広告代理店の仕事内容を徹底解説|職種別の役割・年収・キャリアまで網羅

広告代理店の仕事内容は営業・マーケティング・クリエイティブ・プロモーション・メディアの5部門に分かれます。本記事では広告代理店の役割や種類から、具体的な職種ごとの仕事内容、関わるメディア、年収、キャリアパスまで詳しく解説。転職や就職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。


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広告代理店の仕事内容は営業・マーケティング・クリエイティブ・プロモーション・メディアの5部門に分かれます。
本記事では広告代理店の役割や種類から、具体的な職種ごとの仕事内容、関わるメディア、年収、キャリアパスまで詳しく解説。転職や就職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

広告代理店の仕事内容と職種別の役割

広告代理店の仕事には、主に5つの職種があります。

営業部門の仕事内容

広告代理店は、広告枠をもつメディアと、広告を出稿したい企業をつなぐ役割を果たしています。そのため、広告代理店の営業部門の仕事内容は、案件獲得やプロジェクト管理時における、クライアントとのやり取りが中心です。案件獲得では、競合プレ(競合コンペ)と呼ばれる場でプレゼンテーションを行い、広告を出稿したい企業に広告のアイデアを提案します。提案するために企画を考えるのも営業部門の役割です。プロジェクト管理では、獲得後の案件に関して、企画を実際に制作するまでのマネジメントを行います。

マーケティング部門の仕事内容

マーケティング部門では市場調査や分析を行い、その結果を具体的な戦略に落とし込むのが主な仕事内容です。広告が生み出す効果に関しての仮説を立てたり、定量的なデータを根拠に説明したりする能力が求められます。

また、広告代理店の中でも大手と中小企業ではマーケティング部門の役割が異なる場合もあります。大手広告代理店では、企画立案自体をマーケティング部門で行うことも多いです。

クリエイティブ部門の仕事内容

クリエイティブ部門では、広告の企画やクリエイティブ制作を行います。広告に掲載するコピーやデザインなどを作るのが主な仕事内容です。コピーライターやデザイナーなどの職種が、クリエイティブ部門で活躍しています。

CMプランナーやクリエイティブディレクターも、クリエイティブ部門では重要な職種です。CMプランナーは、CM作成時のアイデア企画を担当しています。クリエイティブディレクターは、クリエイティブ部門全体を管理したりまとめたりする役割の職種です。

プロモーション部門の仕事内容

広告代理店では、発表会や記者会見などのイベントに参加する機会が多いです。プロモーション部門では、これらのイベントで実施するプロモーションの企画立案を担当します。広告以外のイベントやサンプリングなどでの宣伝活動も含まれます。

プロモーション部門では、ほかの部門と比較して、社外の方とのやり取りが多くなりやすいのが特徴です。

メディア部門の仕事内容

メディア部門では広告のメディア枠の使い方について、クライアントに提案します。メディア枠を仕入れるのも、メディア部門の役割です。

大企業に向けて、新番組や現行の番組のプレゼン資料を作成したり、そのための営業をしたりすることもあります。

また、各キー局で番組改編を行う際には、改編内容を発表するために、番組改編記者発表会を開催します。このようなイベントに参加するのもメディア部門の仕事です。テレビ局のアナウンサーが登壇したり専用の映像を用意したりなど、力の入ったものも多くみられます。

仕事内容の流れ(企画 → 制作 → 出稿)

営業部門が要望をヒアリングしたものを、マーケティング部門が戦略立案し、それを基にクリエイティブ部門がコピーやデザインを作成します。そして、できあがったものをメディア部門が出稿し、出稿されたものをプロモーションが運用します。

広告代理店の種類|総合代理店・専門代理店・ハウスエージェンシー

広告代理店は、主に次の3つの種類に分けられます。

総合広告代理店の特徴

総合広告代理店は、あらゆる広告媒体を取り扱っている広告代理店です。インターネット広告からテレビCMや紙媒体の広告まで、幅広く手がけています。企画からサポートまで一貫して担当するのも特徴です。複数の広告媒体を利用したプロモーションも行います。

広告媒体や業務内容が多岐にわたるため、求められる知識やスキルも多くなりがちです。仕事量も多く、総合広告代理店の仕事は激務といわれています。

その一方で、平均年収が高くやりがいのある仕事ができることから、人気の就職先です。

専門広告代理店の特徴

専門広告代理店は、特定の広告媒体に特化している広告代理店です。例えば、インターネット広告だけを扱っている代理店や、紙媒体の広告だけ扱っている代理店などがあります。

専門広告代理店で活躍するためには、自社で扱う広告媒体に関する専門的な知識やスキルが必要です。例えば、インターネット広告に特化した専門広告代理店であれば、デジタルマーケティングやデータ分析の知識・ノウハウが求められます。

最近では、インターネット広告の専門広告代理店の成長が目覚ましく、人気の就職・転職先として定着してきました。

ハウスエージェンシーの特徴

ハウスエージェンシーは親会社や関連企業の広告活動を専門としている広告代理店です。案件の獲得先はほぼ決まっているため、案件獲得業務は少なめで安定しています。

ほかの広告代理店と比べて、業務がスムーズで働きやすいのが特徴です。

また、ハウスエージェンシーをもっている企業にとっては、コスト削減や秘密保持をしやすいメリットがあります。

広告代理店が扱う媒体・メディアの種類

広告代理店では、主に次のような媒体会社やメディアとの関わりがあります。

テレビ・新聞・雑誌

テレビ局ラジオ局には、CM枠確保のために広告代理店が関わりをもちます。

テレビCMは、短時間でも宣伝効果が見込め、費用も高いのが特徴です。

ラジオCMは、テレビCMほどの効果は期待できないものの、低コストで交渉もしやすい傾向にあります。

新聞社は、紙媒体の代表的な広告メディアです。新聞の広告枠には一面広告を中心にいくつかの種類があり、代理店はクライアントの予算や宣伝する商材を考慮しつつ枠を選定します。

雑誌社は、特定のターゲット層に特化してアプローチしたい場合に効果的な広告メディアです。例えば、アパレル雑誌ならアパレルに関心の深い人に対してアプローチできます。

Web・SNS広告

WEB広告には、Yahoo!やGoogleの検索エンジンに掲載されるリスティング広告、Webサイト上に掲載されるバナー広告が存在します。

SNS広告は、InstagramやTwitter、Facebookなどのプラットフォーム上で配信される広告です。自然な形でタイムラインなどに広告が掲載されています。

屋外広告・交通広告

屋外広告には、建物や構造物の上に設置されている屋上広告や、建物の壁面に設置される壁面広告があります。近年ではデジタルサイネージを活用した壁面広告も増えています。

また、自動車のボディやガラス、トランクなどに広告を掲示している車体広告も屋外広告の1つです。

交通広告では、車両内に掲示されている中づりポスターや、車両ドアに貼られているステッカー、ドア上に設置されている液晶ディスプレイなどのデジタルメディアが存在しています。

広告代理店の年収・キャリアパス

平均年収

大手求人サイトdodaによると、広告代理店の平均年収は438万円です。ただし、広告代理店に勤務している方の中でも職種によって差があります。また、広告代理店の種類や規模による違いも大きいです。電通などの大手広告代理店では、平均年収額が1,000万円を超えている場合もあります。

職種別の年収目安

広告代理店の年収は職種により異なります。

クライアントとの窓口になり、企画・実行を行うアカウントエグゼクティブの平均年収は約500万円から700万円、広告キャンペーンのクリエイティブ部分を統括するクリエイティブディレクターの平均年収は約800万円から1000万円と高い年収が期待できます。

他にもデジタルチャネルを活用したマーケティング戦略を行うデジタルマーケティングスペシャリストの平均年収は約700万円から900万円で、交互な専門知識を持った場合には1000万円以上の年収を得ることもあります。

大手と中小の違い

大手と中小の広告代理店では、案件規模・案件内容・担当範囲・キャリアなどが異なります。

大手広告代理店 中小広告代理店
案件規模 大規模 小〜中規模
内容 マーケティング支援からメディア手配など多岐にわたる 大手広告代理店や中堅代理店からの受託案件・地域密着型・専門特化型など
業務担当範囲 分業制 複数業務を担当
キャリア 幅広い実績が得られる 実務力と即応力が身に付く

広告代理店に向いている人材像と必要なスキル

広告代理店に向いている人の特徴

広告代理店では、クライアントの要望を汲み取ったり、企画案をわかりやすく伝えたりする機会が多いです。そのため、コミュニケーション能力の高い方が重宝されます。

情報収集スキルの高い方も、広告代理店に向いています。効果的な広告戦略やクリエイティブを展開するためには、案件ごとの知識やトレンドを積極的に学ぶ姿勢が重要です。

さらに、先述したように複数の媒体会社やメディアとの調整が求められ、咄嗟のトラブルに対応しなければならない機会も多いため、これらを乗り越えていけるようなバイタリティも欠かせません。

広告代理店で働くための必要なスキル

広告代理店では要望を汲み取る力が求められます。

曖昧なクライアントの要望や、潜在的な課題を汲み取るためにもコミュニケーション分析力が欠かせません。

発想の柔らかさも、常識や既成概念にとらわれない柔軟な発想も広告代理店で働くための必要なスキルです。個性を生かし、柔軟でオリジナリティのある発想を生み出していくことで引き出しを増やし、日々の業務へのやりがいに繋がっていきます。

広告代理店で働くには?就職・転職の方法

広告代理店への転職を希望している場合、前職や得意なスキルを活かした職種を選ぶのがおすすめです。業種は違っても、これまで培ったスキルが役に立つ場面が多くあります。

新卒で働く場合

職種ごとに有利な資格を取得するのもおすすめです。例えば、クリエイティブ部門ならWebクリエイター能力検定やWebデザイン技能検定などが役に立ちます。マーケティング部門なら、ネットマーケティング検定やGoogle AdWords認定資格を取得しておけば、アピール材料になります。

転職で働く場合

広告代理店は未経験でも転職しやすいのが特徴です。基本的な知識を身につけて、やる気をアピールすれば、未経験でも採用される可能性は充分にあります。特に営業職や企画職を経験している方は、コミュニケーション能力や発想力が評価されるため、経験を積めば大きな案件に携わるチャンスも広がるかもしれません。

まとめ

広告代理店は、広告を出稿したい企業とメディアとの間に入って、企画や制作を行ったり広告枠を確保したりする企業です。広告代理店全体の平均年収額はそれほど高くありませんが、大手の広告代理店だと1,000万円以上も見込めます。中小規模の代理店では裁量の広さや即応力を強みにできるなど、それぞれに特徴があります。どちらの規模も様々な業種の方と関わる機会があり、広告の成果が上がったときの達成感も味わえるため、やりがいのある仕事です。

また広告代理店は、未経験でも転職しやすい業種のため、興味のある方は転職先の1つとして検討してみましょう。もし「自分に合った広告代理店の求人を探したい」「業界への適性を相談したい」と感じたら、まずは求人検索やキャリア相談を活用してみるのがおすすめです。