうに剣心』シリーズ『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』「映画かいけつゾロリ うちゅうの勇者たち』『泣きたい私は猫をかぶる』『惡の華』『先生! 、、、好きになってもいいですか』『空の青さを知る人よ』『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』
アニメ映画で実力を発揮。特に心の機微の描写には定評があり、人間ドラマを扱った作品が得意とされている。アニメの名作を多く制作しているため、詳しく知らない人もいるかもしれないが、原作漫画の映画なども担当しているため、知らなかった方はぜひチェックしてみましょう!

まとめ
さて、今回はジャンル別に押さえておきたい脚本家をご紹介いたしましたが、いかがだったでしょうか。他にも私の好きな脚本家がいるぞ!という方もいれば、知らなかった人がたくさんいる方もいらっしゃるでしょう。
有名な方を押さえておくことと同時に、ぜひ自分の好きな脚本家を言えるようになっておきましょう。また、プロデューサーと脚本どちらもできる方も業界にはいらっしゃいます。余裕があれば自分で脚本にも挑戦してみましょう!
