エンタメ業界の就活とは?内定者が語る選考のリアルと突破法【ES・企画書・面接対策】

エンタメ業界の就活は倍率が高く、独自の選考フローに戸惑う人も多いはず。本記事では、実際に内定を獲得した筆者の体験談をもとに、ES・企画書・動画課題・面接のリアルを具体的に解説します。「個性がない」「業界に詳しくない」といった悩みへの向き合い方や、選考突破のヒントも紹介。エンタメ業界を目指す就活生必見の内容です。


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エンタメ業界は「華やかさ」と「厳しさ」をあわせ持つ人気の就職先。
テレビ局・映画会社・芸能事務所などは依然として高倍率である一方、近年ではSNSや動画領域の拡大により求められるスキルや選考内容にも変化が見られます。

今回は、27卒でエンタメ業界に内定を獲得した筆者が、就活生の誰もが共感してしまうような悩みと、それに対する筆者なりのアンサーをご紹介。リアルな体験談を通して、エンタメ就活の実情と、選考を突破するための具体的なヒントをお届けします!

倍率が高い!

エンタメ業界を志望する上で最大の悩みとなるのが、その倍率の高さ
エンタメが好きで人を楽しませるような仕事がしたいが、選考を勝ち抜き、内定を獲得できる自信がない…
そんな不安を抱えている人は多いのではないでしょうか。
実際、エンタメ業界は人気が高い一方で、採用人数が少なく、倍率が高くなってしまうことが多いです。
中には若干名の採用に対し、1000名以上の応募が集まるなんてことも…
エンタメ業界を志望するのであれば、相当の熱意と覚悟が必要なことは間違いないでしょう。

しかし、忘れてはならないのは、
一口に「エンタメ」と言っても、その業種や業態はさまざまであるということです。

『映像・音声事業』『出版事業』、『ゲーム事業』など、エンタメ業界には大きく分けて8つの業種があると言われています。
参考:【就活対策】エンタメ業界解説!どんな企業を指す?採用面接のコツは?

また、それぞれの業種においても、
例えば、『テレビ』に関する仕事であれば、テレビ局・制作会社・派遣会社などがあり、さらにテレビ局の中にもキー局・準キー局・地方局があり…
と、テレビ制作に「どのように」関わりたいかによって、目指す企業は変わってきます。
参考:【テレビ業界就活】就活前に知っておきたいテレビ業界の知識「どこに就職すればいい?業界の当たり前って?」

つまり、「影響力の大きいコンテンツを制作したい」のであれば、倍率が高い大手企業に挑む必要がありますし、「とにかくエンタメを仕事にしたい」「自分の手で、一からプロデュースしてみたい」のであれば、新進気鋭のベンチャー企業などとマッチするかもしれません。

まずは、自分の就活の軸を見つけること。
その上で、自分に合った就職先を調べることが重要です。

ちなみに…
ある先輩は、自身の就活の際、他業界の『エンタメ部門』も視野に含めていたと仰っていました。
業界研究や企業研究を入念に行い、入社後の具体的な業務や働く自分像までしっかりとイメージできているからこその選択肢だと、脱帽しました。

エンタメ独自の選考フロー

応募者の性格や個性を重視するエンタメ業界の就活では、他業界にはあまり見られない独自の選考フローを採用している企業が多くあります。
学歴不問の企業も多く、誰にでもチャンスが開かれている一方で、一般的な『就活対策講座』で教わるような正攻法では通用しないこともしばしば。
そこで今回は、筆者が実際に経験した選考フローをステップごとに詳しく解説します!

ES(エントリーシート)

【ガクチカ】
独自の選考フローや設問が多いとはいえ、やはりガクチカは必須項目です。
ただし、直接的に聞かれるとは限らず、異なる文言で尋ねられる場合も。

例えば、
「今の自分を作った重要な経験」「人生ドラマで最も視聴率が高かった場面」などなど…

もちろん、これらの設問に対し、学生時代に力を入れたこと(=ガクチカ)以外で答えても全く構わないのですが、企業が応募者の価値観や行動の軸が伝わるエピソードを求めていることを考えると、
やはり、ガクチカ=大学生活の中で取り組んだことを書くのが無難です。

内容は、学業・サークル活動・アルバイトなど、エンタメに関することでなくても大丈夫です。
・自分がなぜそうしたのかという行動原理行動目的を明確にすること
結論から先に述べ、課題、具体的な対策、結果という構成にすること
を心がけましょう!

近年では、ESとあわせてSNSアカウントやポートフォリオの提出を求められるケースも増えており、自身のアウトプットを日頃から発信しておくことも重要になっています。

【志望動機】
これもガクチカ同様、定番の設問です。
なぜエンタメを職業にしたいのか、この企業・仕事で何をしたいのか、といったことが聞かれます。
ここで重要なのは、
具体的な原体験・経験と、そこからこの仕事を目指すに至る自身の思考回路言語化することです。
つまり、エンタメ業界を志望する人のほとんどは、
「〇〇(作品やコンテンツ)が好きだから」という動機があるわけですが、企業側が聞きたいのは、〇〇(作品やコンテンツ)からあなたがどのような影響を受けて、どのように感じたために、それを仕事にしようと思ったのかということです。

【好きなコンテンツ】
これは、エンタメ業界に特徴的な設問かつ、ほとんどの企業で聞かれる王道と言っていいかもしれません。

基本的に、ジャンルやメディアを問わないことが多く、応募企業のコンテンツでなくても、自分の好きなものを素直に答えて大丈夫です。
ただし、単に「好き」「面白い」というだけではなく、「どうして好きなのか」を言語化できるものを選びましょう。これは、志望理由にもつながってきます。

ちなみに…
好きなコンテンツならなんでもいいとはいえ、志望する企業や業種とあまりにもかけ離れているものは「どうしてここを志望したのだろう」と疑問に思われてしまうため、避けたほうがいいでしょう。
複数回答できる場合には、志望企業のコンテンツを含めることで、企業に対する志望度が高いことを示せたり、面接で話のきっかけとしてもらえたりするかもしれません。

【独自の設問】
上記のような定番の設問の他に、
・最近気になったニュースやコンテンツ(時事問題への関心・流行への感度)
・自分にハッシュタグをつけると?(自己分析・表現力・語彙力)
・推しについて語ってください(エンタメへの熱意・人柄)
などなど、企業独自の設問が設けられている場合があります。

中には、思わず「何これ!?」と驚くような変化球の設問もありますが、そんな時は冷静に、企業側はこの設問を通して何を知りたがっているのか、その意図を考え、聞かれたことに対して的確に、わかりやすく答えるようにしましょう。
過去のES例を参考にするのもオススメです。

企画書

企業によってはESの中、あるいはESとは別に、新たなコンテンツや宣伝事業の企画書を求められる場合があります。
「自分は将来こんなコンテンツを手がけたい!」と直接的に伝えられる機会かつ、
今までにない斬新な発想力や消費者のニーズや時代を捉える分析力などをアピールできます。

一方、「面白い企画が思いつかない…」と気後れしてしまう人も多いかと思います。
ですが、ある企業の人事の方によると、企画書項目では、
・どれだけ時間をかけて取り組んでいるか(情報量・調査量)
・見る人にとって、わかりやすく目を引くようなものになっているか(デザイン性)
といった熱量気遣いが見られているという側面もあるといいます。

時間と労力はかかりますが、その分自分の熱意や強みが伝えられる項目でもあるので、臆することなく、積極的に取り組みましょう!

動画課題

特に、テレビ局や映画会社など、映像を扱う企業で求められることが多い動画課題。

シンプルな自己PR動画だけでなく、自分以外の人やものを紹介するもの、テロップや効果音などの編集加工OKなものもあり、近年ではTikTokやリールなどのショート動画に近い形式でのアウトプットが求められるケースも増えています。

大体20〜30秒ほどの短い時間の中で、設問に対する回答を明確に伝える必要があります。
そのため、セリフはなるべく簡潔にしつつ、フリップや小道具などを使って情報量を増やすことが効果的です。

もちろん、企業側はESではわからない部分=表情や話し方も見ているので、
明るくハキハキと話すことも忘れずに意識しましょう!

GW(グループワーク)・GD(グループディスカッション)

GW(グループワーク)やGD(グループディスカッション)では、擬似的な業務を行うことを通じて、仕事への適性、そして何より共に働く上での協調性があるかを判断されます。

例えば、テレビ番組のADが行うようなリサーチ業務やイベントの企画会議などの、さまざまな課題・状況設定に対し、4〜8名ほどのグループで取り組んでいきます。

課題解決のための提案や発言の内容も重要ですが、一番大切なのは、自身に与えられた役割を果たし、グループに貢献すること。
リーダーシップを取ることが得意であれば、自主的に司会役を買って出たり、状況を俯瞰することが得意であれば、議論が脱線していると感じた際に正しい方向へ修正するような発言をしたりと、何か自分にできることを探して、グループにとって良い結果となるよう、主体的に働きかけましょう。

グループのメンバーは就活ではライバルかもしれませんが、この選考プロセスにおいては心強い仲間です。メンバーが発言している際には、耳を傾け、相槌を打つなど、協調性のある態度を示すことも忘れずに!

面接

面接では主に、ESや企画書の内容を深掘りするようなことが聞かれます。
特に企画書に関しては、その詳細や意図について尋ねられることが多くあります。
面接に挑む際には、自身が提出した書類課題を再度見返し、詳細に答えられるようにしておくとGOODです。

また、『志望動機』や『ガクチカ』『自己PR』などは必ずと言っていいほど聞かれる質問ですので、それぞれ30秒〜1分ほどの簡単な台本を作って覚えておくのも手です。
面接官は応募者が質問に対して短い時間で思考し、的確に回答できるかを見ているため、丸暗記は得策とはいえませんが、面接の冒頭で聞かれることが多いこれらの質問にスムーズに答えられると、その後の質問に対しても緊張しすぎることなく、余裕を持って挑めるので、ある程度の回答内容を決めておくのが良いでしょう。

エンタメ業界ということもあり、予想していなかった質問が飛んでくることもありますが、
焦らず、結論ファーストで簡潔に答えることを心がけましょう。

当たり前ですが、採用・不採用を決める人事の方も人ですので、マナー身だしなみなどで与える印象を良くすることも重要です。
参考:就活生必見!「第一印象で差がつく!」対面面接の極意

個性がない

最も『個性』が重視されるといっても過言ではないエンタメ業界の就活において、「個性がない」「自分の個性を見つけられない」ことは、大きな悩みの種となるでしょう。

しかし、声を大にしていいたいのは、「個性がない」なんてことはありえないということです。
エンタメ業界の説明会や座談会に参加すると、「自作の長編映画を撮った」「世界一周した」「全国大会で優勝した」など、耳を疑うようなすごい経歴を持った人たちに出会い、思わず「敵わない」と打ちのめされてしまうことがあります。

もちろん、そうした他の人にはない経歴はその人だけの『個性』として大きな武器になりますが、それがないからといって「個性がない」ことにはなりません。
これまでの人生の中で、経験してきたこと・見て聞いて触れてきたことの集積が、今のあなたであり、あなたの『個性』です。

反対に、奇抜・奇才であることが、必ずしも企業側から肯定的に捉えられるとは限りません。
例えば、どれだけ貴重な経験をしていても語彙力表現力がなければESは評価されませんし、どれだけ斬新なアイデアを思いついてもそれを的確に伝えるコミュニケーション力がなければ、GDでは協調性がないと判断されます。

企業側が求めているのは、あくまでも一緒に働きたい人材であり、面白い人を探しているわけではないということです。
なので、『個性』をアピールするにあたっては、何か一つの突出した才能を押し出すというよりも、自分にあるいくつかの要素の組み合わせ・総合力として捉えるのも一つの方法です。

テンプレ・よくある回答とされがちな、「協調性」という強みやサークル活動での経験であっても、
具体的なエピソードやその時自分なりに感じ・考えたこと、「分析力」や「傾聴力」といった他の強みと組み合わせることで、自分だけの自己PR・ガクチカ=『個性』になります!

まずは、徹底的に自己分析を行うこと。
その上で、他者と比較するのではなく、「自分とはどのような人物であるか」をきちんと言語化することが、きっと『個性』を見つけることにつながるはずです。

詳しくない

これは特定の業種を目指すのではなく、エンタメ業界という広い範囲で就職活動をしている人が抱えがちな悩みではないでしょうか。

筆者自身、テレビや映画、小説、漫画、アニメなどが好きで、影響を受けてきたことから、自分も人を楽しませるエンタメの仕事に就きたいという思いを抱き、『エンタメ業界』を幅広く志望していました。

しかし、テレビ局の選考には生粋のテレビっ子として育った人たちが、出版社の選考にはいわゆる「本の虫」というような読書家たちが溢れており、
中にはインターンやアルバイトを通じて業界の内部について知り尽くしている人、専門学校で映像編集の知識やスキルを身につけている人も。

そんな状況に直面し、
「自分はそんなに詳しくない…」と自信を喪失してしまったことがあります。

大前提、志望する業種・企業のコンテンツや事業には、詳しくあるべきです。
今の時代、ネットやSNSを通じていくらでも情報収集ができるだけでなく、AIツールなどを活用して効率的に業界研究を進めることも可能です。
また、企業が制作しているコンテンツに触れることも立派な企業研究の一環です。

業種を絞らずに志望していることで、他の応募者よりも知識が不足していると感じたならば、それを補うほどの熱意や野望を示すか、最も志望度が高い業種に限定するか、決める必要があるでしょう。

一方で、専門的な知識に関しては、必ずしも必要とは限らず、内定後や入社後の研修で教えるため、応募条件とはしていないという企業がほとんどです。
むしろ、「間違った知識や教科書的な知識は、実際に働くにあたってはほとんど役に立たないからね」と仰る人事の方もいました。

これまでの繰り返しにはなりますが、
大切なのは、熱量とそれを的確に伝える言語化能力だということです。

まとめ

今回は、現役大学生・エンタメ業界の就活に励んできた筆者が、説明会や選考フローの中で得てきた知見を具体例とともにご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ともにエンタメ業界を志す皆さんにとって、抱えている悩みが少しでも軽くなるような記事になっていれば幸いです。
まだまだ、選考が始まっていない企業も多くあります。
是非、今回の記事を参考に、自分なりの強みや志望動機を言語化しながら、たくさんの人に感動と幸せを届けることを目指して、エンタメ就活に挑んでみてください!!