【体験談】地方ロケADのリアルなお仕事内容!長期滞在ロケで大変なことは?

テレビロケとはスタジオではなく、野外で行う撮影のことですが、その中には数日間のものや1ヶ月以上のものなど様々存在します。また、行く場所も様々で街録インタビューなどの場合は都内であることも多いですが、長期ロケの場合は、地方...


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テレビロケとはスタジオではなく、野外で行う撮影のことですが、その中には数日間のものや1ヶ月以上のものなど様々存在します。また、行く場所も様々で街録インタビューなどの場合は都内であることも多いですが、長期ロケの場合は、地方に滞在することがほとんどです。
今回は、実際に滞在期間1ヶ月以上のロケで、ADが滞在先で準備したものを撮影当日に演者が使うといった撮影内容のロケ経験を元に、リアルなお仕事内容や大変だったことなどを紹介していきます。

ロケ初日

[ある長期滞在ロケの初日スケジュール]

08:00 東京駅発
10:30 現地到着
11:00 各所挨拶回り①・下見
17:00 終業

今回の長期滞在ロケでは、まずはADだけで新幹線や飛行機に乗って現地に向かいました。
長期間滞在するため、キャリーケースに服などの必需品を入れ、すぐに動けるようにリュックにはADバッグ、パソコンなどを入れていきます。場合によっては、先に荷物を郵送したり、会社から現地に向かうこともあり、必要なものを制作会社からキャリーケースに入れて持っていくこともあります。ロケ地に着いたら、これからお世話になるホテルに荷物を預け、いよいよ長期ロケスタートです。

各所挨拶①

長期滞在ロケでは、まず撮影の準備からバラシ(後片付け)までロケ地に滞在するため、場所によっては、そのロケ地周辺のお店などにロケの詳細を話すなど、挨拶回りをすることが必要になります。例えば、有名な観光地を舞台にロケを行う場合には、およそ20店舗ほど挨拶回りを行うことがあります。中には、テレビの撮影を快く思わないお店などもあり、当初考えていた撮影内容が変わることもあるため、挨拶回りは長期ロケにおいては非常に重要です。
また、番組によっては、力を伴う大掛かりな作業を行うものもあり、その場合には地元の建設業者さんなどにバラシ作業まで委託し協力してもらうことがあり、業者さんともロケについての詳細を話し、良い関係を築くことが長期滞在ロケを円滑に進める上で重要になります。

撮影準備 序盤・中盤(2日目〜撮影4日前くらい)

[”ある長期滞在ロケ”の2日目〜撮影3日前のスケジュール]

07:30 起床・準備
08:00 業務開始(各所挨拶回り②・買い出し・協力会社手伝い、マネジメント)
12:00 昼休憩(現地周辺のお店にて昼飯)
13:00 業務再開
17:00 業務終了

業務開始時間に合わせて起床し、2日目がスタートします。そこで朝食を取るか取らないかはADさんによって様々であり、睡眠時間を少しでも長く取りたいと朝食を取らないADさんが多かったりもします。

各所挨拶②

初日同様、挨拶回りをまずは行います。お店の前などで作業する場合には、お店に今日行う作業の説明をし、営業妨害などのトラブルを避けるためです。お世話になる各所に作業の詳細を伝え終えたところで作業を開始します。

Dのホテルをおさえる

4日目くらいになると、担当のディレクターが一時的に合流し、進捗状況の確認が行われます。ディレクターの指摘で以前に行った作業をやり直すなど作業内容が変わってくることも多々あります。この時、ADが行わなければならないのがディレクターのホテルの手配です。ディレクターに何泊するのかを聞き、速やかにホテルを押さえておく必要があります。

買い出し

作業が進んでいくと、色々と必要なものが新たに出てきます。そのために、近くのホームセンターやコンビニなどに買い出しに行く必要が出てきます。買い出しはできれば速やかに行い、業務に支障のないように行いたいため、まずは商品があるのかを電話で店舗に確認し、できれば取り置きしてもらうのが一番です。地方になると、ホームセンターが近くになく、その規模も様々であるため、特に在庫確認が重要になってきます。

撮影準備 終盤(撮影前々日・前日)

[”ある長期ロケ”の撮影前々日・前日のスケジュール]

【前々日】
06:00 起床・準備
06:30 業務開始
(買い出し・前日リハーサル準備・打ち合わせ)
終わり次第ホテルへ(深夜になることも…)

【前日】
06:00 起床・準備
06:30 業務開始
(リハーサル準備・打ち合わせ)
11:00 リハーサル開始
終わり次第ホテルへ(深夜になることも…)

ここまでくると、現場がピリピリし始めます。撮影前々日くらいからはリハーサルを本番同様に成功させるために今までの作業のテコ入れなど入念に行い、リハーサル後には翌日の本番に向けて、改善点や当日の段取りを確認します。今までは、昼食や夕食をお店やホテルで食べていましたが、コンビニ弁当になることや、そもそも食事の時間を取ることができないこともあり、作業は深夜にまで及ぶこともあります。実際に上記の”あるロケ”では、本番前日にリハーサルで備品の不調が発覚したため、買い出しが深夜になり、それから作業や本番の段取りの確認を行った結果、深夜3時までホテルに戻れませんでした。翌朝は5時半に作業を開始するため、2時間ほどの睡眠で当日を迎える過酷なスケジュールでした。

技術合流

撮影前々日や前日にはカメラマンなどの技術さんが合流します。技術さんへの、当日カメラでどう撮るかなどの説明は基本的にADではなくディレクターの仕事ですが、ADも当日どのように撮るのかは当日の動きにも影響するため把握しておく必要があります。また、時間に余裕があれば、前々日などに技術さんや制作陣でご飯に行き、親交を深めることもあります。技術さんも同じ番組に関わっている以上良い関係を築いておくのは重要なことです。

リハーサル・打ち合わせ

前日には、本番を想定したリハーサルを行い、ADやD、技術さんなど制作スタッフ総出で当日の動きを確認します。これは当日の撮影を円滑に進めるためです。ロケでは、撮影場所から許可されている時間や演者のスケジュールが影響するため、リハーサルは非常に重要です。また、リハーサルを踏まえ、再度前日には動きの確認などの打ち合わせを行います。

撮影当日

[”ある長期ロケ”の撮影当日のスケジュール]
05:00 起床
05:30 業務開始
(撮影準備・備品整理)
11:00 撮影開始
15:00 撮影終了
15:00 バラシ作業開始
18:00 バラシ作業終了

当日は、早めに起床し、撮影に向けて必要なものを撮影場所に準備しておいたり、段取りの確認などを入念に行います。そして撮影では、カメラ図を把握した上で、決められた配置に付き、撮影終了まで動きます。

バラシ作業

撮影が終わると、すぐにADはバラシ作業を行います。借りている場所にも時間が決められており、すぐに使える状態に戻すことが必要だからです。大掛かりな長期滞在ロケの場合には、当日の他に後日もバラシのスケジュールがあり、当日は絶対にバラしておかなければならない箇所だけをバラすこともあります。

撮影後日・ロケ最終日

[”ある長期ロケ”の撮影後日のスケジュール]

09:00 起床
09:30 バラシ作業・各所挨拶③

終わり次第、帰宅・帰社

各所挨拶③

ロケ最終日には、バラシ作業を終えた後、今までお世話になった協力会社やお店の方への挨拶回りを行います。ロケのために場所を借りているお店など、ロケに関わったあらゆる方々に挨拶をし、ロケの成功と放送日などを報告し、ここまでの感謝を伝えます。

このような手順を踏んでようやく長期滞在ロケが終了します。

長期滞在ロケで大変なこと

洗濯

長期滞在ロケでは長い間現地に滞在するため、衣服の消費が激しくなります。もちろん、その日数分の衣服を持っていけば済む話ですが、なるべく荷物は少なく楽にいきたいものです。しかし洗濯をしようにも、地方の場合はコインランドリーが近くにない場合があります。では、どのように解決しているのかを紹介します。

①手洗い用の洗剤を使い、1日かけて部屋干し
コンビニなどで手洗い用の洗剤が旅行用として袋詰めで売っているので、それを購入し、ホテルで洗濯し、翌日の間干しておきます。手間はかかりますが、やってしまえば、次からの服に困ることがありません。

②服を買う
あまりファッションを気にすることはないという場合には、コンビニで安い衣服を何着か買っておくという方法も有効です。実際に、上記のロケでは、服がよく汚れる現場だったため、コンビニで何着か購入し、それを洗いながら生活したりもしていました。

買い出し

長期滞在ロケでは、地方に滞在することが多く、買い出しでよく行くホームセンターが近くに無い場合があります。また、タクシーもすぐに捕まえることが難しいため、ホームセンターに行くまでもかなりの時間を要することになります。

バラシ作業の量の多さ

長期滞在ロケでは、大掛かりな作業を伴うものが多く、備品や機材などをかなり使用します。その分、バラシも大変になり、撮影を終えても数日間、現地に滞在し、バラシ作業を行うことがあります。

まとめ

今回は、長期滞在ロケ中のADの生活について紹介していきましたがいかがでしたでしょうか?長期滞在ロケは最初は行ってみると作業時間も限られてくることもあり、楽だなと感じることもありますが、やはり後半になるにつれて忙しくなっていきます。今までしっかり寝れていたのに、急に寝る時間がなくなる日が増えるなんてこともあります。また、長期滞在ロケならではの大変なこともあります。しかし、終わった後の達成感ややりがいというのは他のロケと比べても大きく感じるものだと思います。